似た意味を持つ「プレッシャー」と「ストレス」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「プレッシャー」と「ストレス」という言葉は、「精神的な負荷」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
プレッシャーとストレスの違い
プレッシャーとストレスの意味の違い
プレッシャーとストレスの違いを分かりやすく言うと、プレッシャーは外部からの負荷を表現する時に使い、ストレスは内部で感じた負荷を表現する時に使うという違いです。
プレッシャーとストレスの使い方の違い
一つ目のプレッシャーを使った分かりやすい例としては、「試験や試合の前にプレッシャーを感じるのは自分だけではないようだ」「プレッシャーによって最大のパフォーマンスをすることが出来る人もいる」「プレッシャーで汗が止まらない」などがあります。
二つ目のストレスを使った分かりやすい例としては、「人間関係を気にしながら過ごすのはストレスが溜まる」「ストレスと無縁な生活を送りたい」「自分の合うストレス解消方法を見つけたい」などがあります。
プレッシャーとストレスの使い分け方
プレッシャーとストレスはどちらも、精神的な負荷を表す言葉として使われていますが、指し示す範囲が若干異なります。
プレッシャーは、精神的な圧力、社会的な圧力や強制力を表す言葉で、外的要因によって心身にかけられる負荷を指すため、必ず外部から影響を与えるものが存在します。
一方のストレスは、外的要因によって生じる緊張状態を表す言葉ですが、寝不足や漠然とした不安などの外部刺激によるものではない負荷も含まれています。
つまり、プレッシャーは外的要因による精神的負荷を指し、ストレスは外部刺激だけでなく内的要因による精神的負荷も指すという違いがあります。そのため、プレッシャーはストレスになり得ますが、ストレスがプレッシャーになることはありません。
プレッシャーとストレスの英語表記の違い
プレッシャーを英語にすると「pressure」となり、例えば上記の「プレッシャーを感じる」を英語にすると「feel the pressure」となります。
一方、ストレスを英語にすると「stress」となり、例えば上記の「ストレスが溜まる」を英語にすると「build up stress」となります。
プレッシャーの意味
プレッシャーとは
プレッシャーとは、精神的圧迫や社会的圧力を意味しています。
表現方法は「プレッシャーを感じる」「プレッシャーに押しつぶされる」
「プレッシャーを感じる」「プレッシャーに押しつぶされる」「プレッシャーを与える」などが、プレッシャーを使った一般的な言い回しです。
プレッシャーの使い方
プレッシャーを使った分かりやすい例としては、「思春期の娘はピアプレッシャーを受けやすいのか学校では居心地が悪いようだ」「上司からの期待がプレッシャーに感じてしまう」「大きなプレッシャーで胃を壊すことが多かった」などがあります。
その他にも、「そろそろ結婚を考えろと社会的プレッシャーを掛けられているように思う」「育児に関する経済的なプレッシャーや責任からは逃れられない」「性役割を求められるプレッシャーでしばらく体調を崩したことがある」などがあります。
プレッシャーは英語で「pressure」と表記され、「圧力」「気圧」「圧迫感」を意味する言葉として使われています。日本語でも同じように使われていますが、日常会話で気圧や血圧を意味する言葉としては使われていません。
「ピアプレッシャー」の意味
上記例文の「ピアプレッシャー」とは、仲間からの圧力を意味し、同調圧力とも言われています。組織内で助け合い、競い合うことでより良い結果をもたらす一方で、自分一人が残業を断るなど輪から外れるような行為を避けるため精神的負荷が掛かる場合もあります。
このように、個々人が感じる精神的な圧力だけでなく、社会的な圧力や強制力を表す場合にもプレッシャーという言葉が使われています。
プレッシャーの対義語
プレッシャーの対義語・反対語としては、心に苦労や心配がないことを意味する「気楽」があります。
プレッシャーの類語
プレッシャーの類語・類義語としては、心がはりつめて身体を固くすることを意味する「緊張」、外部からの強い干渉を意味する「外圧」、権力で押さえつけることを意味する「高圧」、強い力で圧迫することを意味する「重圧」などがあります。
ストレスの意味
ストレスとは
ストレスとは、心身に生じるひずみを意味しています。
その他にも、言葉の勢いや音の強弱を意味する言葉として使われています。
表現方法は「ストレスが溜まる」「ストレスに弱い」「ストレスを感じる」
「ストレスが溜まる」「ストレスに弱い」「ストレスを感じる」などが、ストレスを使った一般的な言い回しです。
ストレスの使い方
「ストレスチェックが義務化されている職場もある」「肩こりなどもストレスのサインのようだが慢性的な肩こりに悩まされている」「精神的ストレスは心身に更なる不調をもたらす」などの文中で使われているストレスは、「精神的負荷」の意味で使われています。
一方、「ストレスとアクセントは厳密にいえば異なる」「英語のストレスは日本語とは異なる」「英単語のストレスの位置はルールが存在することもある」などの文中で使われているストレスは、「語勢」の意味で使われています。
ストレスは英語で「stress」と表記され、「重圧」「圧迫感」「アクセント」を意味する言葉として使われています。日本語でも同じように使われていますが、一般的には精神的な圧迫感という意味で捉えられることがほとんどです。
日本語でいうアクセントは英語で「訛り」を意味するため、英語の音の強弱や語勢に対しては「ストレス」という言葉を使います。
元々は、「苦痛」「苦悩」という意味を持つ「distress」を短縮した言葉とされています。1936年、ストレスという言葉は使われていませんでしたが徐々に受け入れられるようになります。また、ストレスを与えるような刺激は「ストレッサー」と呼ばれていました。
睡眠を表す「Rest」、ストレッチなどを表す「Relaxation」、娯楽や旅行などを表す「Recreation」はストレスに対処するための3Rとも呼ばれており、今日も様々なストレス研究やストレス管理が行われています。
ストレスの対義語
ストレスの対義語・反対語としては、くつろぐことや力を抜くことを意味する「リラックス」、回復力や跳ね返りを意味する「レジリエンス」があります。
ストレスの類語
ストレスの類語・類義語としては、あれこれと気を遣って精神的に疲れることを意味する「気苦労」、心配して深く思い悩むことを意味する「心痛」、気がかりで落ち着かないことを意味する「不安」などがあります。
プレッシャーの例文
この言葉がよく使われる場面としては、精神的圧迫を意味する時などが挙げられます。
例文1から例文3は個々人の感じ方に幅がある圧力ですが、例文4や例文5のように社会的文化的な圧力や強制力に対しても使われています。
ストレスの例文
この言葉がよく使われる場面としては、心身に生じるひずみを意味する時などが挙げられます。
例文4や例文5のように、語勢やアクセントの意味で使われる場合もあります。
プレッシャーとストレスは、どちらも「精神的な負荷」を表します。どちらを使うか迷った場合は、外部からの負荷を表す場合は「プレッシャー」を、内部で感じた負荷を表す場合は「ストレス」を使うと覚えておけば間違いありません。