同じ「いかん」という読み方の「何如」と「如何」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「何如」と「如何」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
何如と如何の違い
何如と如何の意味の違い
何如と如何の違いを分かりやすく言うと、何如とは漢文に使用する言葉、如何とは漢文だけでなく現代文にも使用する言葉という違いです。
何如と如何の使い方の違い
一つ目の何如を使った分かりやすい例としては、「今日之事何如の現代語訳を教えてください」「漢文に出てくる何如の訳し方が分かりません」「何如の書き下しは平仮名ではなく漢字でもよいですか」などがあります。
二つ目の如何を使った分かりやすい例としては、「理由如何では遅刻を許してあげます」「内容の如何に関わらず張り紙をしてはいけません」「如何せん年なので体力がありません」「性能試験の結果や如何」「これ以上は如何ともしがたい」などがあります。
何如と如何の使い分け方
何如と如何という言葉は、どちらも「いかん」と読み、漢字の前後を入れ替えた表現ですが、意味や使い方には違いがあります。
何如とは、古代中国の文語体の文章である漢文で使用される言葉です。漢文における何如は、基本的に文末に置き、「どのようであるか」と状態や程度を聞く表現になります。また、例外的に文頭や文中に置かれると疑問や反語の句法となり、「どうして」という意味になります。
如何とは、漢文だけでなく、日本語としても使用される言葉です。漢文における如何は、前述した「何如」の意味とは違い、「どうしようか」と手段や方法を聞く表現になります。また、現代文における如何は、事の次第や成り行き、あるいは状態などの疑問を意味します。
何如と如何は、間違いやすい言葉ですが、普段の文章では「如何」を使うと覚えておけば間違いないでしょう。
何如と如何の英語表記の違い
何如を英語にすると「depending」「up to」「what would it be like」となり、例えば上記の「理由如何では」を英語にすると「depending on the reason」となります。
一方、如何を英語にすると「how it is」「What should I think」となり、例えば上記の「今日之事何如」を英語にすると「how are things today」となります。
何如の意味
何如とは
何如とは、どのようであるか、どう考えればよいのかを意味しています。
何如の読み方
何如の読み方は「いかん」です。誤って「いかが」「なにごと」などと読まないようにしましょう。また、同じ読み方をする熟語に「遺憾」や「移管」などがありますが、意味が異なるため書き間違いに注意してください。
何如の使い方
何如を使った分かりやすい例としては、「果誠何如の読み方が分かりません」「何如は書き下す時に漢字のままでいいですか」「漢文のテストで何如と如何の違いが問われた」「何如の覚え方を教えてもらいました」などがあります。
その他にも、「何如の訳し方をわかりやすく説明してもらった」「何如は基本の句法なので覚えてください」「古文に何如という表現はありますか」「書き下し文は、我は何如なる人ぞになります」などがあります。
何如とは、日本語ではなく、古代中国の文章である漢文で使用されている言葉です。何如という言葉は、漢文において状態や程度などが「どうであるか」を問う意味を持ちます。ただし、何如が文頭や文中にくる場合は、例外的に「いかんぞ」と読み、「どうして」という意味になります。
「今日之事何如」の意味
何如を用いた有名な一文には「今日之事何如」があります。司馬遷によって編纂された歴史書「史記」に登場する文章であり、書き下し文は「今日の事何如」、現代語訳は「今日の様子はどうであるか」となります。
何如の類語
何如の類語・類義語としては、人や物事のある時点でのありさまを意味する「状態」、物事を行うにあたっての状況を意味する「具合」、物事のありさまを意味する「模様」、 物事の実際の事情や情況を意味する「実情」などがあります。
如何の意味
如何とは
如何とは、事の次第、成り行き、様子を意味しています。
その他にも「文末に用いて状態などについての疑問を表す、どんなであろうか」の意味も持っています。
如何は奈何とも書く
如何は「奈何」とも書きますが、一般的には「如何」と表記されています。
如何の読み方
如何の読み方はいくつかあり、「いかん」の他に「いかが」「いか」「どう」とも読みます。「如何でしょうか」「如何ですか」は「いかが」、「如何にも」は「いか」、「如何思うか」は「どう」と読み、意味も微妙に変わってくるので注意しましょう。
「いかん」と読む場合の如何とは、二つの意味を持つ言葉です。一つは、名詞として事の成り行きや様子を意味するもので、「事由の如何によって」などと使用します。もう一つは、副詞として文末に置いて、状態などについての疑問を表し、「あなたの心境や如何」などと用います。
如何の使い方
「理由の如何に関わらず認められません」「内容如何によっては犯罪になります」「合否は君の努力如何によるだろう」「事の如何によらず避けるべきだ」「如何せん時間が足りない」「如何せん連絡先が分からない」などの文中で使われている如何は、「事の次第、成り行き」の意味で使われています。
一方、「新人シェフの実力や如何」「新酒の出来栄えや如何」「あなたの運命や如何」「ポップカルチャーの可能性や如何」などの文中で使われている如何は、「どんなであろうか」の意味で使われています。
「如何せん」の意味
如何を用いた日本語には「如何せん」(読み方:いかんせん)があります。「如何せん」とは、「いかにせむ」が変化したものであり、なすべき手段や方法に絶望を感じ、残念な気持ちを表わします。どうしたらよかろうか、どうしようもない、残念ながら、などと言い換えることができます。
如何の対義語
如何の対義語・反対語としては、ある原因や行為から生じた結末や状態を意味する「結果」などがあります。
如何の類語
如何の類語・類義語としては、物事がある状態に至るまでの理由や状態を意味する「事情」、物事のいきさつを意味する「経緯」、状態などについての疑問を意味する「如何に」(読み方:いかに)、状態や方法などを問うことを意味する「如何様」(読み方:いかよう)などがあります。
何如の例文
この言葉がよく使われる場面としては、漢文で、どのようであるか、どう考えればよいのかを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、何如という言葉は、古代中国で発達した漢文で用いられる表現です。日本語として使用されることは、ほとんどありません。
如何の例文
この言葉がよく使われる場面としては、事の次第や成り行き、状態などについての疑問を表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「理由如何によって」の如何は事の次第を表し、「理由がどうであるかによって」「理由次第によって」などと言い換えることができます。
何如と如何という言葉は、どちらも「いかん」と読む同音異義語です。「何如」は漢文で用いる表現、「如何」は漢文だけでなく日本語の文章にも使用する表現であることを覚えておきましょう。