【問題提起】と【問題定義】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「問題提起」(読み方:もんだいていき)と「問題定義」(読み方:もんだいていぎ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「問題提起」と「問題定義」という言葉は、どちらも「問題を提示すること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




問題提起と問題定義の違い

問題提起と問題定義の意味の違い

問題提起と問題定義の違いを分かりやすく言うと、問題提起とは問題を投げかけることを表し、問題定義とは問題を明確に設定することを表すという違いです。

問題提起と問題定義の使い方の違い

一つ目の問題提起を使った分かりやすい例としては、「彼はLGBTQについて問題提起した」「教育委員会の方針に問題提起する」「早期の英語教育について問題提起する」「問題提起から解決までの全てのプロセスを行う」などがあります。

二つ目の問題定義を使った分かりやすい例としては、「議論に入る前にしっかりと問題定義する」「問題定義するのが難しいケースもあります」「最もメジャーな問題定義の手法を紹介します」などがあります。

問題提起と問題定義の使い分け方

問題提起と問題定義という言葉は、音の響きを似ており、どちらも問題や課題を提示することを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

問題提起とは、解決すべき課題を掘り起こして相手に投げかけることを意味し、議論するための最初の切り口になるものを指します。一方の問題定義とは、解決すべき課題を明確に設定することを意味し、問題を共通認識として確認できるものを指します。

上記の例文にある「LGBTQについて問題提起した」とは、「あなたはLGBTQについてどう思うか」などの疑問を投げかけることです。これが「LGBTQについて問題定義する」となると、LGBTQという漠然とした人権問題について議論する範囲を定めることを意味します。

つまり、問題提起は問題を投げかけることであり、問題定義は問題を明確に設定することを意味します。二つの言葉はとても似ていますが、意味は異なるので区別して使い分けるようにしましょう。

問題提起と問題定義の英語表記の違い

問題提起を英語にすると「raising a problem」「raising the issue」「problem presentation」となり、例えば上記の「彼は問題提起した」を英語にすると「He raised a problem」となります。

一方、問題定義を英語にすると「problem definition」「problem description」となり、例えば上記の「問題定義する」を英語にすると「define the problem」となります。

問題提起の意味

問題提起とは

問題提起とは、問題や課題を解決すべき事項として投げ掛けることを意味しています。

問題提起の読み方

問題提起の読み方は「もんだいていき」です。誤って「もんだいていぎ」「もんだいちょうき」などと読まないようにしましょう。

問題提起の使い方

問題提起を使った分かりやすい例としては、「家族のあり方について問題提起する」「小論文の書き出しを問題提起で始める」「レポートに使える問題提起の例文をネットで探す」「問題提起の書き方のコツを教えます」などがあります。

その他にも、「中学生の英語学習に関して問題提起する」「プレゼンでは問題提起を最初に伝えます」「最初のスライドに問題提起を持ってくる」「パワーポイントで問題提起を効果的に演出する」などがあります。

問題提起の「問題」は論争や研究などの対象となる事柄や解決すべき課題であり、「提起」は問題や話題などを持ち出すことを表します。この二つの熟語が組み合わさり、問題提起とは、問題や課題を解決すべき事項として持ち出すこと、疑問を投げかけることを意味します。

問題提起はビジネスシーンや論文で使う

問題提起という言葉は、主にビジネスシーンや論文で用いられています。ビジネスにおける問題提起は、問題や課題を投げかけることを指します。また、論文における問題提起は、これから論じることについての問題や課題を示すことを意味します。

問題提起の類語

問題提起の類語・類義語としては、議員が議案を議院に提出して審議を求めることを意味する「発議」、議案や意見を提出することを意味する「提案」、会議中に予定議案以外の議題を提出することを意味する「動議」、株主が株主総会の議案を提出することを意味する「株主提案」などがあります。

問題定義の意味

問題定義とは

問題定義とは、解決すべき問題や課題を明確に設定することを意味しています。

問題定義の使い方

問題定義を使った分かりやすい例としては、「問題定義のやり方が分かりません」「これでは問題定義が曖昧である」「簡潔な文章で問題定義する」「問題定義が議論のレベルを決定します」「問題定義から実験結果の解析までお任せください」などがあります。

その他にも、「問題定義に当てはめて検証します」「問題定義は問題解決フレームワークの一つです」「新規ビジネスの問題定義をしましょう」「問題定義することができません」「ビジネススクールで問題定義の手法を学びました」などがあります。

問題定義の「定義」は、物事の意味内容を他と区別できるように言葉で明確に限定することです。解決すべき事柄や課題を表す「問題」と組み合わさり、問題定義とは、解決する必要のある課題をを明確に設定することを意味します。

問題定義はビジネスシーンで使う

問題定義という言葉は、主にビジネスシーンで使用されています。問題定義は、組織全体で課題を共有する際に、問題を的確に見出したり、共通認識として確認するために必要なものです。つまり、問題が定義づけされることで、解決すべき問題を示すことができるのです。

問題定義の類語

問題定義の類語・類義語としては、ある物事や条件をつくり定めることを意味する「設定」、物事を一定の形に定めることを意味する「規定」などがあります。

問題提起の例文

1.レポートの書き出しは、問題提起や目的をわかりやすく伝える部分です。
2.効果的な問題提起の書き方を、同じゼミの先輩に教えてもらいました。
3.英語教育の改革は、各指導者が自身の指導方法を再考する良い問題提起になっています。
4.問題提起の仕方を覚えれば、ビジネスのレベルアップが見込まれるでしょう。
5.みなさんに問題提起したいのですが、あなたは生きたお金の使い方ができていますか。
6.部下は、市場環境の変化、顧客ニーズの多様化、競合の台頭など、複数の要因が複合的に影響していることを問題提起した。
7.講演会では、高齢者の孤独・孤立問題の実態と、行政や民間が行っている支援策を紹介し、課題と解決策について問題提起した。
8.教員研修において、生徒の主体的な学びを促進する授業方法について提案し、問題解決型学習を取り入れることの重要性を問題提起した。
9.町内会の集まりで、地域の防災対策に関する問題提起が、住民の協力を促すきっかけとなった。
10.学校のPTA会議で、子供たちの安全な通学路の危険箇所についての問題提起が保護者からなされた。

この言葉がよく使われる場面としては、問いを投げかけること、疑問を投じることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、問題提起という言葉は、ビジネスシーンやアカデミックな場面で用いられることがほとんどです。

問題定義の例文

1.問題定義の仕方や問題解決の手法を学べる本を、いくつか教授に紹介してもらいました。
2.ビジネスの課題を解決する際に一番最初にやることは、問題定義をきちんと行うことです。
3.英語ディベートが成功するか否かは、問題定義が明確になされているかによります。
4.課題解決のためのフレームワークとして、仮説や検証を繰り返しながら問題定義をしてみましょう。
5.問いによって思考が変わるので、問題定義力はとても大切なのです。
6.リーダーは、顧客ニーズを深く理解し、競合との差別化ポイントを明確にすることで、事業の成功可能性を高める問題定義を行いました。
7.会議をする前には、問題定義を共有することで、チームメンバー間の認識のズレを防ぐことができます。
8.問題定義が曖昧だと、解決策も曖昧になりがちですから、しっかりとそこから詰めた話をする必要があります。
9.私は、ふと顧客満足度を高めるためには、顧客の不満点を問題定義として捉え直す必要があるのではないかと考えた。
10.新製品開発において、漠然と開発するのではなくて、市場のニーズに合わせた問題定義をしなくてはならない。

この言葉がよく使われる場面としては、解決すべき問題や課題を設定することを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、問題定義という言葉は、日常会話で使用されることはほとんどなく、ビジネスシーンで用いられています。

問題提起と問題定義という言葉は、どちらも「問題を提示すること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、問題を投げかけることを表現したい時は「問題提起」を、問題を明確に設定することを表現したい時は「問題定義」を使うようにしましょう。

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