同じ「みにしみる」という読み方の「身に染みる」と「身に沁みる」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「身に染みる」と「身に沁みる」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
「身に染みる」と「身に沁みる」の違い
「身に染みる」と「身に沁みる」の意味の違い
「身に染みる」と「身に沁みる」の違いを分かりやすく言うと、「身に染みる」は常用漢字を使用した表現、「身に沁みる」は常用漢字を使用していない表現という違いです。
「身に染みる」と「身に沁みる」の使い方の違い
一つ目の「身に染みる」を使った分かりやすい例としては、「人の優しさが身に染みる」「今日の寒さは身に染みる」「彼の励ましの言葉が身に染みる」「上司の苦労が身に染みて分かりました」「彼女のありがたさが身に染みる」などがあります。
二つ目の「身に沁みる」を使った分かりやすい例としては、「周りの人たちの話を聞くと自分の孤独さが身に沁みる」「人の優しさを身に沁みることができて良かったです」「社長から身に沁みるお言葉をいただきました」などがあります。
「身に染みる」と「身に沁みる」の使い分け方
「身に染みる」と「身に沁みる」は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって少し違いがあるので注意が必要です。
「身に染みる」の「染みる」は常用漢字表に載っている言葉なので、新聞などの公に出されている公文書でも使うことができます。
一方、「身に沁みる」の「沁みる」は常用漢字表には載っていない言葉なので、新聞などの公に出されている公文書では使えないというのが違いになります。
したがって、「身に染みる」の方が「身に沁みる」よりも広く一般的に使われている表現と覚えておきましょう。
常用漢字とは、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安として、内閣告示の常用漢字表で示された日本語の漢字のことです。
常用漢字はあくまで漢字使用の目安であって制限ではないので、常用漢字以外は使えないというわけではありません。ただし、公用文や新聞などでは常用漢字を使用するのが好ましいとされています。
「身に染みる」と「身に沁みる」の英語表記の違い
「身に染みる」も「身に沁みる」も英語にすると「touch my heart」「sink deeply into one’s mind」となり、例えば上記の「彼女のありがたさが身に染みる」を英語にすると「Her appreciation touches the very core of my heart」となります。
「身に染みる」の意味
「身に染みる」とは
「身に染みる」とは、しみじみと深く感じることを意味しています。その他にも、冷気が強く感じられることの意味も持っています。
表現方法は「大変さが身に染みる」「優しさが身に染みる」「寒さが身に染みる」
「大変さが身に染みる」「優しさが身に染みる」「寒さが身に染みる」などが、「身に染みる」を使った一般的な言い回しになります。
「身に染みる」の使い方
「上司の優しい指導がありがたくて身に染みる」「彼女がかけてくれた優しい言葉が身に染みる」などの文中で使われている「身に染みる」は、「しみじみと深く感じること」の意味で使われています。
一方、「寒さが厳しくて身に染みる」「秋の風が身に染みる」などの文中で使われている「身に染みる」は、「冷気が強く感じられること」の意味で使われています。
「身に染みる」はしみじみと深く感じることと、冷気が強く感じられることの二つの意味を持つ言葉です。
一つ目のしみじみと深く感じることの意味は、「彼の優しい言葉が身に染みる」「一人暮らしして両親のありがたさが身に染みる」などのように、心理的なニュアンスで使うのが一般的になります。
また、心理的なニュアンスで使う場合、相手の厚意を嬉しく思ったり、感謝したりする場合など、プラスのイメージで使うことが多いです。
その他にも、「両親が言ってたことが身に染みる」「上司の言葉が今になって身に染みる」などのように、言葉の通りだと深く感じるというニュアンスで使うこともできます。
二つ目の冷気が強く感じられることの意味は、「今年の冬は寒さが身に染みる」「北風が身に染みる」などのように、身体的なニュアンスで使うのが一般的です。
「身に染みる」の「染みる」は常用漢字表に載っている言葉なので、新聞などの公に出されている公文書や正式な文書でも使うことができると覚えておきましょう。
「身に染みる」の類語
「身に染みる」の類語・類義語としては、心の底からそうだと感じることを意味する「ひしひしと感じる」、実際に事物や情景に接したときに得られる感じのことを意味する「実感する」などがあります。
「身に沁みる」の意味
「身に沁みる」とは
「身に沁みる」とは、しみじみと深く感じることを意味しています。その他にも、冷気が強く感じられることの意味も持っています。
表現方法は「大変さが身に沁みる」「優しさが身に沁みる」「寒さが身に沁みる」
「大変さが身に沁みる」「優しさが身に沁みる」「寒さが身に沁みる」などが、「身に身に沁みる」を使った一般的な言い回しになります。
「身に沁みる」の使い方
「落ち込んでいる時の励ましの言葉が身に沁みる」「若い時の時間の大切を中年になってから身に沁みる」などの文中で使われている「身に沁みる」は、「しみじみと深く感じること」の意味で使われています。
一方、「今朝は骨身に沁みる寒さでした」「寒さが身に沁みる季節になってきました」などの文中で使われている「身に沁みる」は、「冷気が強く感じられること」の意味で使われています。
「身に沁みる」はしみじみと深く感じることと、冷気が強く感じられることの二つの意味を持つ言葉です。
一つ目のしみじみと深く感じることの意味は、「彼女の優しい言葉が身に沁みる」「彼の応援の言葉が身に沁みる」などのように、心理的なニュアンスで使うのが一般的になります。
また、心理的なニュアンスで使う場合、相手の厚意を嬉しく思ったり、感謝したりする場合など、プラスのイメージで使うことが多いです。
その他にも、「父親が言ってた言葉がこの歳になって身に沁みる」「部長の言葉が今になって身に沁みる」などのように、言葉の通りだと深く感じるというニュアンスで使うこともできます。
二つ目の冷気が強く感じられることの意味は、「12月に入ってから寒さが身に沁みる」「秋風が身に沁みる」などのように、身体的なニュアンスで使うのが一般的です。
「身に沁みる」の「沁みる」は常用漢字表にない読み方なので、公文書や新聞などでは使うことができません。公文書や新聞などでは常用漢字表にある「沁みる」に置き換えて使用すると覚えておきましょう。ただし、個人的な文章であれば「沁みる」を使っても問題ありません。
「身に沁みる」の類語
「身に沁みる」の類語・類義語としては、心の奥底から感じることを意味する「心底感じる」、全身に強く感じることを意味する「骨身に応える」などがあります。
「身に染みる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、しみじみと深く感じることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、冷気が強く感じられることを表現したい時にも使います。
上記の例文にあるように「身に染みる」は心理的だけではなく、身体的に感じた場合にも使うことが出来る表現です。
「身に沁みる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、しみじみと深く感じることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、冷気が強く感じられることを表現したい時にも使います。
上記の例文にあるように、「身に沁みる」は心理的だけではなく、身体的に感じた場合にも使うことが出来る表現です。
「身に染みる」と「身に沁みる」はどちらもを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「身に染みる」は常用漢字を使用した表現ですが、「身に沁みる」は常用漢字を使用していない表現なので、「身に染みる」の方を使うようにしましょう。