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【寵愛】と【溺愛】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「寵愛」(読み方:ちょうあい)と「溺愛」(読み方:できあい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「寵愛」と「溺愛」という言葉は、相手をかわいがるという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




寵愛と溺愛の違い

寵愛と溺愛の意味の違い

寵愛と溺愛の違いを分かりやすく言うと、寵愛は理性が残っている時に使い、溺愛は理性が残っていない時に使うという違いです。

寵愛と溺愛の語源の違い

寵愛の寵の字は、龍を屋内に囲って大切に養う様子や、龍の神を祭る非常に大切な家を表した字です。ここから「寵愛」は対象より立場が上の人がその対象を特別愛することを意味します。

溺愛の溺の字は、溺れるという意味だけではなく、心を奪われ夢中になるという意味があります。ここから、「溺愛」は愛された側がまるで愛した側のすべてかのように愛し、判断力を失って溺愛した対象に言いなりになってしまうような状況に陥ります。

寵愛は大切にして愛することのみを表現する時に使い、溺愛は他のことが目に入らないほど愛することを表現する時に使います。どちらも深く愛することを表しますが、周りや自分を見つめる理性が残っているか否かが、この二つの言葉の明確な違いです。

寵愛と溺愛の英語表記の違い

寵愛を英語にすると「love」「affection」「patronage」となり、例えば「寵愛を得る」を英語にすると「win somebody’s favor」となります。

一方、溺愛を英語にすると「blind love」「dote on」となり、例えば「溺愛される」を英語にすると「be doted on」となります。

寵愛の意味

寵愛とは

寵愛とは、特別に大切にして愛することを意味しています。

寵愛の「寵」の意味

寵愛の寵の字は、龍を屋内に囲って大切に養う様子や、龍の神を祭る非常に大切な家を表した字です。

表現方法は「寵愛を受ける」「寵愛を授かる」「寵愛される」

「寵愛を受ける」「寵愛を授かる」「寵愛される」などが、寵愛を使った一般的な表現方法です。

寵愛を使った言葉として、「寵愛昂じて尼になす」「三千の寵愛一身にあり」があります。

「寵愛昂じて尼になす」の意味

一つ目の「寵愛昂じて尼になす」とは、親が娘を愛おしく思うあまりいつまでも嫁にやらず、ついには尼にするようになったことから、可愛がるのも度が過ぎれば本人のためにならないことを意味することわざです。

この「寵愛昂じて尼になす」ということわざの類語・類義語として、贔屓が度を越えてかえってその人を不利にすることを意味する「贔屓の引き倒し」、善かれと思ってとった行動が最悪の結果を招くことを意味する「甲張り強くして家押し倒す」があります。

「三千の寵愛一身にあり」の意味

二つ目の「三千の寵愛一身にあり」とは、大勢の人の中からたった一人選ばれて愛情を独り占めすることを意味する言葉です。四字熟語の寵愛一身はこのことわざを省略したものです。

この言葉は、白居易による『長恨歌』に書かれた一説にあたります。『長恨歌』は中国王朝の一つである唐の玄宗皇帝と、世界三大美人の一人である楊貴妃のエピソードに関する古詩です。楊貴妃が亡くなってからおよそ50年後に書かれたお話です。

寵愛の類語

寵愛の類語・類義語としては、愛して懐かしみ慕うことを意味する「愛慕」、深く心を寄せて慕うことを意味する「傾慕」、気に入った人を特に引き立てることを意味する「贔屓」、特別に目をかけることを意味する「眷顧」(読み方:けんこ)などがあります。

寵愛の寵の字を使った別の言葉としては、神や主君から受ける恵や慈しみを意味する「恩寵」、寵愛している臣下を意味する「寵臣」、特別にかわいがられる子どもや世にもてはやされる人気者を意味する「寵児」などがあります。

溺愛の意味

溺愛とは

溺愛とは、むやみにかわいがることを意味しています。

表現方法は「溺愛する」「溺愛してる」

「溺愛する」「溺愛してる」などが、溺愛を使った一般的な表現方法です。

溺愛の意味を含んだ四字熟語

溺愛の意味を含んだ言葉として、「愛屋及烏」「愛月撤灯」「舐犢之愛」があります。

一つ目の「愛屋及烏」(読み方:あいおくきゅうう)とは、溺愛や盲愛をたとえた四字熟語です。その人を愛するあまり、その人に関与するすべて、その人の家の屋根に止まっていたのがカラスであったとしても愛おしく思えるということに由来しています。

この四字熟語は「屋を愛して烏に及ぶ」とも読み、「愛及屋烏」(読み方:あいきゅうおくう)と「屋烏之愛」(読み方:おくうのあい)は類語・類義語にあたります。

二つ目の「愛月撤灯」(読み方:あいげつてっとう)とは、ものを大切にして可愛がる程度が極めて激しいことを意味する四字熟語です。愛月は月を愛することを表し、撤灯は光源となる灯りを撤去することを表しています。

中国王朝の唐時代の詩人の一人が、酒を飲みながら詩を作る宴席で、月明かりがとても美しかったため、灯りを撤去させた故事が由来となっています。この四字熟語は「月を愛して灯を撤す」とも読みます。

三つ目の「舐犢之愛」(読み方:しとくのあい)とは、親が自身の子を溺愛することを意味する四字熟語です。犢という字は牛の子どもを意味し、牛が子牛を舐める様子にたとえた言葉です。「老牛舐犢」はこの四字熟語の類語・類義語にあたります。

溺愛の類語

溺愛の類語・類義語としては、猫をかわいがるようにむやみやたらに甘やかしてかわいがることを意味する「猫かわいがり」、むやみにかわいがることを意味する「盲愛」、子どもなどに必要以上の保護を与えることを意味する「過保護」などがあります。

溺愛の溺の字を使った別の言葉としては、水に溺れて死ぬことを意味する「溺死」、一つのことに夢中になって他を顧みないことを意味する「耽溺」(読み方:たんでき)、あることに夢中になり本心を奪われることを意味する「惑溺」などがあります。

寵愛の例文

1.昔のヨーロッパでは今とは違って、王様の寵愛を受けた女性は一人だけではなく、他の女性ともつながりを持っていた。
2.会社の社長の息子が私を気に入ってくれていることを知った父は、その寵愛を台無しにしないようにと私に言ってきた。
3.彼女は両親の寵愛を一身に受けて育ったのだろう、事あるごとに両親の話を私にしてくれる。
4.彼女の音楽の才能はまるで神の寵愛を受けたかのようだと言われるが、裏でたくさんの努力をしていることを知っている。
5.彼の寵愛ぶりは同性愛説が噂されるほどであったが、それほどの信頼関係が家臣との間にあったのだろうとも思った。
6.彼女は国王と王子の深い寵愛を受けていたため、平民の身分であっても優遇されたのです。
7.令嬢は父親の寵愛を受けて育ったため、自分が特別扱いされるのが当然だと思っているようだ。
8.パトロンの寵愛を受けた若手芸術家たちは、才能を開花させて世界的に有名になっています。
9.父の寵愛は生まれたばかりの次男坊に移り、長男を徐々に疎むようになったと言う。
10.推しの寵愛を受けたアイドルは、熱狂的なファン層を獲得していますが、アイドルの自宅に押しかけるなど暴走する者もいました。

この言葉がよく使われる場面としては、他より特別に愛することを意味する時などが挙げられます。

寵愛という言葉は、おおむね上の立場の者が特別に可愛がる時に使われます。そのため、「ご寵愛」や「寵愛なさる」など敬語表現と共に使われることもあります。

溺愛の例文

1.他社が弊社の看板商品の類似品を発売して若干不安な気持ちになったが、消費者は弊社の商品を溺愛してくれているのか目もくれない。
2.兄は妹である私のことを溺愛しすぎており、小さいころから目に入れても痛くないと言ってくる。
3.兄と弟がいたとして、どちらか一人を溺愛する親は、子供の成長を妨げる毒親と言われている。
4.彼は溺愛してやまない愛猫と暮らしており、会社の飲み会に誘われたとしてもほとんど断る。
5.会社の部下が溺愛するスイーツをおすすめしてくれるらしいので、楽しみにしている。
6.ペットが苦手な夫に相談もせず猫を飼い始めたが、今では夫は毎日猫にデレデレでこっちが恥ずかしくなるほどの溺愛ぶりだ。
7.父親は娘を溺愛しており、彼女が結婚することには懐疑的な様子を見せている。
8.あんなに厳しかった父親だが、孫に対しては目の中に入れろと言われれば本当に入れかねないほどの溺愛ぶりだ。
9.彼は自分のペットを溺愛しており、あらゆる贅沢を与えているが、ペット産業はこういう人たちをターゲットにしているのだろう。
10.仕事の鬼である上司も自分の娘を溺愛しており、週末は娘と過ごす時間を大切にしているそうだ。

この言葉がよく使われる場面としては、むやみやたらに可愛がることを意味する時などが挙げられます。

例文1の「商品」、例文4の「愛猫」や例文5の「スイーツ」などのように、人間相手でなくとも溺愛という言葉を使うことができます。

寵愛と溺愛どちらを使うか迷った場合は、特別大切にしたり愛することを表す場合には「寵愛」を、他の物事が目に入らないくらい愛することを表す場合は「溺愛」を使うと覚えておけば間違いありません。

言葉の使い方の例文
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