【劣等感】と【コンプレックス】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「劣等感」(読み方:れっとうかん)と「コンプレックス」(読み方:こんぷれっくす)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「劣等感」と「コンプレックス」という言葉は、どちらも劣っていると感じることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「劣等感」と「コンプレックス」の違い

「劣等感」と「コンプレックス」の意味の違い

「劣等感」と「コンプレックス」の違いを分かりやすく言うと、「劣等感」は比較する対象があって生まれる感情のこと、「コンプレックス」は比較する対象がなくても生まれる感情のことという違いです。

「劣等感」と「コンプレックス」の使い方の違い

一つ目の「劣等感」を使った分かりやすい例としては、「優秀な兄に劣等感を抱く」「私はこの劣等感を克服したいです」「あなたが劣等感を感じる必要はありませんよ」「私は劣等感に悩む」などがあります。

二つ目の「コンプレックス」を使った分かりやすい例としては、「鼻にコンプレックスがあったので整形することを決めました」「自分のコンプレックスと向き合うことにする」「私は彼女に対してコンプレックスを持っている」などがあります。

「劣等感」と「コンプレックス」の使い分け方

「劣等感」と「コンプレックス」はどちらも劣っていると感じることを意味する言葉ですが、使い方に違いがあるので注意が必要です。

「劣等感」は自分が他者や理想の自分に比べて劣っていると主観的感じた場合に使い、比較する対象があって生まれる感情です。

一方、「コンプレックス」はある感情を中心に成り立っている複合感情のことを表す精神分析用語になります。そのため、比較する対象がなくても生まれることができる感情です。

また、「劣等感」は「コンプレックス」の中の複合感情の一つで、「インフェリオリティーコンプレックス」のことを指しています。

「劣等感」と「コンプレックス」は混同しやすいですが、「劣等感」は「コンプレックス」の中の一つなだけで、本来の概念は異なっているので混同しないように注意しましょう。

「劣等感」と「コンプレックス」の英語表記の違い

「劣等感」を英語にすると「inferiority complex」となり、例えば上記の「私は劣等感に悩む」を英語にすると「I suffer from an inferiority complex」となります。

一方、「コンプレックス」を英語にすると「complex」となり、例えば上記の「She gives me an inferiority complex」を英語にすると「私は彼女に対してコンプレックスを持っている」となります。

「劣等感」の意味

「劣等感」とは

「劣等感」とは、自分が他人より劣っているという感情のことを意味しています。

表現方法は「劣等感が強すぎる」「劣等感が強い女」「劣等感を与える」

「劣等感が強すぎる」「劣等感が強い女」「劣等感を与える」「劣等感を感じる」などが、「劣等感」を使った一般的な言い回しになります。

「劣等感」の使い方

「劣等感」を使った分かりやすい例としては、「兄弟の中で背が低いことに劣等感を抱いている」「彼女は劣等感が強いのでいつも誰かに嫉妬しています」「完璧主義な性格の人は劣等感を抱きやすい」などがあります。

「劣等感」は、自分が他人より劣っているという感情のことを意味する名詞です。また、劣等感は比較する対象があってはじめて生まれてくる感情と覚えておきましょう。

「劣等感」は客観的に劣っていなくても、本人が劣っていると思えば使うことができます。またネガティブな表現でしか使わないので、マイナスなイメージでのみ使う言葉です。

「劣等感」持ちやすい性格の人を挙げると、何事もネガティブに考えるマイナス思考の人、完璧でないと済まない完璧主義者な人、追い求めてることが現実と差がある理想が高い人などが挙げられます。

「劣等感」の対義語

「劣等感」の対義語・反対語としては、自分が他人より優れているという感情のことを意味する「優越感」などがあります。

「劣等感」の類語

「劣等感」の類語・類義語としては、自分が他人より劣っていると感じることを意味する「引け目」、能力や勢力などが劣っていて弱いことを意味する「劣弱」があります。

「コンプレックス」の意味

「コンプレックス」とは

「コンプレックス」とは、様々な感情や思考などが無意識のうちに複雑に絡み合った複合的な集合体のことを意味する精神分析用語のことを意味しています。

表現方法は「コンプレックスを抱える」「コンプレックスを抱く」「コンプレックスがある」

「コンプレックスを抱える」「コンプレックスを抱く」「コンプレックスがある」などが、「コンプレックス」を使った一般的な言い回しです。

「コンプレックス」の使い方

「コンプレックス」を使った分かりやすい例としては、「私は自分の体型にコンプレックスを抱いている」「どんなに優秀な人でもコンプレックスはあると思うよ」「夫がマザーコンプレックスで困っている」などがあります。

「コンプレックス」は様々な感情や思考などが無意識のうちに複雑に絡み合った複合的な集合体のことを意味する精神分析用語のこと意味しています。

日本では「コンプレックス」と聞くと、自分が他人より劣っているという感情のことを意味する「劣等感」をイメージしやすいですが、「インフェリオリティーコンプレックス」という「コンプレックス」の中一つに過ぎません。

したがって、「劣等感」という意味で「コンプレックス」を使う場合は、「インフェリオリティーコンプレックス」を省略した言葉として捉えるといいでしょう。

「コンプレックス」を使った他の言葉としては、自分の行為を自分で決定できず母親に固着しいつまでも支配されている心的傾向ことを意味する「マザーコンプレックス」、自分の女兄弟に強い愛着を抱く傾向のことを意味する「シスターコンプレックス」などがあります。

その他にも、自立できない女性がシンデレラのように理想の男性が現れて幸福にしてくれるのを待つ心理のことを意味する「シンデレラコンプレックス」、幼女や少女にのみ性欲を感じる異常心理のことを意味する「ロリータコンプレックス」などがあります。

「コンプレックス」の類語

「コンプレックス」の類語・類義語としては、自分で自分の能力や価値などを信じることが欠けていることを意味する「自信欠如」があります。

「劣等感」の例文

1.彼と一緒にいると劣等感を感じることを多いので、距離を置くことにしました。
2.ネガティブな人はすぐ他人と自分を比べるので、劣等感を抱きやすいです。
3.劣等感を克服するために、自分にできることをコツコツ積み上げるていくことにしました。
4. 劣等感が強い人は自分に自信が無いので、人の欠点や失敗について話すことが多いのでめんどくさいです。
5.優秀な姉と比較されて生き続けてきたので、劣等感を感じることが多い。
6.私は高校まで劣等感の塊だったが、美大で才能が花開いてからは、過去の劣等感も創作の糧となった。
7.彼女には悪気はないのだろうが、田舎出身の私としては都会的な振る舞いをされると劣等感を刺激されてしまうのだ。
8.私が本番に弱いのは他の選手たちと比べて自分の実力に劣等感を感じ、試合前には緊張が抜け切らないからである。
9.就職活動が芳しくなく、友達が優秀な大企業に内定を獲得する中、私は自分の未熟さに劣等感を覚えています。
10.SNSは見ず知らずの成功者たちの話が耳に入ってしまうので、自分の生き方に劣等感を感じてしまいます。

この言葉がよく使われる場面としては、自分が他人より劣っているという感情のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「劣等感」はマイナスなイメージで使われている言葉です。

「コンプレックス」の例文

1.私は学歴コンプレックスを味わったので、息子には良い大学に入って欲しいです。
2.彼女はいつも弟の話ばかりするので、ブラザーコンプレックスかもしれません。
3.彼はロリータコンプレックスなので、幼い女の子が出るアニメばかり見ている。
4.自分の顔がコンプレックスなので、人前で話すのが苦手です。
5.彼はマザーコンプレックスなので、母親の言うことは何でも聞きます。
6.直毛の人は直毛が、癖毛の人は癖毛がコンプレックスになるのだから、人は所詮無いものねだりなのだろう。
7.自分の鼻の形が気に入らないが、整形する勇気も受け入れる覚悟もなく、いつも下を向いている自分の性格にもコンプレックスを抱いている。
8.彼も最初からうまくいっていたわけではなく、コンプレックスをバネに成功者へと成り上がっていったのでした。
9.長い間自分の外見に対してのコンプレックスを抱えていましたが、最近は受け入れることができるようになりました。
10.今までは社交的でないことに対してコンプレックスを抱いていましたが、今では内向的な自分を好きになりました。

この言葉がよく使われる場面としては、様々な感情や思考などが無意識のうちに複雑に絡み合った複合的な集合体のことを意味する精神分析用語のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「コンプレックス」は心理的なニュアンスで使う言葉です。

「劣等感」と「コンプレックス」はどちらも劣っていると感じることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、比較する対象があって生まれる感情なのが「劣等感」、比較する対象がなくても生まれる感情なのが「コンプレックス」と覚えておきましょう。

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