似た意味を持つ「ハニートラップ」(読み方:はにーとらっぷ)と「美人局」(読み方:つつもたせ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ハニートラップ」と「美人局」という言葉は、どちらも色仕掛けで相手を騙すことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ハニートラップ」と「美人局」の違い
「ハニートラップ」と「美人局」の意味の違い
「ハニートラップ」と「美人局」の違いを分かりやすく言うと、「ハニートラップ」は女性と男性どちらが騙す側でも使える、「美人局」は女性が騙す側の場合のみ使えるという違いです。
「ハニートラップ」と「美人局」の使い方の違い
一つ目の「ハニートラップ」を使った分かりやすい例としては、「ハニートラップに引っ掛かるとは滑稽だ」「ハニートラップに掛けられて破産してしまいました」「ハニートラップに騙されない自信はあります」「その政治家はハニートラップを仕掛けられました」などがあります。
二つ目の「美人局」を使った分かりやすい例としては、「一人で飲みに行く時は美人局に引っ掛からないように気をつけよう」「美人局に遭ってお金を取られてしまいました」「美人局に騙される人はいるのだろうか」「それは美人局だから気をつけた方がいいだろう」などがあります。
「ハニートラップ」と「美人局」の使い分け方
「ハニートラップ」と「美人局」はどちらもことを意味しますが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「ハニートラップ」は機密情報などを得る目的でスパイが色仕掛けで対象を誘惑したり弱みを握って脅迫したりする諜報活動のことを意味しており、女性と男性どちらが騙す側でも使うことができます。
一方、「美人局」は夫婦または内縁の男女が共謀して女が他の男と密通しそれを言いがかりとしてその男から金銭などをゆすり取ることを意味しており、女性が騙す側の場合のみ使えるというのが違いです。
「ハニートラップ」と「美人局」の英語表記の違い
「ハニートラップ」を英語にすると「honey trap」となり、例えば上記の「その政治家はハニートラップを仕掛けられました」を英語にすると「The politician was honey trapped」となります。
一方、「美人局」を英語にすると「badger game」となり、例えば上記の「それは美人局だから気をつけた方がいいだろう」を英語にすると「Be careful as it is a badger game」となります。
「ハニートラップ」の意味
「ハニートラップ」とは
「ハニートラップ」とは、機密情報などを得る目的でスパイが色仕掛けで対象を誘惑したり弱みを握って脅迫したりする諜報活動のことを意味しています。
表現方法は「ハニートラップを仕掛ける」「ハニートラップに引っ掛かる」
「ハニートラップを仕掛ける」「ハニートラップに引っ掛かる」「ハニートラップに遭う」などが、「ハニートラップ」を使った一般的な言い回しになります。
「ハニートラップ」の使い方
「ハニートラップ」を使った分かりやすい例としては、「彼女はハニートラップを使って機密情報を手に入れました」「ハニートラップに引っ掛かるなんて情けないと思います」「ハニートラップに遭わないように気をつける」などがあります。
「ハニートラップ」は機密情報などを得る目的でスパイが色仕掛けで対象を誘惑したり弱みを握って脅迫したりする諜報活動のことを意味する言葉です。
また、現代ではスパイ活動ではなく、異性を色仕掛けで騙す場合などに使われており、以前よりも幅広いニュアンスになっています。
「ハニートラップ」は騙す側が女性と男性どちらでも可能というのが特徴です。したがって、美人の女性が色仕掛けで男性を騙す場合だけではなく、イケメンの男性が女性を騙す場合にも使えると覚えておきましょう。
「ハニートラップ」の類語
「ハニートラップ」の類語・類義語としては、心を迷わせて誘い込むことを意味する「誘惑」、ある目的を達成するために色情を利用して異性を騙したり誘惑したりすることを意味する「色仕掛け」などがあります。
「美人局」の意味
「美人局」とは
「美人局」とは、夫婦または内縁の男女が共謀して女が他の男と密通しそれを言いがかりとしてその男から金銭などをゆすり取ることを意味しています。
「美人局」の読み方
「美人局」の読み方は「つつもたせ」です。誤って「びじんきょく」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「美人局に引っ掛かる」「美人局に遭う」
「美人局に引っ掛かる」「美人局に遭う」などが、「美人局」を使った一般的な言い回しになります。
「美人局」の使い方
「美人局」を使った分かりやすい例としては、「私は美人局の被害者です」「美人局は犯罪なので決して行ってはいけません」「美人局に遭いお金を巻き上げられてしまいました」「美人局に引っ掛かるなんて思ってもいませんでした」などがあります。
「美人局」は夫婦または内縁の男女が共謀して女が他の男と密通しそれを言いがかりとしてその男から金銭などをゆすり取ることを意味する言葉です。
「美人局」は女性が男性に対して気をある素振りを見せ、被害者から共犯の男性と共に金銭を巻き上げるというのが主な手法になります。また、女性が騙す側の場合にのみ使える言葉で、男性が女性を騙すというニュアンスでは使えないと覚えておきましょう。
「美人局」の由来
「美人局」の由来は博打用語の「筒持たせ」です。筒とはサイコロを使う博打で用いられていた道具であり、中にサイコロを入れて振るために使われていました。この博打でイカサマをするために作られた筒を用意することを「筒持たせ」と呼んでいたのです。
これが転じて詐欺を表すことを「筒持たせ」と言うようになり、中国の犯罪である「美人局」の当て字として扱われていました。江戸時代以降は「美人局」で統一するようになり、一般的に使われているのはこちらの表記です。
「美人局」の類語
「美人局」の類語・類義語としては、脅して金品を出させることを意味する「強請り」、相手の弱みなどにつけ込み脅すことを意味する「恐喝」、相手にあることをさせようと脅すことを意味する「脅迫」などがあります。
「ハニートラップ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、機密情報などを得る目的でスパイが色仕掛けで対象を誘惑したり弱みを握って脅迫したりする諜報活動のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ハニートラップ」はマイナスなイメージで使われている言葉です。
「美人局」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、夫婦または内縁の男女が共謀して女が他の男と密通しそれを言いがかりとしてその男から金銭などをゆすり取ることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「美人局」はマイナスなイメージで使われている言葉です。
「ハニートラップ」と「美人局」はどちらも色仕掛けで相手を騙すことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、女性と男性どちらが騙す側でも使えるのが「ハニートラップ」、女性が騙す側の場合のみ使えるのが「美人局」と覚えておきましょう。