【逆恨み】と【逆ギレ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「逆恨み」(読み方:さかうらみ)と「逆ギレ」(読み方:ぎゃくぎれ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「逆恨み」と「逆ギレ」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「逆恨み」と「逆ギレ」の違い

「逆恨み」と「逆ギレ」の意味の違い

「逆恨み」と「逆ギレ」の違いを分かりやすく言うと、「逆恨み」とはこちらが恨みに思っていいはずの人から逆に恨まれること、「逆ギレ」とは怒られている人がかっとなって怒りだしてしまうことという違いです。

「逆恨み」と「逆ギレ」の使い方の違い

一つ目の「逆恨み」を使った分かりやすい例としては、「親切で色々助けてあげたのに逆恨みされました」「逆恨みする人はみっともないと思います」「こっちはお金を貸しただけなのに逆恨みされてしまった」「部下を叱ったら逆恨みされました」などがあります。

二つ目の「逆ギレ」を使った分かりやすい例としては、「彼はすぐ逆ギレするので少し怖いです」「上司から怒られたので逆ギレしてしまいました」「支払いの催促電話をしたら逆ギレされてしまった」「彼に忠告したら逆ギレされました」などがあります。

「逆恨み」と「逆ギレ」の使い分け方

「逆恨み」と「逆ギレ」はどちらも似た言葉ですが、意味は異なっているので間違えないように注意しましょう。

「逆恨み」はこちらが恨みに思っていいはずの人から逆に恨まれることや人の好意を曲解して逆に恨むことを意味しており、「大切な壺を壊されたの私なのに逆恨みされた」「優しくしたつもりが逆恨みされた」などのように使います。

一方、「逆ギレ」は怒られている人がかっとなって怒りだしてしまうことを意味しており、「彼はすぐ逆ギレするので距離を置くことにしています」「廊下を走っているのを注意したらなぜか逆ギレされました」などのように使います。

「逆恨み」と「逆ギレ」の英語表記の違い

「逆恨み」を英語にすると「resent」「think ill of who meant to be kind」「blame others when it is oneself who is to blame」となり、例えば上記の「部下を叱ったら逆恨みされました」を英語にすると「My subordinate resented me for scolding her」となります。

一方、「逆ギレ」を英語にすると「misplaced anger」「snap back」となり、例えば上記の「彼に忠告したら逆ギレされました」を英語にすると「He snapped back at me for giving him an advice」となります。

「逆恨み」の意味

「逆恨み」とは

「逆恨み」とは、こちらが恨みに思っていいはずの人から逆に恨まれることを意味しています。その他にも、人の好意を曲解して逆に恨むことの意味も持っています。

「逆恨み」の読み方

「逆恨み」の読み方は「さかうらみ」です。誤って「ぎゃくうらみ」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「逆恨みされた」「逆恨みする」「逆恨みが怖い」

「逆恨みされた」「逆恨みする」「逆恨みが怖い」などが、「逆恨み」を使った一般的な言い回しになります。

「逆恨み」の使い方

「逆恨みを受け入れるわけには行きません」「大切な時計を壊されたのは私なのに逆恨みされました」などの文中で使われている「逆恨み」は、「こちらが恨みに思っていいはずの人から逆に恨まれること」の意味で使われています。

一方、「親切のつもりが逆恨みされてしまいました」「パワハラ問題を上に訴えたら告げ口と逆恨みされました」などの文中で使われている「逆恨み」は、「人の好意を曲解して逆に恨むこと」の意味で使われています。

「逆恨み」は二つの意味を持つ言葉ですが、どちらの意味でも使われています。また、基本的にマイナスなイメージを伴って使われる言葉です。

「逆恨み」は本当は恨みたいのはAさんなのに、恨まれるようなことをしたBさんが逆にAさんを恨むことのように、当事者同士において使うのが特徴です。したがって、第三者に向けて「逆恨み」を使うのは誤用です。

しかし、近年では第三者に向けた恨みでも「逆恨み的犯行」などの言い回しで使われているのが現状になります。

分かりやすい例を挙げると、AさんはBさんからセクラハを受けており、それをCさんに相談します。そのCさんに相談したことを偶然Bさんが知ってしまい、Cさんを恨むというのが第三者へ向けた「逆恨み」です。

ただし、「逆恨み」本来の言葉の意味ではないので、注意するようにしましょう。

「逆恨み」の類語

「逆恨み」の類語・類義語としては、深い恨みの心のことを意味する「怨恨」、腹を立てて関係のない人にまで当たり散らすことを意味する「八つ当たり」、怒りや恨みを他の方に向けてまぎらせ気を晴らすことを意味する「腹いせ」などがあります。

「逆ギレ」の意味

「逆ギレ」とは

「逆ギレ」とは、怒られている人がかっとなって怒りだしてしまうことを意味しています。

「逆ギレ」の漢字表記

「逆ギレ」を漢字にすると、「逆切れ」と表記することができます。

表現方法は「逆ギレする人」「逆ギレされた」「逆ギレ男」

「逆ギレする人」「逆ギレされた」「逆ギレ男」などが、「逆ギレ」を使った一般的な言い回しになります。

「逆ギレ」の使い方

「逆ギレ」を使った分かりやすい例としては、「彼女はすぐ逆ギレするので少し苦手です」「部下に遅刻したことを注意したら逆ギレされました」「彼に浮気のことを問い詰めたら逆ギレされました」「逆ギレしそうになったがぐっと堪えました」などがあります。

「逆ギレ」は 物事の順序や方向などが反対であることを意味する「逆」に、突然怒り出すことやかっとなることを意味する「キレる」が合わさり、怒られている人がかっとなって怒りだしてしまうことの意味で使われている言葉です。

例えば、あとで食べようと思ってテーブルの上にゼリーを置いておいたら、帰宅した弟に食べられてしまい、なんで勝手に食べるんだよと注意します。すると、こんなとこに置くのが悪いと逆に怒られることが「逆ギレ」です。

「キレる」という言葉は1990年代に入ってから若者の間で流行った言葉ですが、1990年代後半以降は幅広い世代で使われるようになりました。

「キレる」には「逆ギレ」以外にも様々な派生した言葉が存在し、本気でキレることを意味する「マジギレ」、本当にキレることを意味する「ブチギレ」、些細な事柄でもすぐにカッとなりやすく暴力の手段に出るなどの不安定な性格のことを意味する「キレやすい」などがあります。

「逆ギレ」の類語

「逆ギレ」の類語・類義語としては、急に態度を変えて厳しくなることを意味する「開き直る」、不利の立場にある者が急に脅すような強い態度に出る

「逆恨み」の例文

1.Twitterで誹謗中傷しかしない人をブロックしたら、逆恨みされてしまいました。
2.ストーカーの被害届を警察に出されて逮捕されたことを逆恨みし、出所後、凶器を持って襲いました。
3.騒音の件を直接注意すると逆恨みによる嫌がらせ行為に発展する可能性があるので、マンションの管理会社に相談することにしました。
4.社会人の同期として接していた人に気のない態度をしたら、逆恨みされて困っています。
5.路線バスでお年寄りに席を譲ろうとしたら、そんな年寄りではないと逆恨みされました。
6.見積におかしなところがあったので上司に確認したら、今日は早く帰りたかったのに作り直すように言われたじゃないと担当者から逆恨みされた。
7.私はずっと彼のこと将来のことを期待して金銭的にも助けてあげたのだから、逆恨みされる言われはないのだがね。
8.部下に軽く注意されただけなのに逆恨みされて散々な目に遭いました。最近の新人社員は何を考えているか分かりませんね。
9.いじめが深刻化するのは、いじめの被害者がいじめを拒絶することで発生する加害者側の逆恨みにあると思うのだ。
10.彼のように逆恨みする性格の人間は何がトリガーになるか分からないので、下手に近づかないほうがいいと思っている。

この言葉がよく使われる場面としては、こちらが恨みに思っていいはずの人から逆に恨まれることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、人の好意を曲解して逆に恨むことを表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「逆恨み」はこちらが恨みに思っていいはずの人から逆に恨まれること、例文4と例文5の「逆恨み」は人の好意を曲解して逆に恨むことの意味で使っています。

「逆ギレ」の例文

1.そっちが悪いのに謝らずに逆ギレするなんて、どういう教育を受けて育ったのだろう。
2.勝手にポテトチップスを食べられたので弟に文句を言ったら、こんなことに置いているのが悪いと逆ギレされました。
3.貸しているお金を返してとお願いしたら、逆ギレされてしまいました。
4.彼はすぐ逆ギレするので、同じ部署内の人はみんな距離を置いています。
5.部下に仕事でミスたことを注意したら逆ギレされてしまった。
6.家が散らかっているのは彼女が悪いのに、それを指摘するとすぐに逆ギレしてくるのでルームシェアを解消したいと考えています。
7.浮気のことを問い詰めたら逆ギレされたので、怒った彼女は彼の私物をすべて外に放り出してしまいました。
8.部下に遅刻したことを注意したら逆ギレされたので、呆気に取られてしまいました。最近の若い世代は肝が据わっているというかなんというか。
9.年配の女性が列を横入りしてきたので店員に注意されたのだが、逆ギレして騒ぎ立てていたのでとてもみっともないと思った。
10.弟に冷蔵庫に入れておいたデザートを食べられてしまったので問い詰めると、名前を書いていないのが悪いと逆ギレされた。

この言葉がよく使われる場面としては、怒られている人がかっとなって怒りだしてしまうことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「逆ギレ」はマイナスなイメージで使う言葉になります。

「逆恨み」と「逆ギレ」は似た言葉ですが、意味は異なっています。

どちらの言葉を使うか迷った場合、こちらが恨みに思っていいはずの人から逆に恨まれることを表現したい時は「逆恨み」を、怒られている人がかっとなって怒りだしてしまうことを表現したい時は「逆ギレ」を使うと覚えておきましょう。

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