【心得違い】と【勘違い】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「心得違い」(読み方:こころえちがい)と「勘違い」(読み方:かんちがい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「心得違い」と「勘違い」という言葉は、どちらも事実と違った認識をしてしまうことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「心得違い」と「勘違い」の違い

「心得違い」と「勘違い」の意味の違い

「心得違い」と「勘違い」の違いを分かりやすく言うと、「心得違い」の方が「勘違い」よりも非難を込めた言い方で道理に反しているというニュアンスがあるという違いです。

「心得違い」と「勘違い」の使い方の違い

一つ目の「心得違い」を使った分かりやすい例としては、「彼はとんでもない心得違いをする」「私は心得違いを戒める」「待ち合わせの時間を心得違いする」「親元を離れたら心得違いをしないようにしよう」などがあります。

二つ目の「勘違い」を使った分かりやすい例としては、「約束は14時だと勘違いしていました」「あなたは何か勘違いをしているんじゃないか」「勘違いして違う電車に乗ってしまいました」「勘違いも甚だしい」などがあります。

「心得違い」と「勘違い」の使い分け方

「心得違い」と「勘違い」はどちらも事実と違った認識をしてしまうことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「心得違い」は事実と違った認識をしてしまうことの意味の他に、道理にはずれた行為や考え方の意味も持っているため、「あなたは心得違いをしている」のように、単に勘違いしているという意味ではなく、非難を込めた、道理に反しているという意味で使われることが多いというのが違いになります。

つまり、「心得違い」は「勘違い」よりも道理に反しているというニュアンスがあるというのが違いです。

「心得違い」と「勘違い」の英語表記の違い

「心得違い」を英語にすると「imprudence」「indiscretion」「misconduct」となり、例えば上記の「親元を離れたら心得違いをしないようにしよう」を英語にすると「After you move away from home, you should be careful not to behave improperly」となります。

一方、「勘違い」を英語にすると「misunderstand」「mistake」となり、例えば上記の「勘違いも甚だしい」を英語にすると「It is a gross misunderstanding」となります。

「心得違い」の意味

「心得違い」とは

「心得違い」とは、事実と違った認識をしてしまうことを意味しています。その他にも、道理や人の道に外れた考え方や行いのことの意味も持っています。

表現方法は「心得違いをしておりました」「心得違いをする」

「心得違いをしておりました」「心得違いをする」などが、「心得違い」を使った一般的な言い回しになります。

「心得違い」の使い方

「早飲み込みで心得違いをしていました」「約束11時だと心得違いしていた」などの文中で使われている「心得違い」は、「事実と違った認識をしてしまうこと」の意味で使われています。

一方、「自分の心得違いを戒める」「謝れば済むと思ったらとんだ心得違いだ」などの文中で使われている「心得違い」は、「道理や人の道に外れた考え方や行いのこと」の意味で使われています。

「心得違い」は事実と違った認識をしてしまうことと、道理や人の道に外れた考え方や行いのことの二つの意味を持つ言葉ですが、どちらの意味も使われています。

「心得違い」はビジネスシーンでも使える

「心得違い」を事実と違った認識をしてしまうことの意味はビジネスシーンにおいてよく使われており、間違って理解して相手に迷惑かけた際の謝罪の言い回しとして使うのが一般的です。

また、道理や人の道に外れた考え方や行いのことの意味は、何か重大なミスをしてしまった自分を戒める場合か、「彼女の心得違いを厳しく咎める」などように、他人を戒める場合にも使うことができます。

ただし、他人に対して「心得違い」を使う場合は、立場が同等や目下の人に対してしか使えないと覚えておきましょう。

「心得違い」の類語

「心得違い」の類語・類義語としては、ある事実について間違った理解や解釈をすることを意味する「誤解」、間違えて思い込むことを意味する「思い違い」、物事や相手の言動などを素直に受け取らないでねじまげて解釈することを意味する「曲解」などがあります。

「勘違い」の意味

「勘違い」とは

「勘違い」とは、事実と違った認識をしてしまうことを意味しています。

表現方法は「勘違いを生む」「勘違いをする」「勘違いを招く」

「勘違いを生む」「勘違いをする」「勘違いを招く」などが、「勘違い」を使った一般的な言い回しになります。

「勘違い」の使い方

「勘違い」を使った分かりやすい例としては、「それは私の勘違いでした」「スイカは果物だと勘違いしてました」「その件はお客様の勘違いだと思われます」「私が勘違いしてました、ごめんなさい」などがあります。

「勘違い」は事実と違った認識をしてしまうことを意味する名詞です。名詞とは自立語で活用がなく、文の主語となることができるものことを意味しています。

「勘違い」は本人が意図的にミスをした場合でない時に使う言葉です。つまり、簡単に言うならば、うっかりをミスや間違いをしてしまった場合に使用すると覚えておきましょう。

「勘違い」はビジネスシーンでも使える

「勘違い」はビジネシーンでも使うことができる言葉ですが敬語表現ではないので、目上の人に対して使う場合は前後の文章に敬語表現を使うのが適切です。

「勘違い」の類語

「勘違い」の類語・類義語としては、区別しなければならないものを同一のものとして扱うことを意味する「混同」、根本的で重要なこと些細でつまらないことを取り違えることを意味する「本末転倒」、間違って理解することを意味する「取り違える」などがあります。

「心得違い」の例文

1.この度は私どもの心得違いにより、間違った商品をお届けしてしまい、大変申し訳ございまでんでした。
2.私の心得違いでご迷惑をおかけしたことを、深くお詫び申し上げます。
3.他人にばかりやらせておいて自分は何もしないなんて、とんだ心得違いだ。
4.謝罪すれば済むと思ったらとんだ心得違いだ。きっちりと責任は取ってもらうよ。
5.この件をそんな軽率に考えているとは、心得違いも甚だしい。
6.今までにやったことがないからだといってしり込みするのは、とんでもない心得違いなのであるとわかってほしい。
7.彼は自分の地位と権力によって、他の人々を支配しようとしているが、それは心得違いだと言える。
8.彼は上司の招待を心得違いし、フォーマルなパーティーにカジュアルな服で現れたので、場に浮いてしまった。
9.同僚は自分の経験によって、他の人々の意見を軽視してしまう傾向がある。それは偏見に基づく心得違いだと言える。
10.私は先輩のアドバイスを心得違いし、逆効果の行動を取ってしまった結果、仕事での評価が下がってしまった。

この言葉がよく使われる場面としては、事実と違った認識をしてしまうことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、道理や人の道に外れた考え方や行いのことを表現したい時にも使います。

例文1と例文2の「心得違い」は事実と違った認識をしてしまうこと、例文3から例文4の「心得違い」は道理や人の道に外れた考え方や行いのことの意味で使われています。

「勘違い」の例文

1.降りる駅を勘違いしてしまっため、集合時間に遅れてしまいました。
2.子供の頃よく遊んでいた子は髪が短ったので、男の子だと勘違いしていました。
3.私の勘違いでチームのみんなに迷惑をかけてしまったので、とても申し訳ないと思っています。
4.ちょっとした勘違いが元で夫婦喧嘩になってしまったので、後で謝りに行こうと思います。
5.約束の時間を勘違いして2時間も早く着いてしまったが、遅れるよりはマシだろう。
6.約束の時間に友だちが来ないとイライラしていたら、待ち合わせ場所のデパート名を勘違いしていた。
7.かっぱやツチノコというのも、地元の人々の何らかの勘違いから発生したものと考えられる。
8.近くで工事をしていることを知らなかったので、彼女は地震と勘違いして家から飛び出していました。
9.彼は彼女の態度を勘違いし、彼女が自分を嫌っていると思い込んでしまい、距離を置いてしまった。
10.一度心を許したからといって、そんな図々しい態度を取られるのは不愉快だし、勘違いも甚だしい。

この言葉がよく使われる場面としては、事実と違った認識をしてしまうことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「勘違い」は間違って思い込んでしまった場合に使う言葉です。

「心得違い」と「勘違い」はどちらも事実と違った認識をしてしまうことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「心得違い」は「勘違い」よりも非難を込めた言い方で道理に反しているというニュアンスがあると覚えておきましょう。

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