似た意味を持つ「フリーキャッシュフロー」と「キャッシュフロー」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「フリーキャッシュフロー」と「キャッシュフロー」という言葉は、「企業経営に関わる金銭」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
フリーキャッシュフローとキャッシュフローの違い
フリーキャッシュフローとキャッシュフローの意味の違い
フリーキャッシュフローとキャッシュフローの違いを分かりやすく言うと、フリーキャッシュフローは経営上自由に使用できる金銭を表現する時に使い、キャッシュフローは収入と支出の動きを表現する時に使うという違いです。
フリーキャッシュフローとキャッシュフローの使い方の違い
一つ目のフリーキャッシュフローを使った分かりやすい例としては、「フリーキャッシュフローのマイナス状態が続けば借入がすぐに受けられない」「フリーキャッシュフローに余裕が出始めたのか株主への還元率が良いと評判になっている」などがあります。
二つ目のキャッシュフローを使った分かりやすい例としては、「キャッシュフロー計算書の確認をしたい」「キャッシュフローがプラスのため安心した」「キャッシュフローのマイナスを今後どうするのかが問題だ」などがあります。
フリーキャッシュフローとキャッシュフローの使い分け方
フリーキャッシュフローとキャッシュフローはどちらも企業経営に関わる金銭に関する用語ですが、意味は大きく異なります。
キャッシュフローは、収入と支出の流れを表す言葉で、収入から支出を差し引いて手元に残る資金やその流れを指します。そのため、上記例文の「キャッシュフローがプラス」「キャッシュフローのマイナス」などの使い方で黒字や赤字の状態を指すことができます。
一方のフリーキャッシュフローは、本業に関する資金から成長のための資金を差し引いて残った金銭を指す言葉で、企業内に自由に使うことができる資金として残す資金です。こちらもプラスという表現で黒字、マイナスという表現で赤字を表すことが出来ます。
つまり、フリーキャッシュフローは、収入と支出の流れを表すキャッシュフローの一部であると言うことができるため、混同して使われますが異なる言葉です。
フリーキャッシュフローとキャッシュフローの英語表記の違い
フリーキャッシュフローを英語にすると「free cash flow」となり、例えば上記の「フリーキャッシュフローのマイナス」を英語にすると「the negative free cash flow」となります。
一方、キャッシュフローを英語にすると「cash flow」となり、例えば上記の「キャッシュフロー計算書」を英語にすると「cash flow statement」となります。
フリーキャッシュフローの意味
フリーキャッシュフローとは
フリーキャッシュフローとは、経営上すぐに必要とされない金銭を意味しています。
表現方法は「フリーキャッシュフローを増やす」「フリーキャッシュフローがマイナス」
「フリーキャッシュフローを増やす」「フリーキャッシュフローがマイナス」などが、フリーキャッシュフローを使った一般的な言い回しです。
フリーキャッシュフローの使い方
フリーキャッシュフローを使った分かりやすい例としては、「フリーキャッシュフローに余裕があるようで新規事業の開拓が考えられている」「フリーキャッシュフローがプラスであれば価値のある企業として扱われる」などがあります。
その他にも、「いくら収支が安定していてもフリーキャッシュフローが増えなければ今後の成長に活かせない」「営業キャッシュフローなどを算出してフリーキャッシュフローを数値化する」「フリーキャッシュフローがポジティブになったようだ」などがあります。
フリーキャッシュフローは英語で「free cash flow」と表記され、資金の流れを意味するキャッシュフローと、「自由な」「縛られていない」といった意味を持つ「free」とが組み合わされて使われている言葉で、「FCF」と省略されることもあります。
本業の収入から税金、設備や外部に対する投資などを差し引いた収支であり、経営上すぐには必要とされない資金を指します。そのため、上記例文の「フリーキャッシュフローに余裕がある」状態は、経営上安定していると言えます。
自由に使うことができるフリーキャッシュフローは主に、株主に還元されたり、新規事業開拓のための資金とされたり、借入金返済のために使われています。
フリーキャッシュフローの類語
フリーキャッシュフローの類語・類義語としては、手元にある現金を意味する「自己資金」、経営者の判断で自由に使うことのできる余剰資金を意味する「純現金収支」などがあります。
キャッシュフローの意味
キャッシュフローとは
キャッシュフローとは、資金の流れを意味しています。
表現方法は「キャッシュフローを生み出す」「キャッシュフローが悪い」
「キャッシュフローを生み出す」「キャッシュフローが悪い」「キャッシュフローを増やす」などが、キャッシュフローを使った一般的な言い回しです。
キャッシュフローの使い方
キャッシュフローを使った分かりやすい例としては、「キャッシュフローの見直しを行うことでキャッシュアウトフローを減らすことができる」「キャッシュフロー計算書の見方と作り方を調べる」「キャッシュフローの計算方法を知らない」などがあります。
その他にも、「キャッシュフロー表を家計にも取り入れている」「キャッシュフロー作成をするためにエクセルの使用を強いられた」「キャッシュフローの悪化は経営の悪化とも言えるだろう」「キャッシュフローを増やすために策を立てる」などがあります。
キャッシュフローは英語で「cash flow」と表記され、「現金流出入」「現金流量」を意味する言葉です。日本語でも同じように使われていますが、あくまで経営に関する用語であるため、日常生活で使われることはありません。
一定期間に入る資金である「キャッシュインフロー」と、出ていく資金である「キャッシュアウトフロー」の二種類に区分され、これらの総称がキャッシュフローであり、これらの資金の差を表すこともあります。
「営業キャッシュフロー」「投資キャッシュフロー」「財務キャッシュフロー」の意味
営業活動によって得る現金とそのためのコストとの収支を指す「営業キャッシュフロー」、設備などに対する投資と資産売却の収支を指す「投資キャッシュフロー」、借入などの財務活動による収支を指す「財務キャッシュフロー」の大きく三つにも分けられています。
キャッシュフローの類語
キャッシュフローの類語・類義語としては、事業などで得た儲けを意味する「利益」、商品の売上高からその商品の原価を差し引いた金額を意味する「売上総利益」などがあります。
フリーキャッシュフローの例文
この言葉がよく使われる場面としては、経営上すぐに必要とされない金銭を意味する時などが挙げられます。
例文1や例文2の「ポジティブ」「ネガティブ」という表現は、「プラス」「マイナス」に当たる表現で、フリーキャッシュフローという言葉と共に使われることがある言葉です。
キャッシュフローの例文
この言葉がよく使われる場面としては、資金の流れを意味する時などが挙げられます。
例文5の「キャッシュフロー経営」は、現金の収支を重視して、手元にどれほどの現金を残せるかを目的とした経営手法です。
フリーキャッシュフローとキャッシュフローは、どちらも「企業経営に関わる金銭」を表します。
どちらを使うか迷った場合は、経営上自由に使用できる金銭を表す場合は「フリーキャッシュフロー」を、収入と支出の動きを表す場合は「キャッシュフロー」を使うと覚えておけば間違いありません。