【趣を置く】と【重きを置く】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「趣を置く」(読み方:おもむきをおく)と「重きを置く」(読み方:おもきをおく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「趣を置く」と「重きを置く」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。




「趣を置く」と「重きを置く」の違い

「趣を置く」は「重きを置く」の間違い

「趣を置く」と「重きを置く」の違いを分かりやすく言うと、「趣を置く」とは「重きを置く」の間違った使い方、「重きを置く」とは重要と考えることです。

「趣を置く」は誤字

一般的には「趣を置く」という言葉は存在しません。読み方が似ていることから、「重きを置く」のことを間違えて「趣を置く」を使っている人がほとんどです。

「重きを置く」は正しい日本語

正しい言葉である「重きを置く」を使った分かりやすい例としては、「我が校は生徒の情操教育に重きを置いています」「私のたちのチームは打撃練習に重きを置いています」「私は英語に重きを置いて勉強しています」などがあります。

「重きを置く」という言葉はあっても、「趣を置く」という言葉は存在しません。同時に「重きを置く」という単語の意味について「重要と考えること」と覚えておきましょう。

「重きを置く」の英語表記

「重きを置く」を英語にすると「put emphasis on」「focus on」となり、例えば上記の「私は英語に重きを置いて勉強しています」を英語にすると「I am studying and focusing on english」となります。

「趣を置く」の意味

「趣を置く」とは

「趣を置く」とは、「重きを置く」の間違った使われ方です。

「趣を置く」の使い方

「趣を置く」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「重きを置く」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「趣を置く」と間違えやすい理由

「趣を置く」と「重きを置く」を間違ってしまう理由としては、「おもむき」と「おもき」の発音が似ているため、聞き間違えてしまったことが原因です。「重きを置く」が正しい日本語なので、間違えないように注意しましょう。

また、「趣」という言葉はそのものが感じさせる風情のこと、全体から感じられる様子のこと、事を行うにあたってのもとにある考えや主な狙いのこと、聞き及んだ事情のこと、やり方のことという複数の意味を持つ言葉です。

この中の、事を行うにあたってのもとにある考えや主な狙いのことの意味が、「重きを置く」の重要と考えることの意味と少し似ているため、混同してしまう原因の一つであると覚えておきましょう。

間違った言葉である「趣を置く」の「趣」を使った別の言葉としては、文章や話などで言おうとする事柄のことを意味する「趣旨」、どうするつもりだという考えのことを意味する「趣向」、物事をなすときの考えや狙いのことを意味する「趣意」などがあります。

「重きを置く」の意味

「重きを置く」の意味

「重きを置く」とは、重要と考えることを意味しています。

「重きを置く」の読み方

「重きを置く」の読み方は「おもきをおく」です。誤って「じゅうきをおく」などと読まないようにしましょう。

「重きを置く」の使い方

「重きを置く」を使った分かりやすい例としては、「私は母は過程よりも結果に重きを置く人です」「本校は学生の主体性に重きを置く教育方針です」「重きを置く分野は人それぞれだと思っています」「彼は個人練習よりチーム練習に重きを置いています」などがあります。

「重きを置く」は重いことや重点のことを意味する「重き」に、ある状態に据えることを意味する「置く」が合わさり、重要と考えることや重くみることを意味する慣用句です。

「重きを置く」は堅い表現であるため日常生活ではあまり使われず、ビジネスシーンや論文などで使うのが一般的になっています。もし、日常生活で使いたいのであれば、柔らかい表現である「重要だと思う」などを使うようにしましょう。

また、「重きを置かない」と否定形にすることによって、重要とは考えていないという意味で使うこともできます。

「重きを置く」を使う上で注意しなければならないのは、何に「重きを置く」かは人それぞれ異なっているため、自分が重要だと思う場合にのみ使うという点になります。

例えば、サッカーの戦術において、攻撃に重きを置いている監督も居れば、守備に重きを置いている監督もいるので、何に「重きを置く」かはその人次第と覚えておきましょう。そのため、どれに「重きを置く」かを他人に強制するのは好ましくありません。

敬語表現は「重きを置きます」「重きを置いています」

「重きを置く」自体は敬語表現ではないのですが、「重きを置きます」「重きを置いています」と丁寧な表現にすることによって、目上の人に対して使うことも可能です。

「重きを置く」の類語

「重きを置く」の類語・類義語としては、重要なものとして注目することを意味する「重視する」、価値のあるものとして重くみることを意味する「重んじる」、ある事に力を入れることを意味する「注力する」などがあります。

「趣を置く」の例文

1.「趣を置く」という言葉は存在しないので、おそらく「重きを置く」の言い間違いだろう。
2.「重きを置く」という言葉は重要と考えることで、「趣を置く」という言葉はない。
3.「趣を置く」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.彼は漫画を描く上で量よりも質に趣きを置いてる人ですという言葉を使う人はいるが、正しくは彼は漫画を描く上で量よりも質に重きを置いてる人ですです。
5.我が校は数学や理科に重きを置いていますという言葉はあるが、我が校は数学や理科に趣を置いていますという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「重きを置く」という言葉を間違えて「趣を置く」と表現している時などが挙げられます。

「趣を置く」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「重きを置く」を間違えて使っている可能性が高いです。

「趣を置く」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「趣を置く」ではなく、「重きを置く」と表現するのが正しい使い方になります。

「重きを置く」の例文

1.グローバル化に対応していくために、本校では英語に重きを置いています。
2.彼は守備に重きを置く戦術で、我が国をワールドカップ優勝へ導いた名将です。
3.インナーマッスルを鍛えることに重きを置くのなら、低負荷な軽めのトレーニングを行うことがベストだろう。
4.あの店は綺麗とは言えないのだが、味に重きを置いてるのでいつも満席です。
5.何に重きを置くかは人それぞれだと思うので、安易に口出ししない方がいいだろう。
6.ここの塾は単に成績を伸ばすだけでなく、生徒の心を成長させることにも重きを置いている珍しいタイプの塾だ。
7.私は文系志望だが、共通テストでは理数科目も受験しなければならないので、今は苦手な数学に重きを置いて勉強している。
8.彼はYouTubeで面白い動画を作るよりも、ビジネスとしてどう展開していくかということに重きを置いている。
9.私は何かの言葉に対して、言っている内容より誰が言ってるかに重きを置く人間なんだと思う。
10.我が校は生徒の英語教育に重きを置いていて、校内にいるときは英語で話さなければならない決まりがある。

この言葉がよく使われる場面としては、重要と考えることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「重きを置く」は一番重要と考えて優先しているものを表現したい時に使う言葉です。

「趣を置く」と「重きを置く」どちらを使うか迷った場合は、「趣を置く」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「重きを置く」を使うようにしましょう。

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