【慎む】と【謹む】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文
今日の買取件数:20件/今月の買取件数:360件/累計買取件数:2,264件

同じ「つつしむ」という読み方、似た意味を持つ「慎む」と「謹む」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「慎む」と「謹む」という言葉は、どちらも慎重で控えめな態度を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。



慎むと謹むの違い

慎むと謹むの違いを分かりやすく言うと、慎むとは言動を控え目にすることや全く行わないこと、謹むとは目上の人に対してかしこまることを意味しているという違いです。

二つの言葉は「控えめに行動する」という共通するニュアンスを持っています。「謹慎」(読み方:きんしん)という言葉があることからも、二つの言葉が近い意味を持っていることが伺えます。

そのため国語辞書では同じ見出しに併記されていることも多いです。しかし同義語と言い切ることは出来ず、実際には二つの言葉は相当異なるニュアンスを込めて使い分けがされています。

一つ目の「慎む」は「控えめな態度」や「言動を控える」ことを意味します。時代錯誤的な感は否めませんが、少なくとも伝統的には、「慎ましさ」つまり控えめな態度は男性から見て女性の理想的な振る舞いとされています。

また「私語は慎みたまえ」のように、ある言動を抑制したり禁止したりする意味で使われることもあります。

二つ目の「謹む」は「目上の人に対してかしこまる」という意味の言葉です。「謹んで申し上げます」や「謹んでお喜び申し上げます」などは、よく見聞きする表現です。

「申し上げる」は謙譲語なので、それだけで相手を敬っていることになるのですが、「謹んで」という言葉を添えることによって一層の謙譲の念が表現されています。

「謹む」は「相手に対する敬意が込められた慎む」です。慎むという態度は不適切な言動を取らないために取るもので、謹むという態度は相手に失礼を働かないために取るものです。

慎むの意味

慎むとは、言動を控えめにすることや、ある言動を行わないことを意味しています。例えば「暴飲を慎む」とは飲酒などを控えめにすることで、「私語を慎む」は私語をしないという意味です。

「慎む」は「軽はずみな言動」の反対だと考えると意味が分かりやすくなります。軽はずみな言動を取って下手な失敗をしないために、慎むという態度が必要になります。

また慎むという言葉は、「慎み深い」「慎ましい」「慎ましやか」などのように使われることもあります。これらの言葉では特定の言動が控えめであるだけではなく、振る舞い方や性格などが全般的に遠慮深く、穏やかであることが表現されています。

なお、人が亡くなり嘆き悲しむことを「故人を悼む」といいますが、「故人を慎む」と間違える人がいます。「悼む」は「いたむ」と読み、心の痛みを表現する言葉です。

慎むの類語・類義語としては、ルールを守らせることを意味する「律する」、欲などが高まるのをとどめることを意味する「抑える」、自らの品性を保ち、軽はずみな言動をしないようにすることを意味する「自重する」などがあります。

慎むの慎の字を使った別の言葉としては、言動をいましめることを意味する「戒心」(読み方:かいしん)などがあります。

謹むの意味

謹むとは、目上の人に対してかしこまって物事を行うことを意味しています。「例えば謹んで申し上げます」や「謹んでお受けいたします」のように、「謹んで何々する」という形で使われる傾向があります。

「謹む」は「相手に対する敬意が込められた慎む」です。慎むは自分が不適切な態度を取ることがないようにすることですが、謹むは自分の態度が相手に失礼にならないように取る態度です。

時々、「慎むは自分本位、謹むは他人本位」と考えられることがあります。しかし、この考え方は必ずしも正しくはありません。

何故なら、失礼な態度で相手の機嫌を損ねてしまった場合には、自分にも不利益があるからです。その意味で、謹むも自分本位の言葉であると考えることが出来ます。

また「私語を慎んで下さい」は、会議、講演会、講義などの場で使われる言葉ですが、私語を何故慎まなければいけないのかといえば、話を聞きに来ている周りの人に迷惑がかかるからです。慎むは必ずしも自分本位の態度ではなく、他人本位でもあるのです。

謹むの謹の字を使った別の言葉としては、謹んで申し上げることを意味する「謹啓」、謹んで物を差し上げることを意味する「謹呈」、謹んで喜びを申し上げることを意味する「謹賀」などがあります。

慎むの例文

1.最後列の人達、講義中は私語を慎むようにして下さい。
2.君は口を慎むということを覚えた方が良いよ。
3.人を見た目で判断することは厳に慎まなければならない。
4.これからは気持ちを入れ替え、身を謹んで生きていこうと思う。
5.今年の渋谷のハロウィンでは、派手な行動を慎む動きが見られた。

この言葉がよく使われる場面としては、下手に失敗しないために言動を控えることを表現したい時などが挙げられます。慎むは「私語を慎む」や「言動を慎む」のように定型化して使われる傾向があります。

例文3の「厳に慎む」とは厳しい態度で言動を控えることで、例文4の「身を慎む」とは派手な言動をしないことです。それぞれ使われる頻度は高くはないですが、定型句として定着しています。

謹むの例文

1.この度私達二人は結婚し、夫婦となりましたので、ここに謹んでお知らせいたします。
2.葬儀場では、弔問客は皆一様に、「謹んでお悔やみ申し上げます」と述べていた。
3.茶会へのお誘い、誠にありがとうございました。謹んで参加いたします。
4.謝罪会見ではいつも「謹んでお詫び申し上げます」と言われる。自分の言葉で話していないように感じる。
5.今回のお話については、謹んで辞退させていただきたく存じ上げます。

この言葉がよく使われる場面としては、相手を尊重する念を表現したい時などが挙げられます。謹むは「謹んで何々する」という形で使われることが多い、一種の謙譲表現です。

そのため言動の性質を客観的に表現しているというよりは、相手を尊重する念を示したい時に、自分の言動に対して使われる言葉です。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター