【品行】と【品性】と【品格】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「品行」(読み方:ひんこう)と「品性」(読み方:ひんせい)と「品格」(読み方:ひんかく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「品行」と「品性」と「品格」という言葉は、どれも品の良い、悪いを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。



品行と品性と品格の違い

品行と品性と品格の違いを分かりやすく言うと、品行とは行動や態度の品、品性とは人格や性格などの品、品格とは物事から感じられる雰囲気の品を意味しているという違いです。

三つの言葉に共通する品という言葉は、はっきり定義することが出来ない、とても難しい概念を表現しています。

例えば「上品」(読み方:じょうひん)や「下品」(読み方:げひん)という言葉の場合、品は礼儀や礼節という意味で使われています。また「気品」(読み方:きひん)や「品位」(読み方:ひんい)の場合なら、品は高貴さや気高さに近い意味になります。

このように表現出来る意味の範囲が広いので、この品という字を単独で説明することはほぼ不可能です。少なくとも一つだけ言えるのは、品は良いか悪いか、あるかないかが判断されるような性質を表現しているということです。

一つ目の「品行」は「行動や態度などに現れ出ている品」を意味しています。上品や下品と同じように、品行の品の字は礼儀や礼節などの意味で使われています。

品行は「品行が良い」「品行が悪い」などのように使われます。これらは日常的な会話の中ではあまり使われませんが、行動や態度の良し悪しを意味する表現です。

品行という言葉は、日頃からの態度や行動に対して使われる傾向があります。普段は礼儀正しい人がたまたま機嫌が悪く投げやりになっていたり、素行の悪い人がたまたま礼儀正しかったりするような場合には、品行という言葉はあまり使われません。

二つ目の「品性」は「人格や性格など、人の内面にある品」を意味しています。品性という言葉は、特に道徳的、倫理的な観点から見た時の人格や性格の良し悪しを表現するために使われます。

例えば、人の不幸を喜ぶことは品性がありませんし、卑怯者は「品性下劣」(読み方:ひんせいげれつ)と言われることもあります。また「政治家としての品性に疑いがある」などのように、職業に対する人格的な資質を問題にする時に用いられることもあります。

三つ目の「品格」とは「物事がそれに接している人に感じさせる品」を意味する言葉です。品行や品性は人に対してだけ使うことが出来る言葉ですが、品格は人以外の物事に対しても、例えば「国家としての品格」などのように使うことが出来ます。

品格という言葉は、一種の敬意を表現していることが多いです。そのためこの言葉は高貴な物事に対して使われる傾向があります。「国家の品格」は「国家として尊敬出来る性質」くらいの意味になります。

品行の意味

品行とは、態度や行動などの品を意味しています。

品行の行の字は、行動や行為や行進など、体の動作に関係しています。もう一つの品の字は様々な意味合いで使われますが、品行の場合は礼儀や礼節、行儀やエチケット、貞淑さやおしとやかさ等の意味を表現しています。

「品行が良い/悪い」「品行がある/ない」という表現の他にも、「品行方正」(読み方:ひんこうほうせい)という言葉がよく使われます。「品行方正」とは態度や振る舞いが立派であることを意味する言葉です。

「方正」とは、中国語では「歪みがない、真四角である、整っている」などを意味する言葉ですが、日本語では「行動や心持ちが正しい」という意味になります。

方正という言葉には良いという意味が含まれているので、「品行方正が良い/悪い」という表現は間違いになります。

品行の類語・類義語としては、普段からの行動や態度を意味する「素行」、日頃の行いを意味する「行状」などがあります。品行という言葉は、日頃の行動や態度を表現する言葉です。その都度の一つ一つの言動では、その人に品行があるかないかを判断することは出来ません。

品性の意味

品性とは、人格や性格など人の内面の品を意味しています。

品性という言葉は、道徳的、倫理的な基準で見たときの人格や性格を表現しています。道徳や倫理は人のためになるというイメージを持たれがちですが、元々はどれだけ自分を律することが出来るか、ということが問題になっています。

そのため、優しい人やお人よし、人格者などが必ずしも品性が優れた人であるとは限りません。逆に他人のことに無関心であっても、ストイックである場合などには、ある種の優れた品性を有していると言うことが出来ます。

人の失敗をあざ笑うことや、卑怯者は「品性下劣」(読み方:ひんせいげれつ)と言われますが、それはストイックではないからです。他人をおとしめて自分が優位に立つことは、自分を律して高めてゆくことは別なのです。

品性の類語・類義語としては、人の精神に宿る素晴らしい性質を意味する「徳」などがあります。

品性は「品性下劣」や「品性を欠く」など、それが「ない」ことに関連した慣用表現をいくつか持っています。それらの類語・類義語としては、程度が低く悪趣味であることを意味する「低俗」、道徳的に程度が低いことを意味する「下劣」などがあります。

品格の意味

品格とは、物事が人に感じさせる品を意味しています。品格は人間だけでなく多くの物事に対して使うことが出来る言葉です。「品格のある家」「番組としての品格」などのように使うことが出来ます。

品格という言葉は、高貴さや尊さなどの意味合いを含んでいます。品行という言葉には、このようなニュアンスはありません。

「彼は品行方正だ」では、品行の良さに感心こそすれ、敬意は向けられてはいません。それに対して「彼の振る舞いからは品格が感じられる」では、感心を超えて一種の敬意が送られています。「王としての品格」などが何を意味しているかも考えてみてください。

品格の類語・類義語としては、物事に備わっている品を意味する「品位」などがあります。品格の格も、品位の位も、どちらも程度を表す漢字です。格も位も、特に価値のあるなしを表現する際に使われることを覚えておいてください。

品行の例文

1.彼はとても品行方正な人で、みんなのお手本になる。
2.彼は見た目とは違って、意外に品行が良い。
3.我が校の生徒として、品行のある行動を心がけてください。
4.はじめて娘が連れてきた彼氏の品行が悪く、動揺を隠しきれなかった。

この言葉がよく使われる場面としては、行動や態度などに現れる品を表現したい時などが挙げられます。品格は礼儀正しさや礼節をわきまえる態度として現れます。例文1のように、手本となる態度であることも多いです。

品行は規範であることも多いです。例文3は規範的な行動という意味で品行という言葉を使っています。なお「品行のある行動」のように、同じ意味の言葉を重ねることを重言と呼びます。有名なところでは「馬に乗馬する」も重言です。

重言は文法的な誤りとされることがありますが、必ずしもそうではありません。「我が巨人軍は永久に不滅です」は、永久と不滅がともに永遠の意味を持つことから重言と考えることが出来ますが、説得力と迫力のある言葉として今も語り継がれています。

品性の例文

1.他人の不幸をダシに記事を書くなんて、品性下劣だと思う。
2.品性のある人と一緒にいると、何だか自分が恥ずかしく感じてきてしまう。
3.教養とは品性を養うことだと、自分は考えています。

この言葉がよく使われる場面としては、人格や性格など人間の内面の品を表現したい時などが挙げられます。品性は行動や態度ではありませんが、性格や気質が一般的にそうであるように、行動や態度を通じて見ることが出来るものです。

品行のある行動をとる人は、内面に品性があることが普通です。では品性と品行はほとんど同じものなのかと言うと、必ずしもそうではありません。品行は規範的な行動という意味を持つこともありますが、品性には規範という意味はありません。

品行は見習うことができ、また直すこともできますが、品性はなかなか直すことが出来ません。

品格の例文

1.付き合うなら品格のある女性だと思っていたけれども、品格はプライドの高さと一体だと気づいてからは、考えを少し改めた。
2.本を読み、教養を深めて品格を高めようと考えたこともあったけれど、生来の怠け癖は教養では変わらないと悟った。
3.動物占いで品格のあるチーターと診断が出た。

この言葉がよく使われる場面としては、高貴なものの品を表現したい時などが挙げられます。

品格という言葉は、高貴さ、尊さという意味合いを含んでいます。この意味は品格の格という言葉が担っているもので、品位という言葉もこの意味合いを持っています。格や位という字は程度の高さを意味する字であるため、このような意味合いが生まれます。

品格という言葉は、行動に対しても精神に対しても使うことが出来ます。その意味で、品格は品行でもあり、品性でもあると言うことが出来ます。高貴な対象に対して尊重するという意味合いが含まれる時には、品格という言葉が使われます。

また例文3のように、品行や品性は人間に対してだけ使うことが出来る言葉ですが、品格は人以外に対しても使うことが出来ます。

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