似た意味を持つ「縦割り」(読み方:たてわり)と「横割り」(読み方:よこわり)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「縦割り」と「横割り」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「縦割り」と「横割り」の違い
「縦割り」と「横割り」の意味の違い
「縦割り」と「横割り」の違いを分かりやすく言うと、「縦割り」とは組織が上下中心に運営されていること、「横割り」とは同格の組織が並列で運営されていることという違いです。
「縦割り」と「横割り」の使い方の違い
一つ目の「縦割り」を使った分かりやすい例としては、「縦割り行政は辞めて欲しい」「縦割りの施策に横串を通す」「組織の縦割化が進み他の部署と連携しなくなってしまった」「ごぼうを切るために縦割りカッターを購入した」などがあります。
二つ目の「横割り」を使った分かりやすい例としては、「世に多く普及しているのは横割りTシャツです」「横割り行政にもデメリットがあります」「市民生活のニーズ別に合致する横割り行政が必要です」「会社内は横割り制です」などがあります。
「縦割り」と「横割り」は似ていますが、どちらかと言えば対の意味を持つ言葉になります。「縦割り」とは組織が上下中心に運営されていることで、「横割り」とはいくつかの同格の部署を並列して関連づけ組織にすることです。
会社と学校を例に縦割りと横割りの違いを挙げていきます。
会社組織での「縦割り」と「横割り」の違い
「縦割り」の会社とは、上下関係に基づいており、自分の所属する部署の本来の仕事のみ邁進していることです。そのため、他の部署とはあまり連携を取らないので組織全体の協調性に欠けている状態になります。
一方の、「横割り」とは、他部署と連携して目指す目標に邁進することです。そのため、組織全体の連帯が生まれるが、全体的なバランスを取るため専門的な部分が欠けてしまうことが多いです。
学校教育での「縦割り」と「横割り」の違い
学校においての「縦割り」とは、学年を関係なしに1年生から6年生までの異なる年齢の子供達が一緒に学ぶことです。もう一方の「横割り」とは、学年が同じ人達と学ぶ現代の日本の教育体制のことです。
「縦割り」と「横割り」どちらにもメリットとデメリットがあるため、一概にはどちらが良いと言えないのが結論です。
「縦割り」と「横割り」の英語表記の違い
「縦割り」を英語にすると「divide lengthwise」「vertically segmented」となり、例えば上記の「縦割り行政」を英語にすると「Vertically segmented administration」となります。
一方、「横割り」を英語にすると「horizontal contact」となり、例えば上記の「会社内は横割り制です」を英語にすると「Horizontal contact in a company」となります。
「縦割り」の意味
「縦割り」とは
「縦割り」とは、組織が上下中心に運営されていることを意味しています。その他にも、上から下に切り割ることの意味も持っています。
「縦割り」の使い方
「縦割り」を使った分かりやすい例としては、「縦割り社会にはもううんざりだ」「縦割り行政に横串を刺したい」「うちの学校は縦割り班行動を取り入れています」「縦割り保育にはメリットもデメリットもある」などがあります。
その他にも、「縦割り行政の弊害をどうすれば克復できるのか」「行政の縦割りを打破したい」「大根用の縦割り機を購入しました」「縦割り組織なので同じ会社なのに他部署と全く交流がない」などがあります。
「縦割り」は二つの意味を持つ言葉ですが、どちらの意味でも使われています。
組織が上下中心に運営されていることの意味は、主に組織の体制や教育現場で使います。もう一方の、上から下に切り割ることの意味は、野菜や薪などの物を切り割る時に使っています。
「縦割り行政」の意味
「縦割り」を使った言葉に「縦割り行政」があります。「縦割り行政」とは、行政機関における不合理な役割分担や各省庁の過剰な管轄意識によって行政サービスが非効率に陥る問題のことです。また、2020年9月に発足した菅内閣は、縦割り行政の打破を掲げています。
表現方法は「縦割り社会」「縦割り教育」「縦割り組織」
他にも「縦割り社会」「縦割り教育」「縦割り保育」「縦割り活動」「縦割り組織」などが、「横割り」を使った一般的な言い回しになります。
「横割り」の意味
「横割り」とは
「横割り」とは、いくつかの同格の部署を並列して関連づけ組織にすることを意味しています。その他にも、横に割ることの意味持っています。
「横割り」の使い方
「横割り」を使った分かりやすい例としては、「横割りができる薪割り機を購入した」「今日は横割りでメイクしてみた」「縦割り教育よりも横割り教育の方を推進している」「横割り行政はメリットばかりではありません」などがあります。
その他にも、「アイシャドウには横割りグラデーションというのがあるのを知りました」「賃貸併用住宅を建てる予定だが間取りは横割りにするか悩んでいる」「弊社は横割り組織なので日本の中では珍しい方だ」などがあります。
「横割り」は二つの意味を持つ言葉ですが、どちらの意味でも使われています。
いくつかの同格の部署を並列して関連づけ組織にすることの意味は、主に組織の体制や教育現場で使います。もう一方の、横に割ることの意味は、野菜や薪などの物を切り割る時に使っています。
表現方法は「横割り組織」「横割り行政」「横割り教育」
「横割り組織」「横割り行政」「横割り教育」「横割り保育」「横割りメイク」などが、「縦割り」を使った一般的な言い回しになります。
「縦割り」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、組織が上下中心に運営されていることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、上から下に切り割ることを表現したい時にも使います。
例文1は、上から下に切り割ることの意味で使っており、例文2から例文5は、組織が上下中心に運営されていることの意味で使っています。
また、例文5の縦割り110番とは、縦割り行政の打破を掲げた菅内閣の河野太郎行政改革担当相が、自身のホームページ上に設置した誰でも投稿できる行政改革目安箱のことです。
「横割り」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、いくつかの同格の部署を並列して関連づけ組織にすることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、横に割ることを表現したい時にも使います。
例文1や例文3は、横に割ること意味で使っており、例文2や例文5は、いくつかの同格の部署を並列して関連づけ組織にすることの意味で使っています。
「縦割り」か「横割り」どちらを使うか迷った場合は、組織が上下中心に運営されていることを表現したい時には「縦割り」、いくつかの同格の部署を並列して関連づけ組織にすることを表現したい時には「横割り」と覚えておきましょう。