【励ます】と【慰める】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「励ます」(読み方:はげます)と「慰める」(読み方:なぐさめる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「励ます」と「慰める」という言葉は、どちらも落ち込んでいる人に声をかけることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「励ます」と「慰める」の違い

「励ます」と「慰める」の意味の違い

「励ます」と「慰める」の違いを分かりやすく言うと、「励ます」は元気づける場合に使う、「慰める」は悲しみや苦しみを共有して寄り添う場合に使うという違いです。

「励ます」と「慰める」の使い方の違い

一つ目の「励ます」を使った分かりやすい例としては、「彼はチームを励ます1点を決めました」「がっかりしている友達を励ます」「病人を励ますためにプレゼントを用意しました」「選手を励ますためにエールを送る」「研究を続けるよう彼女を励ます」などがあります。

二つ目の「慰める」を使った分かりやすい例としては、「失意の友人を慰める」「男はお酒で我が身の不幸を慰める」「美しい絵画を見ていると心が慰められる」「試験に落ちた友達を慰めるためにピクニックを計画しました」「音楽を聴いて心を慰める」などがあります。

「励ます」と「慰める」の使い分け方

「励ます」と「慰める」はどちらも落ち込んでいる人に声をかけることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「励ます」は気持ちが奮い立つようにしてやることを意味しており、相手を元気づける場合に使います。

一方、「慰める」は何かをして一時の悲しみや苦しみをまぎらせることを意味しており、悲しみや苦しみを共有して寄り添う場合に使うというのが違いです。

「励ます」と「慰める」の英語表記の違い

「励ます」を英語にすると「encourage」「cheer up」となり、例えば上記の「研究を続けるよう彼女を励ます」を英語にすると「I encourage her to continue his research」となります。

一方、「慰める」を英語にすると「comfort」「console」「solace」となり、例えば上記の「音楽を聴いて心を慰める」を英語にすると「I find solace in listening to music」となります。

「励ます」の意味

「励ます」とは

「励ます」とは、気持ちが奮い立つようにしてやることを意味しています。その他にも、声などを激しくすることの意味も持っています。

「励ます」の使い方

「病床の友人を励ます」「負けているチームを励ます」「どの文中で使われている「励ます」は、「気持ちが奮い立つようにしてやること」の意味で使われています。

一方、「言葉を励まして説得す」「彼女は声を励ますように言いました」などの文中で使われている「励ます」は、「声などを激しくすること」の意味で使われています。

「励ます」は気持ちが奮い立つようにしてやることと、声などを激しくすることの二つの意味を持つ動詞です。

「励ます」は一般的には気持ちが奮い立つようにしてやることの意味で使います。また、声などを激しくすることの意味は「励まして」の言い回しで使われていることが多いです。

「励ます」は現在沈んでいる力を奮いたたせる場合に使うので、基本的にプラスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。

「励ます」の特徴

「励ます」は他人に使うだけではなく、自分自身に対しても使うことができるというのが特徴です。

「励ます」の類語

「励ます」の類語・類義語としては、元気が出るように励ますことを意味する「力付ける」、元気が出るようにすることを意味する「引き立てる」、励まして奮い立たせることを意味する「激励する」などがあります。

「慰める」の意味

「慰める」とは

「慰める」とは、何かをして一時の悲しみや苦しみをまぎらせることを意味しています。

「慰める」の使い方

「慰める」を使った分かりやすい例としては、「入院中の友人を慰める」「名曲で心を慰める」「彼は慰めるように愛犬を撫でました」「彼女らを慰めるのに何の力にもなれませんでした」「私を慰める必要なんてありませんよ」などがあります。

「慰める」は何かをして一時の悲しみや苦しみをまぎらせることを意味する動詞です。

「慰める」は悲しみや苦しみを共有して寄り添う場合に使います。「慰める」の主な方法は、優しい言葉をかけること、相手の話を聞くこと、相手が喜ぶようなものを渡すことなどが挙げられます。

「慰める」の特徴

「慰める」は基本的に心の悩みなどの精神的なものに対して使うのが一般的です。肉体的なものに対しては、労をねぎらうことを意味する「労る」の方を使うと覚えておきましょう。

「慰める」の類語

「慰める」の類語・類義語としては、心を慰めて労をねぎらうことを意味する「慰安する」、不幸な境遇の人や災害や病気で苦しんでいる人などを見舞うことを意味する「慰問する」、病人や災難にあった人などを訪れて慰めたり書面などで安否をたずねたりすることを意味する「見舞い」などがあります。

「励ます」の例文

1.試験に落ちた仲間を励ますために、焼肉屋さんへ行くことにしました。
2.落ち込んでいるチームメイトを励ますのも、キャプテンの務めだろう。
3.入院しているクラスメイトを励ますために、みんなで手紙を送りました。
4.失恋した彼を励ますために、みんなでカラオケに行くことにしました。
5.プレーしている選手に声を励まして声援を送りました。

この言葉がよく使われる場面としては、気持ちが奮い立つようにしてやることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、声などを激しくすることを表現したい時にも使います。

例文1から例文4の「励ます」は気持ちが奮い立つようにしてやること、例文5の「励ます」は声などを激しくすることの意味で使っています。

「慰める」の例文

1.言葉は人を傷つけることも慰めることもできるので、自分の発言には責任を持った方がいいだろう。
2.自分のことでいっぱいいっぱいで、誰かを慰める余裕はありませんでした。
3.試験に落ちた彼女を慰めるのに、ほとんど何もできませんでした。
4.亡くなった彼女の霊を慰めるためには、この事件の真相を明らかにする以外はありません。
5.彼になんと言って慰めるかさんざん考えているが、良い言葉が中々思いつきません。

この言葉がよく使われる場面としては、何かをして一時の悲しみや苦しみをまぎらせることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「慰める」は心をなごやかに静まらせる場合に使う言葉です。

「励ます」と「慰める」はどちらも落ち込んでいる人に声をかけることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、元気づける場合に使うのが「励ます」、悲しみや苦しみを共有して寄り添う場合に使うのが「慰める」と覚えておきましょう。

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