【直接費】と【間接費】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「直接費」(読み方:ちょくせつひ)と「間接費」(読み方:かんせつひ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「直接費」と「間接費」という言葉は、どちらも「原価計算の用語」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




直接費と間接費の違い

直接費と間接費の意味の違い

直接費と間接費の違いを分かりやすく言うと、直接費とは製品やサービスに直接関係する費用を意味し、間接費とは製品やサービスに直接関係しない費用を意味するという違いです。

直接費と間接費の使い方の違い

一つ目の直接費を使った分かりやすい例としては、「製品別に製造直接費を計算する」「製品の材料費は直接費にあたるだろう」「直接費と間接費の考え方をご存知でしょうか」「直接費の固定費としては具体的にどのようなものがありますか」などがあります。

二つ目の間接費を使った分かりやすい例としては、「間接費を削減する方法を模索しています」「複数の部門で共通の間接費があった場合に配賦を行います」「工事の間接費とは具体的にどのような費用ですか」などがあります。

直接費と間接費の使い分け方

直接費と間接費という言葉は、どちらも原価計算の用語であり、ビジネスシーンで使用されていますが、意味や使い方には違いがあります。

直接費とは、製品やサービスを提供するにあたり直接的に発生するコストのことです。その製品やサービスを生み出すための直接材料費や、製造や販売に関与した人に支払われる直接労務費などが、直接費と呼ばれるものです。直接費は製品や事業と直接結びついているため、明確に把握できるものです。

間接費とは、製品やサービスを提供するにあたり間接的に発生するコストのことです。製品を製造する際に間接的に必要となる材料の費用や、減価償却費や修繕費などが該当します。間接経費は製品や事業と直接に結びついていないため、明確に把握することが難しいものです。

つまり、直接費とは製品やサービスに直接関係する費用であり、間接費とは製品やサービスに直接関係しない費用のことです。二つの言葉は、事業内容と費用の関係において相反する意味を持つ言葉だと言えるでしょう。

直接費と間接費の英語表記の違い

直接費を英語にすると「direct cost」「primary cost」となり、例えば上記の「製造直接費」を英語にすると「manufacturing direct cost」となります。

一方、間接費を英語にすると「indirect cost」「overhead cost」となり、例えば上記の「間接費を削減する」を英語にすると「reduce overhead cost」となります。

直接費の意味

直接費とは

直接費とは、原価計算の用語で、特定の製品の製造または販売のために直接的に費消されたものとして関係づけることのできる原価を意味しています。

直接費の使い方

直接費を使った分かりやすい例としては、「工事原価を工事直接費と工事間接費に分類する」「直接費なのか間接費なのか定義が曖昧なコストがあります」「建築の工期に関連する直接費と間接費についてご説明いたします」などがあります。

その他にも、「販管費は直接費と間接費のどちらですか」「わが社の直接費と間接費の比率は8対2です」「直接費が全て変動費になるわけではありません」「仕事の内容によって人件費は直接費と間接費に振り分けられます」などがあります。

直接費とは、原価計算上の用語の一つです。特定の製品の生産または販売に関して、その発生が製品や事業などに直接結び付けられる費用を意味します。通常、直接費は、直接材料費、直接労務費、直接経費などに分類されます。

「販売直接費」の意味

直接費を用いた日本語には「販売直接費」があります。販売直接費とは、製品やサービスなどを販売する際に直接かかった費用のことです。 例えは製造を担当するスタッフに支払う人件費は、販売直接費に含まれます。

直接費の対義語

直接費の対義語・反対語としては、製品原価に直接関わっていない費用を意味する「間接費」などがあります。

直接費の類語

直接費の類語・類義語としては、製品原価の計算を直接原価で行う部分原価計算を意味する「直接原価計算」、製造原価のうち物品の消費によって生じる原価を意味する「材料費」、製造原価のうち労働力を消費することによって発生する原価を意味する「労務費」などがあります。

間接費の意味

間接費とは

間接費とは、多種の製品製造や販売過程で共通に発生し、特定の製品に直接関係づけることのできない原価を意味しています。

間接費の使い方

間接費を使った分かりやすい例としては、「販売原価は直接費と間接費の2つで構成されています」「どうしても間接費と一般管理費の違いがわかりません」「小さな英語塾なので広告費や間接費はほとんどありません」などがあります。

その他にも、「間接費を配賦基準に従って按分する」「間接費の割合は年々増加しています」「ようやく間接費と販管費の違いを理解しました」「間接工事費の計算に用いる比率は工事の規模により異なります」などがあります。

間接費とは、原価計算の用語で、製造や販売などに直接かかる費用ではなく、製品やサービスの製造または提供に付随して発生する費用を意味します。間接費は特定の製品には依存せず、複数の製品にまたがる間接作業に要するコストです。

「製造間接費」の意味

間接費と用いた日本語には「製造間接費」があります。製造間接費とは、一定単位の製品についてその発生が直接的に認識されない原価を意味します。製造間接費は、間接材料費、間接労務費、間接経費に分類することができます。

間接費の対義語

間接費の対義語・反対語としては、製品原価に直接関わっている費用を意味する「直接費」などがあります。

間接費の類語

間接費の類語・類義語としては、製造原価を構成する科目のことを意味する「原価要素」、標準減価によって製品原価を計算する原価手法の一つを意味する「標準原価計算」、事業や製造と直接には関連づけられない経費を意味する「間接経費」、生産費や原価を意味する「コスト」などがあります。

直接費の例文と使い方

1.直接費は、間接費と比べてコストの種類が少ないことが特徴です。
2.原価計算をする際は、直接費と間接費だけでなく変動費と固定費という考え方が重要です。
3.コスト削減施策のうち、直接費についてはすぐに削減することは難しいものです。
4.販売を担当する従業員の人件費は、直接費と間接費のどちらに入れるべきだろう。
5.直接費の発生は、基本的に生産のタイミングと一致するため把握しやすいです。

この言葉がよく使われる場面としては、ある製品をつくるためにかかった原価のうち直接つかめるものを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、直接費という言葉は、おもにビジネスシーンで用いられています。

間接費の例文と使い方

1.工事にかかる間接費は、直接工事費の総価に間接費率をかけて計上してください。
2.10年前は原価の中で直接費が占める比率が大きく、間接費はそれほど大きくはありませんでした。
3.直接費と間接費に分ける理由が気になったので、会計士に尋ねてみました。
4.クライアントのために、製造直接費と製造間接費の計算方法をわかりやすくまとめた資料を作成する予定です。
5.会社を運営するにあたり、直接費と間接費の割合はどれぐらいが適正なのだろうか。

この言葉がよく使われる場面としては、どれだけかかったかの区分が難しい原価を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、間接費という言葉は、ビジネスシーンで使用されることがほとんどです。

直接費と間接費という言葉は、どちらも「原価計算の用語」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、製品やサービスに直接関係するコストを表現したい時は「直接費」を、製品やサービスに付随的に関係するコストを表現したい時は「間接費」を使うようにしましょう。

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