似た意味を持つ「ご無沙汰しております」(読み方:ごぶさたしております)と「お久しぶりです」(読み方:おひさしぶりです)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ご無沙汰しております」と「お久しぶりです」という言葉は、どちらも長い間連絡していないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ご無沙汰しております」と「お久しぶりです」の違い
「ご無沙汰しております」と「お久しぶりです」の意味の違い
「ご無沙汰しております」と「お久しぶりです」の違いを分かりやすく言うと、「ご無沙汰しております」は目上の人に対して使う、「お久しぶりです」は同等の立場や目下の人に使うという違いです。
「ご無沙汰しております」と「お久しぶりです」の使い方の違い
一つ目の「ご無沙汰しております」を使った分かりやすい例としては、「ご無沙汰しております、お元気でいらっしゃいますか」「ご無沙汰しております、いかがお過ごしでしたか」「以前ご連絡を差し上げてから大変ご無沙汰しております」などがあります。
二つ目の「お久しぶりです」を使った分かりやすい例としては、「お久しぶりです、3年前の同窓会以来ですね」「お久しぶりです、元気でしたか」「お久ぶりです、お変わりありませんか」などがあります。
「ご無沙汰しております」と「お久しぶりです」の使い分け方
「ご無沙汰しております」と「お久しぶりです」はどちらも長い間連絡していないことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「ご無沙汰しております」は謙譲語なので、基本的に目上の人に対して使う表現になります。一方、「お久しぶりです」は丁寧語なので、同等の立場や目下の人に使う表現というのが違いです。
ただし、目上の人であっても、仲が良かった上司、先輩、学校の先生などの親しい間柄であれば、「お久しぶり」を使っても問題ありません。
また、「ご無沙汰しております」はお詫びのニュアンスを含んでいるのに対して、「お久しぶりです」はただの挨拶になります。
「ご無沙汰しております」と「お久しぶりです」の英語表記の違い
「ご無沙汰しております」も「お久しぶりです」も英語にすると「It’s been a while」「It’s been a long time」となり、例えば上記の「以前ご連絡を差し上げてから大変ご無沙汰しております」を英語にすると「It’s been a while since I last contacted you」となります。
「ご無沙汰しております」の意味
「ご無沙汰しております」とは
「ご無沙汰しております」とは、長い間連絡していないことを詫びることを意味しています。
「ご無沙汰しております」は「ご不沙汰しております」とも表記可能
「ご無沙汰しております」は別の漢字表記で、「ご不沙汰しております」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、「ご無沙汰しております」の方を使うようにしましょう。
表現方法は「ご無沙汰しておりますお元気でいらっしゃいますか」
「ご無沙汰しておりますお元気でいらっしゃいますか」「ご無沙汰しておりますいかがお過ごしでしょうか」などが、「ご無沙汰しております」を使った一般的な言い回しになります。
「ご無沙汰しております」の使い方
「ご無沙汰しております」を使った分かりやすい例としては、「ご無沙汰しておりますがお変わりありませんか」「ご無沙汰しております、しばらく連絡できず申し訳ございませんでした」「拝啓、ご無沙汰しております」などがあります。
「ご無沙汰しております」は長い間連絡していないことをを意味する「無沙汰」に、接頭語の「ご」と、「する」の謙譲語の「しております」が合わさり、長い間連絡していないことを詫びることを意味する謙譲語です。
謙譲語とは、自分の行動を相手よりも下の立場として表現することにより相手への敬意を示すことを意味しています。
「ご無沙汰しております」はお詫びの意味を含んでいるので目上の人に対して使う言葉というのが特徴です。そのため、立場が同等の人や目下の人には使わないと覚えておきましょう。
「ご無沙汰しております」はどれくらいの期間連絡を取り合ってなければ使うだろうと疑問になる方もいると思いますが、明確な期間は決まっていません。ただし、基本的に数か月から半年以上連絡を取っていない場合に使うのが適切と言われています。
もし、数週間しか経っていないのに「ご無沙汰しております」を使うと、相手が違和感を覚えることがあるので使用しないように注意しましょう。
「ご無沙汰しております」の類語
「ご無沙汰しております」の類語・類義語としては、再び同じことになるまでにかなりの時間を経ていることを意味する「しばらくぶりです」、病気をしないで元気だったか尋ねることを意味する「息災でしたか」などがあります。
「お久しぶりです」の意味
「お久しぶりです」とは
「お久しぶりです」とは、前にそのことを経験してから再び同じことになるまでに長い日数のあったことを意味しています。
「お久しぶりです」の使い方
「お久しぶりです」を使った分かりやすい例としては、「お久しぶりです、ご家族の皆様お元気ですか」「お久しぶりです、また会うことができて嬉しいです」「お久しぶりです、近々ご飯に行きませんか」「お久しぶりです、中々連絡できなくてごめんなさい」などがあります。
「お久しぶりです」は前にそのことを経験してから再び同じことになるまでに長い日数のあったことを意味する「久しぶり」に、接頭語の「お」と丁寧語の「です」が合わさった丁寧語表現です。
そのため、立場が同等の人や目下の人に対して使うのが一般的になります。ただし、目上の人であっても、仲が良かった上司、先輩、学校の先生などの親しい間柄であれば、「お久しぶりです」を使っても問題ないと覚えておきましょう。
「お久しぶりです」はどのくらいの期間で使う言葉なのかというと、普段会う頻度や人によって違うので明確な期間は決まっていません。
例えば、一ヶ月会ってないだけで使う人もいれば、一年ぶりにお会いする人に対して使う人もいます。自分が久しぶりだと思ったら使えるカジュアルな挨拶と覚えておけば問題ないでしょう。
「お久しぶりです」の類語
「お久しぶりです」の類語・類義語としては、前にそのことを経験してから再び同じことになるまでに長い日数のあったことを意味する「久方ぶりです」、相手に変化がないか問う挨拶のことを意味する「お元気でしたか」などがあります。
「ご無沙汰しております」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ご無沙汰しております」はビジネスシーンにおいてよく使われている表現です。
「お久しぶりです」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、前にそのことを経験してから再び同じことになるまでに長い日数のあったことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「お久しぶりです」は同等の立場や目下の人に使うのが一般的な表現です。
「ご無沙汰しております」と「お久しぶりです」はどちらも長い間連絡していないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、目上の人に対して使うのが「ご無沙汰しております」、同等の立場や目下の人に使うのが「お久しぶりです」と覚えておきましょう。