【香具師】と【テキ屋】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「香具師」(読み方:やし)と「テキ屋」(読み方:てきや)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「香具師」と「テキ屋」という言葉は、どちらも路上で品物を売る露店商人のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「香具師」と「テキ屋」の違い

「香具師」と「テキ屋」の意味の違い

「香具師」と「テキ屋」の違いを分かりやすく言うと、「香具師」はプラスのイメージで使う、「テキ屋」はマイナスのイメージで使うという違いです。

「香具師」と「テキ屋」の使い方の違い

一つ目の「香具師」を使った分かりやすい例としては、「近所のお祭りには香具師がたくさん出店している」「香具師に限界を感じてきたので引退することにしました」「まだそんなこと言っている香具師がいるのか」などがあります。

二つ目の「テキ屋」を使った分かりやすい例としては、「テキ屋のくじは当たらないので絶対にやらないようにしている」「近所のお祭りのテキ屋はうさんくさいのが多い」「テキ屋のアルバイトを始めました」などがあります。

「香具師」と「テキ屋」の使い分け方

「香具師」と「テキ屋」はどちらも路上で品物を売る露店商人のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「香具師」は盛り場や縁日などに露店を出して商売したり見世物などの興行をしたりする人のことを意味しており、人を騙すようなものではなくきちんとした物を売るので、プラスのイメージで使う言葉になります。

一方、「テキ屋」は当たりの入っていないくじや、不衛生な食べ物など、いかがわしい品物などを売るというマイナスなイメージで使う言葉になります。

「香具師」と「テキ屋」の英語表記の違い

「香具師」も「テキ屋」も日本語特有の表現なので、英語表記はありません。

「香具師」の意味

「香具師」とは

「香具師」とは、盛り場や縁日などに露店を出して商売したり見世物などの興行をしたりする人のことを意味しています。

「香具師」の別表記

「香具師」は別の表記として、「野師」「野士」「弥四」などがあります。

「香具師」の読み方

「香具師」の読み方は「やし」です。誤って「かぐし」などと読まないようにしましょう。

「香具師」の使い方

「香具師」を使った分かりやすい例としては、「来週末知り合いの香具師を手伝うことになりました」「神社で香具師があったので買い物をしました」「今暇している香具師はいますか」「未だにアレを入手してない香具師おるのか」などがあります。

「香具師」はネットスラングとしても使われている

「香具師」は本来の意味で盛り場や縁日などに露店を出して商売したり見世物などの興行をしたりする人のことの他に、「手が空いている香具師おらんか」「何もしてない香具師がたくさんおる」などのように、「奴」という意味でネットスラングとしても使われています。

ではなぜ「香具師」を「奴」という意味で使うようになったかというと、片仮名の「ツ」が「シ」に似ており、キーボードで「やし」と打つと「香具師」に漢字変換されることが由来です。

そのため、ネットで上では「そんな奴はおらん」を「そんな香具師はおらん」のように、「奴」を「香具師」に置き換えて使う人が一定数いました。

ネットスラングとは、インターネット上で使われている俗語のことを意味しています。また、流行語や若者言葉などと同じように、時代ととも意味や使い方にも変化が生じると覚えておきましょう。

「香具師」は商売するだけではなく、場所割りをしたり世話をする人のことも指すのでプラスのイメージで使われている言葉です。

「香具師」の由来

「香具師」の由来は諸説あり、薬の行商を始めた者の名が弥四郎と言い、それが省略され「弥四」となり、これがさらに変化して「香具師」となった説があります。

もう一つは身を窶した武士が飢えをしのぐために薬を売っていたことから、「野士」と呼ばれるようになり、これがさらに変化して「香具師」となった説です。

「テキ屋」の意味

「テキ屋」とは

「テキ屋」とは、盛り場や縁日など人出の多い所に店を出しいかがわしい品物などを売る商人のことを意味しています。

「テキ屋」の漢字表記

「テキ屋」を漢字にすると「的屋」と表記することができます。

「テキ屋」の使い方

「テキ屋」を使った分かりやすい例としては、「テキ屋は怖い人がやってることが多いので近寄りにくい」「テキ屋のお手伝いをしてくれないかと友人に頼まれました」「テキ屋で買い物はしたくないがお祭りを楽しむためには仕方ないだろう」などがあります。

「テキ屋」は盛り場や縁日など人出の多い所に店を出しいかがわしい品物などを売る商人のことを意味する言葉です。

「テキ屋」は偽物や当たりのないくじを売るなど、いかがわしい品物を売る人に対して使う言葉なので、基本的にマイナスのイメージを伴っています。また、暴力団の財源としても使われているため、悪い印象を持っている人が多数いるのが現実です。

「テキ屋」の由来

「テキ屋」の由来は「的」です。「テキ屋」は一発当てたら儲かるので、当たれば儲かることを矢が的に当たるのになぞらえて、「的」を「テキ」と読んで「テキ屋」と言うようになりました。

「テキ屋」の類語

「テキ屋」の類語・類義語としては、祭日や縁日に品物を台にのせ口上を述べて売る大道商人のことを意味する「三寸」があります。

「香具師」の例文

1.神社の香具師で人手が足りないので、アルバイトしないかと誘われました。
2.自治体のお祭りには香具師がかかせないと言われているので、毎年出店しています。
3.私は香具師に誇りを持っているので、いかがわしい物を売るような真似はしません。
4.他人の悪口を言うような香具師なんて、関わらない方がいいだろう。
5.私たちのことを馬鹿にした香具師を絶対に許すことはできません。
6.今では見かけることもなくなったが、子どもの頃祭りに行くとバナナのたたき売りの掛け声など、香具師たちが祭りを盛り上げていた。
7.露店が所狭しと並び、金魚すくい、射的、綿菓子など、様々な誘惑が人々を惹きつける。そんな縁日の風景を彩るのが、香具師たちだ。
8.香具師から購入したおもちゃは、祖母にわがままを言って買ってもらったので、今でも宝物のように大切にしている。
9.毎年恒例の○○神社の例大祭には、大勢の香具師さんが出店しているが、コロナ禍では大幅に減少することとなった。
10.ネット界隈にはデマをデマと分かった後も、何も責任取らない香具師が多いですから、とても不愉快ですね。

この言葉がよく使われる場面としては、盛り場や縁日などに露店を出して商売したり見世物などの興行をしたりする人のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「香具師」は本来の意味以外でネットスラングとしても使われている言葉です。

「テキ屋」の例文

1.テキ屋はいかがわしい商売をしていることもあるが、黙認されているのが現状です。
2.賛否両論あると思うが、日本のお祭りにはテキ屋がかかせないと思います。
3.テキ屋がたくさん並んでいるので何事かと思ったら、近くの川で花火大会があるらしいです。
4.テキ屋は簡単に儲けているように見えるが、利益を出すのは結構難しいです。
5.お祭りのテキ屋の人手が足りないので、手伝ってくれないかとお願いされました。
6.大型連休中は地域のお祭りが各地で開催されるが、そこにはテキ屋がたくさん出店している光景が見られる。
7.多くの観光客で賑わう駅前広場には、様々なテキ屋が出店しており、にぎやかな景色を演出している。
8.テキ屋の店主が威圧的な態度で商品を売りつけようとするのを目撃したので、あまり近寄らないようにしている。
9.地域のお祭りには、様々なテキ屋が出店しており、賑わいを演出している一方で、偽物の商品も出回っている。
10.どうせテキ屋がインチキ商売をしているだけだから、当たりくじそのものが入ってないってことだよね。

この言葉がよく使われる場面としては、盛り場や縁日など人出の多い所に店を出しいかがわしい品物などを売る商人のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「テキ屋」はマイナスなイメージで使われている言葉です。

「香具師」と「テキ屋」はどちらも路上で品物を売る露店商人ことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、プラスのイメージで使うのが「香具師」、マイナスのイメージで使うのが「テキ屋」と覚えておきましょう。

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