似た意味を持つ「集荷」(読み方:しゅうか)と「出荷」(読み方:しゅっか)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「集荷」と「出荷」という言葉は、どちらも荷物に関する作業を表しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
集荷と出荷の違い
集荷と出荷の意味の違い
集荷と出荷の違いを分かりやすく言うと、集荷とは荷物を集めること、出荷とは荷物を送り出すことという違いです。
集荷と出荷の使い方の違い
一つ目の集荷を使った分かりやすい例としては、「荷物が重いので集荷サービスを利用する」「ゆうパックの集荷依頼をキャンセルしました」「落果したリンゴを加工用として集荷する」「出荷者が近くの集荷所に商品を持ち込む」「集荷業者から問屋に販売される」などがあります。
二つ目の出荷を使った分かりやすい例としては、「愛媛県はミカンの出荷量が日本一です」「ネットで注文したビジネスバッグが出荷されたようだ」「白物家電の国内出荷額が前年度を上回った」「出荷証明書のひな形をダウンロードする」などがあります。
集荷と出荷の使い分け方
集荷と出荷という言葉は、野菜や魚介などの農水産物を市場に出す過程の作業を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
集荷とは、各地の荷物を一つの場所に集めることを意味し、特に農産物や海産物が市場に集まることを表す言葉です。上記の例文にある「集荷業者」とは、生産者から生産物を買い取り市場に出す者のことです。また、集荷という言葉は、宅配業者が荷物を引き取りに行くことの意味でも使われています。
出荷とは、荷物を積み出すことを意味し、特に商品を市場に出すことを表す言葉です。市場における出荷とは、生産者や集荷業者が農水産物を販売のために持ち込むことです。また、農水産物だけでなく、商品をマーケットや顧客に送り出すことも「出荷」と表現します。
つまり、集荷とは荷物を集めることを表し、出荷とは荷物を出すことを意味します。どちらも荷物を市場に出す際に用いられる言葉ですが、作業手順としては「集荷」の後に「出荷」されることになります。
集荷と出荷の英語表記の違い
集荷も出荷も英語にすると「collection of cargo」「pickup」「assembly」となり、例えば上記の「集荷サービス」を英語にすると「pickup service」となります。
集荷の意味
集荷とは
集荷とは、各地からの荷物を一か所に集めること、種々の産物が市場などに集まることを意味しています。
その他にも「運送業者が、荷主から依頼された荷物を取りに行くこと」の意味も持っています。
集荷の読み方
集荷の読み方は「しゅうか」です。誤って「しゅうに」などと読まないようにしましょう。
集荷は「蒐荷」とも書きますが、「蒐」は常用外漢字であるため、「集荷」と表記することが一般的です。
表現方法は「集荷をお願いします」「集荷を依頼する」「集荷を頼む」
「集荷をお願いします」「集荷を依頼する」「集荷を頼む」などが、集荷を使った一般的な言い回しです。
集荷の使い方
「県内JA集荷場と連携した品揃えが自慢です」「全国の有機野菜を集荷しております」「地元農産物の集荷および高齢者への食料品配達を支援する」などの文中で使われている集荷は、「荷物を一か所に集めること」の意味で使われています。
一方、「集荷依頼の電話をかける」「郵便局の集荷サービスは有料でしょうか」「集荷について佐川急便に問い合わせる」「集荷電話番号をネットで調べる」などの文中で使われている集荷は、「運送業者が荷物を取りに行くこと」の意味で使われています。
集荷とは、上記の例文にあるように二つの意味を持つ言葉です。日常生活からビジネスシーンまでそれぞれの意味で用いられているので、文脈により判断する必要があります。集荷の「集」は物を一つの所にまとめること、「荷」は運搬する品物を表す漢字です。
「集荷サービス」の意味
上記の例文にある「集荷サービス」とは、配送業者が指定された場所に訪問し、顧客の荷物を預かることです。指定すれば、自宅だけでなく勤務先での受け渡しも可能です。
集荷の対義語
集荷の対義語・反対語としては、市場に集まった荷物や産物を分けて小売商などに渡すことを意味する「分荷」、郵便物や商品などを指定された宛先へ届けることを意味する「配達」、配達して届けることを意味する「配送」、送り届けることを意味する「送達」などがあります。
集荷の類語
集荷の類語・類義語としては、貨物や商品を集めることを意味する「集貨」、受け取るべき金銭を集めることを意味する「集金」、寄せ集めることを意味する「収集」、郵便物や荷物などを集めたり配ったりすることを意味する「集配」などがあります。
出荷の意味
出荷とは
出荷とは、荷を積み出すこと、特に商品を市場に出すことを意味しています。
表現方法は「出荷済み」「出荷する」「出荷日」
「出荷済み」「出荷する」「出荷日」などが、出荷を使った一般的な言い回しです。
出荷の使い方
出荷を使った分かりやすい例としては、「受注後に商品を出荷します」「出荷検査の書類は英語で記入してください」「出荷済みから何日で商品は届きますか」「ステータスが出荷準備中に切り替わった」などがあります。
その他にも、「届いた荷物の出荷元がAmazonになっている」「医療用医薬品の供給停止や出荷調整が相次いでいる」「出荷調整品目が確認できるデータベースです」「出荷証明書に記入する項目を確認する」などがあります。
出荷とは、荷物を船や車に積んで送り出すことを意味します。転じて、市場へ商品を出すことの意味で使われることが多い言葉です。日常生活ではあまり使われませんが、ビジネスシーンでよく使用されています。
「出荷調整」の意味
上記の例文にある「出荷調整」とは、ある医薬品に対する需要が供給を上回った際、完全に在庫が尽きて出荷停止となってしまうことを避けるために、メーカーが自主的に供給量を調整することです。
「鉱工業生産者出荷指数」の意味
出荷を用いた日本語には「鉱工業生産者出荷指数」があります。鉱工業生産者出荷指数とは、工場から出荷された鉱工業製品の数量について、基準年を100として指数化したものです。製品に対する需要の動向が業種別や品目別に把握できます。
出荷の対義語
出荷の対義語・反対語としては、商店や市場に品物がはいることを意味する「入荷」、品物や金銭を納めることを意味する「納入」などがあります。
出荷の類語
出荷の類語・類義語としては、荷物を積み出すことを意味する「積み出し」、荷物や郵便物などを送り出すことを意味する「発送」、荷物を先方へ送り出すことを意味する「荷送り」、商品を売ることを意味する「販売」などがあります。
集荷の例文
この言葉がよく使われる場面としては、各地から野菜や魚介など種々の産物が市場に集まること、宅配便で小荷物を預かり集めることを表現したい時などが挙げられます。
例文1にある集荷は、種々の産物が各地から市場に集まることの意味で用いられています。例文2から例文5の集荷は、宅配便で小荷物を預かり集めることの意味で用いられています。
出荷の例文
この言葉がよく使われる場面としては、荷物を積み出すこと、市場へ商品を出すことを表現したい時などが挙げられます。
例文1にある出荷と発送の違いは、出荷は倉庫などから商品や荷物を積み出すことを表し、発送は荷物や郵便物などを届け先に向けて送り出すことを表します。
例文2の「出荷日」とは、配達業者に荷物を渡した日のことを言います。例文4の「出荷済み」とは、商品を梱包し、運送業者に預けたということを意味します。
集荷と出荷という言葉は、どちらも荷物や商品に関する作業を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、荷物を集めることを表現したい時は「集荷」を、荷物を送り出すことを表現したい時は「出荷」を使うようにしましょう。