似た意味を持つ「鉄火場」(読み方:てっかば)と「修羅場」(読み方:しゅらば)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「鉄火場」と「修羅場」という言葉は、どちらも「激しい争いの場」を表しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
鉄火場と修羅場の違い
鉄火場と修羅場の意味の違い
鉄火場と修羅場の違いを分かりやすく言うと、鉄火場とは博打を打つ場を意味し、修羅場とは悲惨な争いの場を意味するという違いです。
鉄火場と修羅場の使い方の違い
一つ目の鉄火場を使った分かりやすい例としては、「あの町には非合法の鉄火場があるらしい」「気持ちを引き締めて鉄火場に立つ」「いつもの鉄火場に回収に行く」「忙しい職場はまるで鉄火場のようです」などがあります。
二つ目の修羅場を使った分かりやすい例としては、「修羅場をくぐることで人は大きくなるものだ」「浮気の修羅場を経験したことがあります」「恋愛の修羅場を乗り越えることが出来た」「平和な街が戦争で修羅場と化した」などがあります。
鉄火場と修羅場の使い分け方
鉄火場と修羅場という言葉は、どちらも「激しく戦ったり争ったりする現場」を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
鉄火場とは、賭け事をする賭博場を意味します。賭博場でのお金をかけた激しいぶつかり合いから、「職場はまるで鉄火場」のような使い方で、戦場のような場所のたとえとしても用いられています。また、賭博場の慌ただしさも表す言葉です。
修羅場とは、戦乱や闘争の悲惨をきわめた場所を意味し、血にまみれるような争いや激しい戦いを表します。昨今では、不倫や浮気のもつれが原因となった口論やケンカなど、感情がもつれあう醜い争いを表す時に用いられることが多くあります。
つまり、鉄火場は賭博場のことであり、修羅場は戦乱の場所という大きな違いがあります。また、鉄火場は激しい戦いや忙しさを表しますが、修羅場は激しい戦いだけでなく醜い争いのニュアンスがあります。これらが、鉄火場と修羅場の明確な違いになります。
鉄火場と修羅場の英語表記の違い
鉄火場を英語にすると「gambling house」「gambling parlor」となり、例えば上記の「非合法の鉄火場」を英語にすると「an illegal gambling parlor」となります。
一方、修羅場を英語にすると「pandemonium」「shambles」「hell」となり、例えば上記の「修羅場をくぐる」を英語にすると「fight through hell」となります。
鉄火場の意味
鉄火場とは
鉄火場とは、ばくち場、賭場を意味しています。
表現方法は「鉄火場に立つ」「鉄火場を踏ませる」「鉄火場の風情」
「鉄火場に立つ」「鉄火場を踏ませる」「鉄火場の風情」などが、鉄火場を使った一般的な言い回しです。
鉄火場の使い方
鉄火場を使った分かりやすい例としては、「気合いを入れて鉄火場に立つ」「欧米の鉄火場とは相性が悪いようだ」「独特な鉄火場の風情を懐かしく感じる」「新橋に違法の鉄火場があるらしいよ」などがあります。
その他にも、「株式市場の鉄火場相場に肝を冷やす」「最新のパチンコスロットが楽しめる鉄火場です」「鉄火巻は鉄火場で手を汚さずに食べるために作られました」「競馬は合法的な鉄火場です」などがあります。
鉄火場はパチンコ店・カジノ場・競馬場を指す
鉄火場とは、ばくち場や賭場の別の呼び名であり、博打を打つ場所のことです。現代では、パチンコ店やカジノ場、競馬場など、金銭や品物などを賭けて勝負を争うギャンブルを楽しむ場所を指します。
鉄火場は、その慌ただしく緊迫した雰囲気から、忙しい場面や差し迫る状況などをたとえる時にも用いられています。また、荒々しくぶつかり合うギャンブルの世界観から、戦場のような場所を表すこともあります。
鉄火場の由来
鉄火場という言葉の由来は、熱した金属を打ち鍛え、器物をつくる鍛冶屋にあります。鉄火場の「鉄火」は真っ赤に焼けた鉄のことであり、賭け事をしている人の熱の入りようが熱した鉄のようであるため、それを加工する場所が「鉄火場」と呼ばれるようになりました。
「鉄火場相場」の意味
鉄火場を用いた日本語には「鉄火場相場」があります。文字通り、賭博場のような相場のことであり、理論や実態を逸失した投資行動により相場が乱高下する様相を意味します。
鉄火場の類語
鉄火場の類語・類義語としては、花札やトランプなどを用い金品をかけて勝負を争うことを意味する「博打」、金品を賭けて争う勝負事を意味する「賭事」、ばくちや賭け事を意味する「ギャンブル」、金品をかけて勝負を争うことを意味する「賭博」などがあります。
修羅場の意味
修羅場とは
修羅場とは、血みどろの激しい戦いや争いの行われる場所を意味しています。
その他にも、「人形浄瑠璃・歌舞伎・講談などで、激しい戦いや争いの演じられる場面」の意味も持っています。
修羅場の読み方
修羅場の読み方は「しゅらば」です。他にも「しゅらじょう」と読むことが出来ますが、この読み方は、「阿修羅と帝釈天とが戦う場所」という別の意味の仏教用語になります。
表現方法は「修羅場をくぐる」「修羅場を踏む」「修羅場になる」
「修羅場をくぐる」「修羅場を踏む」「修羅場になる」などが、修羅場を使った一般的な言い回しです。
修羅場の使い方
「修羅場を乗り越えることで人は磨かれます」「この仕事でいくつもの修羅場をくぐり抜けるだろう」「客同士が取っ組み合いとなり三軒茶屋の小料理屋は修羅場と化した」「修羅場まとめ速報サイトをチェックする」の文中で使われている修羅場は、「血みどろの激しい戦い」の意味で使われています。
一方、「白熱した修羅場に観客は目を覆った」「一緒に観劇した友人と修羅場の感想を言い合う」「浄瑠璃では二段目に修羅場がおかれることが多い」などの文中で使われている修羅場は、「歌舞伎などで激しい戦いや争いの演じられる場面」の意味で使われています。
修羅場とは、上記の例文のように二つの意味がありますが、一般的には、闘争や戦乱の激しい場所、血なまぐさいことが行なわれる場所の意味で使われている言葉です。 また、人形浄瑠璃や歌舞伎などで、激しい戦いの場面を扱った部分を意味しますが、この場合は「荒れ場」とも言います。
修羅場の由来
修羅場という言葉の由来は、仏教の教えにあります。仏教には業によっておもむく「六道」があり、その一つの「修羅道」は争いや怒りの絶えない世界を意味します。そこから、激しい闘争場面や流血を見るような残酷な状態を「修羅場」と言うようになりました。
修羅場の対義語
修羅場の対義語・反対語としては、安楽でなんの心配もない状態や場所を意味する「極楽」、楽しく苦しみのない土地を意味する「楽天地」、何にも煩されない快適な環境を意味する「天国」などがあります。
修羅場の類語
修羅場の類語・類義語としては、戦闘が行われる場所を意味する「戦場」、非常な苦しみをもたらす境遇を意味する「地獄」、きわめてむごたらしい状況になることを意味する「地獄絵図」、歌舞伎や人形浄瑠璃などで最も大切な見せ場を意味する「正念場」などがあります。
鉄火場の例文
この言葉がよく使われる場面としては、 ばくちを打つ場所、賭場を表現したい時などが挙げられます。
例文5にあるように、鉄火場という言葉は、緊張感があったり、慌ただしかったりする状況を表す時にも用いられています。
修羅場の例文
この言葉がよく使われる場面としては、血なまぐさいことが行なわれる場所、演劇や講談のなかの闘争の場面を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、修羅場という言葉は、浮気や不倫、恋愛トラブルに関する争いや、悲惨な状況を表す時に用いられることが多くあります。
鉄火場と修羅場という言葉は、どちらも「激しい争いの現場」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、ばくち場を表現したい時は「鉄火場」を、醜い争いの場や闘争の場面を表現したい時は「修羅場」を使うようにしましょう。