似た意味を持つ「予めご了承ください」(読み方:あらかじめごりょうしょうください)と「予めご理解ください」(読み方:あらかじめごりかいください)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「予めご了承ください」と「予めご理解ください」という言葉は、どちらも前もって納得してくださいとお願いすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「予めご了承ください」と「予めご理解ください」の違い
「予めご了承ください」と「予めご理解ください」の意味の違い
「予めご了承ください」と「予めご理解ください」の違いを分かりやすく言うと、「予めご了承ください」はこれから起こることに対してしか使えない、「予めご理解ください」はすでに始まっていることに対しても使えるという違いです。
「予めご了承ください」と「予めご理解ください」の使い方の違い
一つ目の「予めご了承ください」を使った分かりやすい例としては、「夏季休暇中は電話対応はいたしませんので、予めご了承ください」「メール便は配送日指定が出来ませんこと、予めご了承ください」などがあります。
二つ目の「予めご理解ください」を使った分かりやすい例としては、「本イベントは17時までとなっておりますので、予めご理解ください」「入場制限を行う場合がありますので、予めご理解ください」などがあります。
「予めご了承ください」と「予めご理解ください」の使い分け方
「予めご了承ください」と「予めご理解ください」はどちらも似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「予めご了承ください」はこれから起こることに対してしか使えなく、すでに始まっていることに対して使うことはできません。一方、「予めご理解ください」はこれから起こることに対しだけではなく、すでに始まっていることに対しても使うことができるというのが違いになります。
「予めご了承ください」と「予めご理解ください」の英語表記の違い
「予めご了承ください」も「予めご理解ください」も英語にすると「please note that ~」「Please understand this in advance」「Thank you for your understanding」などとなります。
「予めご了承ください」の意味
「予めご了承ください」とは
「予めご了承ください」とは、前もって納得してくださいとお願いすることを意味しています。
「予めご了承ください」の使い方
「予めご了承ください」を使った分かりやすい例としては、「酒類の提供は午前10時から午後17時となっておりますので、予めご了承ください」「12月から2月末まで長期休場いたしますので、予めご了承ください」「売り切れ次第終了となりますので、予めご了承ください」などがあります。
「予めご了承ください」は物事の始まる前にある事をしておくことを意味する「予めに」、接頭語の「ご」、事情をくんで納得することを意味する「了承」、「くれ」の尊敬語の「ください」が合わさった敬語表現です。
「予めご了承ください」はビジネスシーンでも使うことができる言葉ですが、張り紙、アナウンス、案内状などの不特定多数への全体通知として使うのが一般的です。
「予めご了承ください」は目上の人に使えない
また、「予めご了承ください」は目上の人に対しては使えないの注意しましょう。なぜなら、「ご了承ください」は納得してくれや分かってくれを丁寧にした表現になります。そのため、敬語表現にしたとしても相手に上から目線の印象を与えるからです。
もし、目上の人に対して使いたいのであれば、「予めご了承願います」「予めご了承くださいますようお願い申し上げます」「予めお含みおき願います」などに言い換えるようにしましょう。
「予めご了承ください」の類語
「予めご了承ください」の類語・類義語としては、今後起こることを心に留めておいてくださいのことを意味する「予めお含みおきください」、事前に知っておいて欲しいことを意味する「予めご承知おきくさだい」などがあります。
「予めご理解ください」の意味
「予めご理解ください」とは
「予めご理解ください」とは、前もって分かってくださいとお願いすることを意味しています。
「予めご理解ください」の使い方
「予めご理解ください」を使った分かりやすい例としては、「飲食ブースのご利用は16時までとなっておりますので、予めご理解ください」「数に到達した時点で終了とさせていただきますので、予めご理解ください」などがあります。
「予めご理解ください」は物事の始まる前にある事をしておくことを意味する「予めに」、接頭語の「ご」意味や内容を飲み込むことを意味する「理解」、「くれ」の尊敬語の「ください」が合わさった敬語表現です。
「予めご理解ください」はこれから起こることに対しだけではなく、すでに始まっていることに対しても使うことができるというのが特徴です。
また、「予めご理解ください」は話し言葉としてだけではなく、ビジネスメールや文書などの書き言葉としても使うことができます。
「予めご理解ください」は目上の人には使えない
ただし、「予めご理解ください」を目上の人に対してそのまま使うのは少々失礼に当たるので、「予めご理解のほどお願い申し上げます」「予めご理解いただけますようお願いいたします」「予めご理解いただければ幸いです」などに置き換えるようにしましょう。
「予めご理解ください」の類語
「予めご理解ください」の類語・類義語としては、今後起こり得る過失に対して事前の謝罪と許しを乞うことを意味する「予めご容赦ください」があります。
「予めご了承ください」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、前もって納得してくださいとお願いすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「予めご了承ください」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉です。
「予めご理解ください」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、前もって分かってくださいとお願いすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「予めご理解ください」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉です。
「予めご了承ください」と「予めご理解ください」はどちらも前もって納得してくださいとお願いすることを表します。
どちらの言葉を使うか迷った場合、これから起こることに対してしか使えないのが「予めご了承ください」、すでに始まっていることに対しても使えるのが「予めご理解ください」と覚えておきましょう。