【具申】と【上申】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「具申」(読み方:ぐしん)と「上申」(読み方:じょうしん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「具申」と「上申」という言葉は、どちらも「意見を申し述べること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




具申と上申の違い

具申と上申の意味の違い

具申と上申の違いを分かりやすく言うと、具申と上申は意味や使い方の違いはなく、どちらを使っても同じです。

具申と上申の使い方の違い

一つ目の具申を使った分かりやすい例としては、「意見具申書を文化庁に提出する方針です」「何度も上司に意見を具申する」「関係書類を添え具申します」「英語指導助手の報酬について教育委員会に具申します」などがあります。

二つ目の上申を使った分かりやすい例としては、「律案案を立案し内閣に上申する」「被害状況を知事に上申しました」な「上申をする場合は所定の書類に記入してください」「社内の総意として経営陣に上申書を提出する」どがあります。

具申と上申の使い分け方

具申と上申という言葉は、どちらも目上の人や上位の機関に対して意見を申し述べることを表します。具申という言葉には詳しく述べるというニュアンスがあるものの、どちらも意見や事情などを申し上げる場合に区別なく使用されています。

二つの言葉は同義語であるため、自分から見て立場が上の人に対して意見を述べる場面で、どちらを使っても問題ありません。ただし、官公庁や警察などに対して意見を申し述べる文書は「上申書」と言うことが一般的です。

具申と上申の英語表記の違い

具申も上申も英語にすると「submission」「report」となり、例えば上記の「具申書」を英語にすると「a full report」となります。

具申の意味

具申とは

具申とは、詳しく申し述べること、特に、上役や上位の機関に対して意見や事情を詳しく述べることを意味しています。

具申の読み方

具申の読み方は「ぐしん」です。誤って「くしん」「ぐもう」などと読まないようにしましょう。

具申の使い方

具申を使った分かりやすい例としては、「提言をまとめ理事長に具申しました」「委員会が市長に意見を具申する」「調査書を添えて具申することにした」「具申書の書き方がわかりません」「国会や行政庁などに具申をしています」などがあります。

その他にも、「部下が自発的に意見具申をする」「具申すべき意見を取りまとめる」「意見具申の締切が迫っています」「及ばずながら意見具申させて頂きます」「下記のとおり意見を具申します」などがあります。

具申の「具」は訓読みで「つぶさに」と読み、詳しく申し立てることを表す漢字です。申し述べることを表す「申」と組み合わさり、具申とは、意見や事情などを詳しく申し出ることを意味します。多くは、上役や上位機関に対して、自分の意見などを詳しく申し述べる時に使用される言葉です。

「意見具申」の意味

具申を用いた日本語には「意見具申」があります。意見具申とは、主にビジネスの場で使用され、目上の人や公的な機関などに対して自分の意見を申し述べることを意味します。意見具申は口頭で行われることも、書面で提出されることもあり、この書面を「具申書」「意見具申書」と言います。

具申の類語

具申の類語・類義語としては、上位の者に対して計画どを申し述べることを意味する「献策」、主君や目上の人に意見を申し上げることを意味する「献言」、上司の問いに対して意見を申し述べることを意味する「答申」などがあります。

上申の意味

上申とは

上申とは、意見を上の者に申し述べること、具申を意味しています。

上申の読み方

上申の読み方は「じょうしん」です。同じ読み方をする熟語に「上進」や「上唇」がありますが、意味が異なるため書き間違いに注意しましょう。

上申の使い方

上申を使った分かりやすい例としては、「構造改革案を取締役に上申する」「上申書を家庭裁判所に提出します」「上申書の書き方を教えてください」「上申書のテンプレートをダウンロードする」などがあります。

その他にも、「医療審議会へ上申することが決まりました」「上申書に法的な効力はありますか」「警察署長への上申書を書いてください」「あなたは上申書殺人事件の真相をご存知でしょうか」などがあります。

上申の「上」は地位や身分が高い人を表し、「申」は 意見などを申し述べることを表す漢字です。上申とは、意見や情況などを上官や上役などに申し上げることを意味します。相手に対する敬意を表すことができる言葉であり、逆に部下などの目下の者に使うことは不適切です。

「上申書」

上申を用いた日本語には「上申書」があります。上申書とは、意見を申し述べる文書を意味します。特に、官公庁や警察などに対して、法的な所定の手続きを経ずに申し立てや報告などを行うための書類や報告書を指します。

「上申がおりる」は誤用

上申を用いた誤った使い方には「上申がおりる」があります。正しくは「承認がおりる」であり、承知して認めることを意味します。

上申の類語

上申の類語・類義語としては、意見を申し立てることを意味する「建議」、目上の者に対して意見を申し述べることを意味する「進言」、政府や上役などに自分の意見を申し立てることを意味する「建白」などがあります。

具申の例文

1.標記の件について、介護支援専門員としての意見を具申いたします。
2.プライドの高い上司は、部下の意見具申や改善提案を頭ごなしに批判してしまいます。
3.検討委員会はこれまでの検討内容を取りまとめ、市長に具申書を提出しました。
4.防衛大臣補佐官は、防衛省所轄の重要事項について防衛大臣に進言や意見具申することが仕事です。
5.新しいビジネスモデルについて、会計の観点から意見の具申や解決策の提案を行いました。

この言葉がよく使われる場面としては、詳しく申し述べること、上役に対して仕事に関する自分の意見や事情を詳しく申し述べることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、具申という言葉は主にビジネスシーンで使用されています。

上申の例文

1.診療所への病床設置について、医療審議会へ上申することが承認されました。
2.上申書は、公的機関に提出する上申書とビジネスで会社に提出する上申書の二種類があります。
3.ビジネスにおける上申書の使い方を、職場の先輩社員から教わりました。
4.警察官が被疑者に上申書を書くように指示することは、違法行為ではありませんか。
5.会社が厳しい状況にあるなかで処遇改善を上申するとは、良識を欠く行為だと思いませんか。

この言葉がよく使われる場面としては、上役や支配者などに意見や事情を申しあげることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、具申という言葉は主にビジネスシーンで用いられています。

具申と上申という言葉は、どちらも「意見を申し述べること」を意味する同義語です。意味や使い方に違いはないので、どちらの言葉を使うか迷った場合は好みや語呂の良さにより選べば良いでしょう。

ただし、裁判所や警察などに対して、法的な所定の手続きによらずに意見を申し述べる文書は「上申書」と表現することに注意してください。

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