似た意味を持つ「様方」(読み方:さまがた)と「気付」(読み方:きづけ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「様方」と「気付」という言葉は、どちらも郵便物の送付先と受取人が異なる時に使う言葉であるという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
様方と気付の違い
様方と気付の意味の違い
様方と気付の違いを分かりやすく言うと、様方とは送り先が個人宅の場合に使い、気付とは送り先が会社の場合に使うという違いです。
様方と気付の使い方の違い
一つ目の様方を使った分かりやすい例としては、「田中様方 山本次郎様」「加藤健司様方 田中愛子行」「中村和男様方 木村三郎宛」「実家に帰省中の友人への手紙の宛名は、旧姓に様方を付けます」「自宅であれば様方は書かないで良いです」などがあります。
二つ目の気付を使った分かりやすい例としては、「〇〇株式会社気付 長谷川様」「株式会社○○ 総務部気付 伊藤様」「○○株式会社気付 株式会社△△御中」「〇〇ホテル気付 佐藤太郎様」「ホテルに滞在している友人に気付と書いて荷物を送る」などがあります。
様方と気付の使い分け方
様方と気付という言葉は、手紙や荷物などを送る際の宛名に使われ、送付先と受取人が異なることを表しますが、使い方には大きな違いがあります。
様方とは、個人宅に郵便物を送付する際に、その個人宅の世帯主の苗字と異なる受取人に送りたい場合に書きつける言葉です。上記の例文にある「田中様方 山本次郎様」とは、送付先住所の世帯主は田中さんですが、そこに同居または滞在している山本さんに宛てた手紙であることを示しています。
気付とは、会社や施設などに郵便物を送付する際に、そこに所属していない個人や会社に宛てる場合に書きつける言葉です。上記の「〇〇ホテル気付 佐藤太郎行」とは、そのホテルの従業員ではなく、ホテルの宿泊客として立ち寄っている佐藤太郎さん宛の郵便であることを表しています。
つまり、様方と気付という言葉は、どちらも送付先と受取人が異なる時に使われますが、様方は送付先が個人宅の場合に使い、気付は送付先が会社や施設の場合に使う、という明確な違いがあります。
様方と気付の英語表記の違い
様方も気付も英語にすると「care of」「c/o」となり、例えば上記の「田中様方」を英語にすると「C/O MR.TANAKA」となります。
様方の意味
様方とは
様方とは、送付先となる世帯主と受取人の名字が異なる場合に使用する語を意味しています。
様方の読み方
様方の読み方は二通りあり、「さまがた」のほかに「さまかた」とも読みますが、一般的には「さまがた」と読まれています。
様方の使い方
様方を使った分かりやすい例としては、「渡辺一郎様方 田中良子様」「結婚してから実家に自分の荷物を送る時は、送付状に様方を記入しています」「世帯主と苗字が異なる人への郵便物には様方を使います」「ホームステイ先に子供の荷物を送る際の様方の英語表現を教えて欲しい」などがあります。
その他にも、「伊藤正夫様方 加藤行」「年賀状でも苗字が同じであれば様方は要りません」「ホテルに自分の荷物を送る際は様方ではなく気付を使おう」「彼氏の家に住んでいるので通販の送付先は彼の苗字に様方を付けています」などがあります。
様方とは、手紙やハガキ、荷物などの郵送物を送る時に、送付先住所の世帯主の苗字と、受取人の苗字が異なっている場合に使う敬称のことです。下宿先に住んでいる学生や、実家に帰省している苗字が変わった既婚者などに郵便物を送りたい時などに使われています。
様方は、個人宅に郵便物などを送付する時に付記する言葉です。会社や団体に送る場合に、様方という言葉は使えません。様方の「様」は人名や役職名などに付いて尊敬の意を表し、「方」は他人の氏名に付いて、その人のもとに身を寄せていることを表します。
様方を使った宛名の書き方は、「送付先住所の世帯主の名前」+「様方」+「受取人の名前」+「様」という順序で書きます。世帯主の名前は苗字だけでも届きますが、フルネームで書く方が丁寧な印象を与えます。また、受取人が自分の場合は、「様」ではなく「行」または「宛」を使います。
様方の類語
様方の類語・類義語としては、人を表す語や団体名などに付いて尊敬の意を表す「様」、氏名や役職名などに付けて敬意を表す「殿」、大勢の人を対象にしてその一人一人を敬って言う語を意味する「各位」などがあります。
気付の意味
気付とは
気付とは、郵便物を相手の現住所ではなく、その人の勤め先や立ち寄り先へ送ること、また、その時に宛先の下に付ける語を意味しています。
気付の読み方
気付の読み方は二通りあり、「きづけ」のほかに「きつけ」とも読みますが、一般的には「きづけ」と読まれています。
気付の使い方
気付を使った分かりやすい例としては、「A株式会社気付 佐々木様」「○○○病院気付 鈴木花子様と書いて、見舞いの手紙を送った」「英語で気付と書いてエアメールを出しました」「ヤマト宅急便の送付状に気付で書くように指示された」などがあります。
その他にも、「株式会社○○気付 高橋様」「株式会社〇〇気付 株式会社△△御中」「◯◯ホテル気付 山田行と書いて、先にホテルに荷物を送っておいた」「ビジネスマナーとして気付の書き方を覚えておこう」などがあります。
気付とは、 郵便物を相手の住所に送るのではなく、その人が一時的に滞在している会社や施設に送る場合に使われる言葉です。例えば、出張で立ち寄っている会社や、宿泊しているホテル、入院先の病院などに宛てて、手紙や荷物などを送る時の宛名に用いられています。
気付を使った宛名の書き方は、「会社名」+「気付」+「受取人の名前」+「様」となります。気付のあとに改行して、受取人名を書きます。また、受取人が個人ではなく会社や団体などの組織の場合は「様」ではなく「御中」となり、受取人が自分の場合は「行」または「宛」となります。
気付の類語
気付の類語・類義語としては、郵便物などで個人名でなく会社や団体などの宛名の下に書き添える語である「御中」、手紙で相手に対する敬意を表す脇付として宛名の横に添えて書く語である「机下」、送り先や差し出し先を示す「宛」などがあります。
様方の例文
この言葉がよく使われる場面としては、郵送物を送る際に、世帯主の苗字と受取人の苗字が異なる場合に使う敬称を表現したい時などが挙げられます。
例文5のように、送付先住所と受取人の苗字が合致しない場合に、送付先を間違えているものとして扱われ返送されてしまうことがあります。送付先住所の世帯主と受取人の苗字が異なる場合には、世帯主の名前と「様方」を書くようにしましょう。
気付の例文
この言葉がよく使われる場面としては、書簡を相手の立ち寄り先などにあてて送ること、その宛先などの下に書き添える語を表現したい時などが挙げられます。
例文3にあるように、受取人が個人ではなく会社や団体の場合には、「様」ではなく「御中」を使用します。一時的な居所である会社宛に送る場合は、「気付」と「御中」を併用します。
様方と気付という言葉は、どちらも「郵便物の宛先に付ける言葉」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、送り先が個人宅であることを表現したい時は「様方」を、送り先が会社や施設であることを表現したい時は「気付」を使うようにしましょう。