【泥試合】と【泥仕合】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「どろじあい」という読み方の「泥試合」と「泥仕合」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「泥試合」と「泥仕合」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「泥試合」と「泥仕合」の違い

「泥試合」は「泥仕合」の間違い

「泥試合」と「泥仕合」の違いを分かりやすく言うと、「泥試合」とは「泥仕合」の間違った使い方、「泥仕合」とは互いに相手の弱点や秘密などを暴き立てて醜く争うことです。

「泥試合」は誤字

一般的には「泥試合」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「泥仕合」のことを間違えて「泥試合」を使っている人がほとんどです。

「泥仕合」は正しい日本語

正しい言葉である「泥仕合」を使った分かりやすい例としては、「せっかく会場へ観に行ったのに泥仕合になって残念です」「浮気現場を彼氏に見られて泥仕合になりました」「遺産相続の泥仕合にはうんざりです」「だんだん泥仕合になってきました」などがあります。

「泥仕合」という言葉はあっても、「泥試合」という言葉は存在しません。同時に「泥仕合」という単語の意味について「互いに相手の弱点や秘密などを暴き立てて醜く争うこと」と覚えておきましょう。

「泥仕合」の英語表記

「泥仕合」を英語にすると「mudslinging」「nasty」となり、例えば上記の「だんだん泥仕合になってきました」を英語にすると「The competition gradually got nasty」となります。

「泥試合」の意味

「泥試合」とは

「泥試合」とは、「泥仕合」の間違った使われ方です。

「泥試合」が間違っている理由

「泥試合」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が同じなため、「泥仕合」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「泥試合」と「泥仕合」を間違ってしまう理由としては、「泥仕合」という言葉はスポーツシーンにおいてよく使用されているので、勝敗を競う「試合」が正しい言葉だと勘違いして覚えてしまっているのが原因です。

また、「試合」と「仕合」の発音が同じかつ、漢字の表記が似ているのも勘違いする要因の一つと言われています。

ではなぜ「泥試合」が間違った言葉かというと、元々「泥仕合」は舞台上に泥田を作ってその中で立ち回りを演じることを意味する歌舞伎用語でした。演目の中で役者が泥まみれになりながら激しく争うのです。

この歌舞伎用語が元となったので、「泥試合」ではなく、「泥仕合」が正しい日本語になると覚えておきましょう。

間違った言葉である「泥試合」の「試合」を使った分かりやすい例としては、「他校と練習試合を行うことになりました」「明日試合があるので今日は早く寝る予定です」「この試合は歴代最高視聴率を獲得しました」などがあります。

「泥仕合」の意味

「泥仕合」とは

「泥仕合」とは、互いに相手の弱点や秘密などを暴き立てて醜く争うことを意味しています。

「泥仕合」の使い方

「泥仕合」を使った分かりやすい例としては、「国会での泥仕合を観て国民は呆れています」「SNSにおける議論はだいたい泥仕合になると思っています」「浮気がパートナーにばれれば泥仕合になるのは間違いないです」などがあります。

「泥仕合」は互いに相手の弱点や秘密などを暴き立てて醜く争うことの意味で使われている言葉です。

「泥仕合」の語源

「泥仕合」は元々歌舞伎用語でした。歌舞伎界では演目を盛り上げるために様々な仕掛けを作っており、その仕掛けの中の一つが「泥仕合」です。舞台上に泥田を作り、その中で立ち回りを演じることで役者は泥だらけになって争います。

この泥だらけになりながら激しく争うことが醜くくもあるので、これが転じて、互いに相手の弱点や秘密などを暴き立てて醜く争うことを「泥仕合」と言うようになりました。

「泥仕合」の特徴

「泥仕合」は痴話喧嘩などの日常生活、遺産相続争い、スポーツの試合など、醜い争いであれば様々な場面において使うことができるというのが特徴です。

「泥仕合」の類語

「泥仕合」の類語・類義語としては、小さな揉め事のことを意味する「小競り合い」、互いに悪口を言うことを意味する「罵り合う」、血みどろの激しい戦いや争いの行われる場所のことを意味する「修羅場」などがあります。

「泥試合」の例文

1.「泥試合」という言葉は存在しないので、おそらく「泥仕合」の言い間違いだろう。
2.「泥仕合」という言葉は互いに相手の弱点や秘密などを暴き立てて醜く争うことで、「泥試合」という言葉はない。
3.「泥試合」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.今回の選挙は泥試合の末、野党が逆転勝利しましたという言葉を使う人はいるが、正しくは今回の選挙は泥仕合の末、野党が逆転勝利しましたです。
5.ファールばかりの泥仕合は観ていてもつまらないですという言葉はあるが、ファールばかりの泥試合は観ていてもつまらないですという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「泥仕合」という言葉を間違えて「泥試合」と表現している時などが挙げられます。

「泥試合」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「泥仕合」を間違えて使っている可能性が高いです。

「泥試合」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「泥試合」ではなく、「泥仕合」と表現するのが正しい使い方になります。

「泥仕合」の例文

1.せっかく野球試合を観に行ったのに、乱闘騒ぎが起こる泥仕合だったので、チケット代を返してほしいです。
2.大富豪のおじいちゃんの遺産を巡って親同士が泥仕合をしているので、孫たちは呆れた顔をしています。
3.周囲を巻き込み泥仕合となった不倫騒動が、ついに決着を迎えました。
4.スポーツマンシップのかけらもない泥仕合を見せられて、とてもうんざりしています。
5.SNSでインフルエンサーが泥仕合をしているが、これも一種のエンタメとも言える。

この言葉がよく使われる場面としては、互いに相手の弱点や秘密などを暴き立てて醜く争うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の礼文にあるように、「泥仕合」はスポーツシーンにおいてよく使われている言葉です。

「泥試合」と「泥仕合」どちらを使うか迷った場合は、「泥試合」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「泥仕合」を使うようにしましょう。

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