【意志決定】と【意思決定】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「いしけってい」という読み方の「意志決定」と「意思決定」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「意志決定」と「意思決定」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「意志決定」と「意思決定」の違い

「意志決定」は「意思決定」の間違い

「意志決定」と「意思決定」の違いを分かりやすく言うと、「意志決定」とは「意思決定」の間違った使い方、「意思決定」とは問題解決に当たって実行可能な行為の中から最適と思われるものを選択することです。

「意志決定」は誤字

一般的には「意志決定」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が同じなことから、「意思決定」のことを間違えて「意志決定」を使っている人がほとんどです。

「意思決定」は正しい日本語

正しい言葉である「意思決定」を使った分かりやすい例としては、「意思決定力を磨くために講習会に参加することにしました」「意思決定を行うためには日々の情報収集は欠かせません」「彼女には意思決定する権限があります」などがあります。

「意思決定」という言葉はあっても、「意志決定」という言葉は存在しません。同時に「意思決定」という単語の意味について「問題解決に当たって実行可能な行為の中から最適と思われるものを選択すること」と覚えておきましょう。

「意思決定」の英語表記

「意思決定」を英語にすると「decision making」なり、例えば上記の「彼女には意思決定する権限があります」を英語にすると「She has the authority to decision making」となります。

「意志決定」の意味

「意志決定」とは

「意志決定」とは、「意思決定」の間違った使われ方です。

「意志決定」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が同じなため、「意思決定」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「意志決定」と間違えやすい理由

「意志決定」と「意思決定」を間違ってしまう理由としては、「意志」と「意思」が非常に似た言葉であるのが原因です。正しい日本語として一般的に使われているのは「意思決定」と覚えておきましょう。

「意志決定」が間違いである理由

ではなぜ「意志決定」が間違った言葉かというと、「意志」と「意思」は微妙に意味が異なっているからです。

「意志」とはあることを行いたい、または行いたくないという考えや意向を意味する言葉で、何かをしよう、したいという気持ちを表す場合に用いられます。そのため、哲学や心理学用語として用いられることが多いです。

一方、「意思」は意思表示、意思の疎通の様に、何かをしようとする考えや思いに重点を置いた言葉になります。

つまり、「意志」は目標やある方針を実現する気持ちを問う場合に使い、「意思」はどういう方向を選択するかを問う場合に使う言葉というのが違いです。

したがって、「意思決定」は問題解決に当たって実行可能な行為の中から最適と思われるものを選択することを意味する言葉なので、目標やある方針を実現する気持ちを問う「意志」ではなく、どういう方向を選択するかを問う「意思」を使うのが正しい日本語なります。

ただし、臓器提供など医療の現場では患者の意向や考えが重要となるため、目標やある方針を実現する気持ちを問う「意志決定」の方を使う場合もあるようです。

「意思決定」の意味

「意思決定」とは

「意思決定」とは、問題解決に当たって実行可能な行為の中から最適と思われるものを選択することを意味しています。

表現方法は「意思決定を行う」「意思決定する」「意思決定を早くする」

「意思決定を行う」「意思決定する」「意思決定を早くする」などが、「意思決定」を使った一般的な言い回しになります。

「意思決定」の使い方

「意思決定」を使った分かりやすい例としては、「部長に昇進してからは意思決定を求められることが多いです」「このチームで最終的な意思決定をするのは監督です」「彼の意思決定の速さに驚いてしまいました」などがあります。

「意思決定」とは、何かをしようとするときの元となる心持ちのことを意味する「意思」に、物事をはっきりと決めることを意味する「決定」が合わさり、問題解決に当たって実行可能な行為の中から最適と思われるものを選択することを意味する四字熟語です。

四字熟語とは、漢字4文字で構成される熟語のことを意味しており、他に例を挙げると、「唯我独尊」「満身創痍」「反面教師」「因果応報」「一期一会」「温故知新」「一蓮托生」などがあります。

「意思決定」は個人の選択だけではなく、ビジネスシーンなどにおいて会社や団体などの、「組織の意志決定」として使うことができるというのが特徴です。そのため、日常生活とビジネスシーンどちらでも使用できる言葉になります。

例えば、今日の夕食を何にするか決めるのも「意思決定」ですが、取締役会で会社の方向性をどうするか決めるのも、同じ「意思決定」になります。つまり、問題解決に当たって実行可能な行為の中から最適と思われるものを選択することであれば、規模は問わず使える言葉と覚えておきましょう。

また、意思決定のプロセスは国や民族の背景によって様々であり、多様性が求められていると言われています。

「意思決定」の類語

「意思決定」の類語・類義語としては、意志をはっきりと決定することを意味する「決断」、物事の真偽や善悪などを見極めてそれについて自分の考えを定めることを意味する「判断」、物事をはっきり決めることを意味する「決定」などがあります。

「意志決定」の例文

1.「意志決定」という言葉は存在しないので、おそらく「意思決定」の言い間違いだろう。
2.「意思決定」という言葉は問題解決に当たって実行可能な行為の中から最適と思われるものを選択することで、「意志決定」という言葉はない。
3.「意志決定」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.意志決定を行うには情報収集が大切だという言葉を使う人はいるが、正しくは意思決定を行うには情報収集が大切だです。
5.会社として意思決定をするために会議を行なうという言葉はあるが、会社として意志決定をするために会議を行なうという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「意思決定」という言葉を間違えて「意志決定」と表現している時などが挙げられます。

「意志決定」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「意思決定」を間違えて使っている可能性が高いです。

「意志決定」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「意志決定」ではなく、「意思決定」と表現するのが正しい使い方になります。

「意思決定」の例文

1.最良の意志決定を下すためには、情報収集は欠かせないと思っています。
2.重要な業務の執行方針および計画の策定について意思決定を行うために、取締役会を開くことにしました。
3.社長の意思決定の速さに驚きました。流石、この若さでトップまで登り詰めた人だ。
4.私の意思決定は間違っていないと思います。このメンバーでワールドカップベスト8以上を目指します。
5.組織で意思決定を行う際は、関係者とコミュニケーションをして合意形成を行うことが重要となっています。

この言葉がよく使われる場面としては、問題解決に当たって実行可能な行為の中から最適と思われるものを選択することを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「意思決定」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉です。

「意志決定」と「意思決定」どちらを使うか迷った場合は、「意志決定」は一般的には使われていない言葉なので、一般的に使われている「意思決定」の方を使うようにしましょう。

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