【痛感】と【実感】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「痛感」(読み方:つうかん)と「実感」(読み方:じっかん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「痛感」と「実感」という言葉は、どちらも「心に感じること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




痛感と実感の違い

「痛感」と「実感」の意味の違い

痛感と実感の違いを分かりやすく言うと、痛感とは身にしみて強く感じることを表し、実感とは物事に接して感じることを表すという違いです。

「痛感」と「実感」の使い方の違い

一つ目の痛感を使った分かりやすい例としては、「良質な睡眠の必要性を痛感しています」「厳しい現実を痛感している」「日常のありがたみを痛感しています」「自分の知識不足を痛感させられることが多い」などがあります。

二つ目の実感を使った分かりやすい例としては、「英語教育の重要性を実感しています」「議会を体感して広聴の大切さを実感した」「成人しても大人になった実感がない」「景気がよくなっている実感はありません」などがあります。

「痛感」と「実感」の使い分け方

痛感と実感という言葉は、どちらも何かの物事がきっかけとなり心に感じることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

痛感とは、心に強く感じることを意味し、身にしみて強くそう感じることを表す言葉です。「知識不足を痛感」のような使い方で、反省したり後悔したりするようなニュアンスを伴います。「ありがたみを痛感」とは、それまで感謝の念がなかったことを反省しているさまを表現する言い回しです。

実感とは、実際の出来事や物事などに接して感じることを意味します。実際に何かを体験したり、事物を目の当たりにした時に感じることを表現する言葉です。また、「実感がこもっている」のような使い方で、実際に接しているように感じることも意味します。

つまり、痛感とは身にしみて強くそう感じることであり、実感とは実際の物事に接して心に感じることを意味する言葉です。また、痛感という言葉には、後悔や反省の意味合いが含まれることも、二つの言葉の違いになります。

「痛感」と「実感」の英語表記の違い

痛感を英語にすると「acute realization」「feeling keenly」となり、例えば上記の「必要性を痛感する」を英語にすると「feel keenly the need」となります。

一方、実感を英語にすると「realization」「actual feeling」「solid sense」となり、例えば上記の「重要性を実感する」を英語にすると「realize the importance」となります。

痛感の意味

「痛感」とは

痛感とは、強く心に感じること、身にしみて感じることを意味しています。

「痛感」の読み方

痛感の読み方は「つうかん」です。同じ読み方をする熟語に「通関」や「通貫」などがありますが、意味が異なるので書き間違いに注意しましょう。

「痛感」の使い方

痛感を使った分かりやすい例としては、「避難生活で備蓄の大切さを痛感した」「改めて責任を痛感しております」「時間の使い方が下手だと痛感する日々です」「世界との痛感させられる試合でした」などがあります。

その他にも、「自分の教養のなさを痛感した」「このままではマズイと痛感する」「在宅介護の大変さを痛感している」「ビジネスモデルの確立が重要だと痛感しました」「外国人に話しかけられて英語力のなさを痛感する」などがあります。

痛感の「痛」は訓読みで「いたむ」と読み、心がいたむことや程度が激しいことを表す漢字です。物事に触れて心が動くことを表す「感」と結び付き、痛感とは、身にしみて強くそう感じることを意味します。

「痛感」はマイナスなイメージ使われている

痛感という言葉は、ある出来事や事柄をきっかけにして、強く心に感じるようになる場合に使うことが多くあります。また、反省や後悔などの痛みを含むニュアンスがあり、いい意味で使用されることはあまりありません。

「痛感」の対義語

痛感の対義語・反対語としては、感じ方が弱いことを意味する「無神経」などがあります。

「痛感」の類語

痛感の類語・類義語としては、身にしみて強く感じることを意味する「痛切」、心に強く感じるさまを意味する「切実」、容易ならない事態と受けとめて深く思いわずらうことを意味する「深刻」、物事の真の意味を知ることやはっきりと理解することを意味する「悟る」などがあります。

実感の意味

「実感」とは

実感とは、実際に事物や情景に接したときに得られる感じを意味しています。

その他にも、「実際に実物に接したように、生き生きと感じること」の意味も持っています。

「実感」の使い方

「社会人になった実感が湧く」「時間経過を色で実感できるタイマーです」「生きている実感が湧かない」「漢字を習得できていると実感がわく」「運が上向いてきたと実感する」などの文中で使われている実感は、「実際に接したときに得られる感じ」の意味で使われています。

一方、「景気回復の実感に乏しい」「コメントには実感がこもっている」「大切なのは実感を伴った理解です」などの文中で使われている実感は、「実際に実物に接したように感じること」の意味で使われています。

実感とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため文脈により意味を捉える必要があります。実感の「実」は嘘ではない本当の事柄を表し、「感」はある感じが生じることを表す漢字です。

「実感が湧く」の意味

実感を用いた言い回しには「実感が湧く」があります。「実感が湧く」とは、実際に物事に接したり直面したりすることで現実的な感覚を味わうことを意味します。「実感が湧く」の漢字を誤って「沸く」と書かないように注意しましょう。

「実感」の対義語

実感の対義語・反対語としては、感じ方がにぶいことを意味する「鈍感」などがあります。

「実感」の類語

実感の類語・類義語としては、印象などを感じて心に受けとめることを意味する「感受」、感じとることや気づくことを意味する「感知」、物事の奥深い道理を悟り知ることを意味する「感得」、そこからある感じを受けとることを意味する「感じ取る」などがあります。

痛感の例文と使い方

1.現在インドとマレーシアでビジネスを進めていますが、異なる文化で仕事をする難しさを痛感しています。
2.これまでの家計簿を振り返って、賢いお金の使い方ができていないと痛感しました。
3.あなたもこの本を読むと、ポジティブ思考の大切さを痛感するはずです。
4.一人暮らしを始めてから、親のありがたみを痛感するようになりました。
5.英語は得意なほうでしたが、海外で生活してみて英語力のなさを痛感しました。

この言葉がよく使われる場面としては、強く心に感ずること、身にしみて感ずることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、痛感という言葉は、日常生活からビジネスシーンまで様々な場面で使用されています。

実感の例文と使い方

1.運動会で親子競技に出場して転んでしまった時に、自分の体の衰えを実感した。
2.毎日コツコツ英語の勉強をしているのに、上達している実感が湧きません。
3.受験生になった娘は時間の使い方を工夫するようになり、子どもの成長を実感しています。
4.ビジネスマンが自分の成長を実感するタイミングは、初めて責任ある仕事を任せられた時だろう。
5.キャリアガイダンスで、生徒たちは卒業生の実感のこもった話に真剣な様子で耳を傾けていました。

この言葉がよく使われる場面としては、現実の物事から得る感じ、実際に接しているように感じることを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文4にある実感は、現実の物事から得る感じの意味で用いられています。例文5の実感は、実際に接しているように感じることの意味で使用されています。

痛感と実感という言葉は、どちらも「心に感じること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、身にしみて強く感じることを表現したい時は「痛感」を、実際に物事に接して感じることを表現したい時は「実感」を使うようにしましょう。

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