【掛ける】と【懸ける】と【架ける】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文
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同じ「かける」という読み方の「掛ける」と「懸ける」と「架ける」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「掛ける」と「懸ける」と「架ける」という言葉は同音の言葉ですが、意味は大きく異なりますのでご注意下さい。



「掛ける」と「懸ける」と「架ける」の違い

「掛ける」と「懸ける」と「架ける」の意味の違い

「掛ける」と「懸ける」と「架ける」の違いを分かりやすく言うと、「掛ける」は吊り下げたり費やしたりする時に使い、「懸ける」は価値あるものを代償にする気持ちがある時に使い、「架ける」は対象から違うものにかけ渡す時に使うという違いです。

「掛ける」と「懸ける」と「架ける」の使い方の違い

「掛ける」という言葉は、「水を掛けて綺麗にする」「いつかはお目に掛かりたい」などの使い方で、上から何かで覆うことや上から下に吊るすことなどを意味しますが、文脈によって「掛かる」の意味が大きく変わります。

「懸ける」という言葉は、「命を懸けてでも優勝を掴む」「作品に懸けられた思いを受け止める」などの使い方で、大切なものを代償にしてでも離れないようにすることを意味します。

「架ける」という言葉は、「川に橋が架かると交通の便がよくなる」「梯子を架けて屋根へと昇る」などの使い方で、一方から他方に何かをかけ渡すことを意味します。

「掛ける」と「懸ける」と「架ける」の使い分け方

「懸ける」という言葉は対象と離れないようにするために全力を尽くす時に使われる言葉です。また、「架ける」という言葉は二つの事物を物理的に繋いで固定することを意味します。

一方、「掛ける」という言葉は上の二つ以外の場合に使われます。ただし、まっすぐ垂れ下がることを意味する「懸垂」(読み方:けんすい)という言葉があるように、垂れる、吊るすといった場合は「掛ける」と「懸ける」、どちらも使うことができます。

これが、「掛ける」「懸ける」「架ける」の明確な違いです。

「掛ける」の意味

「掛ける」とは

「掛ける」とは、上から下にさげることや、全体を覆うことを意味しています。その他にも、仕掛けを動かして固定する、時間などを費やすことも意味します。

「上着を掛ける」「壁に掛ける」は高いところに置く意味

「掛ける」を使った表現は非常に多く、「ハンガーに上着を掛ける」「壁に絵画を掛ける」のように高いところからぶらさげることや、高いところに掲げることを意味することが多いです。

「時間を掛ける」「手間暇を掛ける」は費用や時間を費やす意味

「多くの時間を掛ける」「手間暇を掛けて熟成させる」のように費用や時間に対して、「目覚ましを掛ける」「エアコンを掛けておく」のように機械の作動に対して使うこともできます。

「目に掛ける」「気に掛ける」は心の働きの意味

「布を掛ける」「羽織を掛けてあげる」のように何かに被せるようにすることを意味したり、「先生は息子を目に掛けてくれる」「一度気に掛けるとずっと気にしてしまう」のように耳目や心の働きに対してなどにも使います。

「掛ける」の対義語

「掛ける」の対義語・反対語としては、差し引いて互いに損得がないようにすることを意味する「相殺」があります。

「掛ける」の類語

「掛ける」の類語・類義語としては、座につくことを意味する「着座」、液体をしずく状にして落とすことを意味する「滴下」(読み方:てきか)、二つ以上の数を掛け合わせることを意味する「相乗」があります。

「懸ける」の意味

「懸ける」とは

「懸ける」とは、大切なものを代償にして繋ぐことを意味しています。その他にも、ぶらさがることや物に引っ掛けることも意味します。

表現方法は「命を懸ける」「願いを懸ける」「望みを懸ける」

「命を懸ける」「願いを懸ける」「望みを懸ける」などが、懸けるを使った一般的な言い回しです。

上記以外の「懸ける」を使った言葉として、「願を懸ける」「懸かるも引くも折による」があります。

「願を懸ける」の意味

一つ目の「願を懸ける」とは、神や仏に自分の願い事が叶うように祈ることを意味する言葉で、「願懸け」とも言われます。「願を起こす」「願を立てる」という言い方もあり、「願を掛ける」という表記もなされます。

「懸かるも引くも折による」の意味

二つ目の「懸かるも引くも折による」とは、事を始めるのも終わらせるのも時期をよく見て判断するのがよいことを意味することわざです。ここでいう「懸かる」とは敵に攻めかかることを意味し、「引く」とは撤退することを意味します。

「懸ける」の類語

「懸ける」の類語・類義語としては、全力を尽くす様子を意味する「懸命」、物を縄などで結んで下へ垂らすことを意味する「吊るす」、一続きのものの端が下の方へ低く下がることを意味する「垂れる」、掛け算をすることを意味する「乗じる」があります。

「懸ける」の懸の字を使った別の言葉としては、勢いよく流れる川を意味する「懸河」(読み方:けんが)、賞金などを懸けて優れた作品、クイズに正解することを意味する「懸賞」、二つの物事がかけ離れていることを意味する「懸隔」などがあります。

「架ける」の意味

「架ける」とは

「架ける」とは、一方から他方へと物をかけ渡すことを意味しています。

「電話を架ける」は一般的ではない

「架電」という言葉は電話を掛けることや電話をすることを意味する言葉ですが、「電話をかける」という表現で「電話を架ける」というような表記は一般的ではありません。一方から他方へと架け渡すことを意味しますが、それは物理的な物に対して使われます。

また、「架電する」という表現も裁判の判決文にて使われていたような言葉で、1991年には難解すぎると当時問題になりました。

表現方法は「橋を架ける」「梯子を架ける」

「架ける」を使った表現として、「橋を架ける」「梯子を架ける」などがあります。基本的には物理的に何かと何かを繋ぐ時に使われる言葉です。

しかし、「明日に架ける橋」や「栄光の架橋」(読み方:えいこうのかけはし)のように楽曲などの芸術作品の名前に使われることが多く、こういった場合は「明日」や「栄光」、「未来」などの概念的なものを繋ぎ合わせる場合に使います。

「架ける」の類語

「架ける」の類語・類義語としては、箸を架けることを意味する「架橋」、橋や電線などを一方から他方へ架け渡すことを意味する「架設」、線路や道路などを地上高く架け渡すことを意味する「高架」などがあります。

「架ける」の架の字を使った別の言葉としては、本を並べて置く棚を意味する「書架」、病人などを乗せて運ぶ道具を意味する「担架」、根拠のないことを意味する「架空」、電車に電力を供給するために架け渡される電線を意味する「架線」などがあります。

「掛ける」の例文

1.部活内オーディションで全国大会に出場するメンバーがふるいに掛けられる。
2.世界を股に掛ける企業の更なる躍進に消費者は胸が躍る気持ちだ。
3.手塩にかけて育てた子どもをついに嫁に出すと思うと感慨深い。

この言葉がよく使われる場面としては、上から下に作用させることなどを意味する時などが挙げられます。

例文1の「ふるいに掛ける」とは、多くのものの中から良いものを選別することを意味する慣用表現です。

例文2「股に掛ける」とは、各地を飛び歩くことを意味します。そのため、「世界を股に掛ける」とは、世界各地を飛び回って人気がある状態を意味します。

例文3の「手塩に掛ける」とは、自ら色々と世話をして大切に育てることを意味する言葉です。

「懸ける」の例文

1.命を懸けた救助活動に被害者家族は感謝してもしきれないと頭を下げていた。
2.先輩の尻目に懸ける様子がしばらく続いて、あまり話をしたくないとまで感じている。
3.今回の展示に懸ける思い尋ねられ、作家はインタビュアーに語った。

この言葉がよく使われる場面としては、大切なものを代償にすることや、それほど一生懸命に物事に取り組むことを意味する時などが挙げられます。

例文2の「尻目に懸ける」とは、人を見下し蔑むような態度を取ることを意味する慣用表現です。

「架ける」の例文

1.近所の川に橋を架ける工事が行われているが、出来上がれば向こう岸に渡りやすくなる。
2.フックを架けるだけで設営ができるテントは初心者にとって扱いやすかった。
3.屋根へと架けた梯子を昇る人がいる時は押さえていてあげる必要がありそうだ。

この言葉がよく使われる場面としては、一方と他方をかけ渡すことを意味する時などが挙げられます。

例文2はフックとフックをかけ渡すような意味で使われている言葉ですが、フックを引っ掛けるという意味で使う場合であれば「掛ける」という言葉に置き換えて使うことができます。

「掛ける」と「懸ける」と「架ける」どれを使うか迷った場合は、吊り下げたりすることを表す場合は「掛ける」を、何か代償にすることを表す場合は「懸ける」を、何か違うものにかけ渡すことを表す場合は「架ける」を使うと覚えておけば間違いありません。

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