【慰謝料】と【手切れ金】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「慰謝料」(読み方:いしゃりょう)と「手切れ金」(読み方:てぎれきん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「慰謝料」と「手切れ金」という言葉は、どちらも金銭に関することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「慰謝料」と「手切れ金」の違い

「慰謝料」と「手切れ金」の意味の違い

「慰謝料」と「手切れ金」の違いを分かりやすく言うと、「慰謝料」は法的効力がある、「手切れ金」は法的効力がないという違いです。

「慰謝料」と「手切れ金」の使い方の違い

一つ目の「慰謝料」を使った分かりやすい例としては、「交通事故の被害者は加害者に慰謝料を求めた」「名誉毀損で裁判を起こし慰謝料が認められた」「長年の裏切りに対して彼女は慰謝料を受け取った」「彼女は不倫の相手に慰謝料を請求した」などがあります。

二つ目の「手切れ金」を使った分かりやすい例としては、「交際を解消する条件として手切れ金を渡した」「芸能人は週刊誌に記事を出させないため手切れ金を払った」「不倫相手に手切れ金を渡し円満に別れた」「彼は手切れ金を払って交際を清算した」などがあります。

「慰謝料」と「手切れ金」の使い分け方

「慰謝料」と「手切れ金」はどちらも金銭に関することを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「慰謝料」は、不法行為や契約違反などによって生じた精神的苦痛や身体的損害に対する賠償金を指す言葉です。裁判で認められて請求や支払われることが多く、損害賠償という法的な性質を持ちます。

例えば、交通事故や医療過誤、配偶者の不貞によって受けた精神的苦痛に対し被害者が請求する金が慰謝料です。

一方「手切れ金」は、関係を清算するために当事者同士の合意で支払われる一時金で、必ずしも法的根拠のある損害賠償とは限りません。男女関係で「別れる代わりに渡す金」というイメージがわかりやすいですが、スキャンダル鎮静や当事者間の口約束をまとめるために払われるケースもあります。

つまり、法的効力があるのが「慰謝料」、法的効力がないのが「手切れ金」と覚えておきましょう。

「慰謝料」と「手切れ金」の英語表記の違い

「慰謝料」を英語にすると「compensation for emotional distress」「damages」となり、例えば上記の「彼女は不倫の相手に慰謝料を請求した」を英語にすると「She sought compensation for emotional distress from her spouse’s affair partner」となります。

一方、「手切れ金」を英語にすると「payoff」「hush money」「money to cut ties」となり、例えば上記の「彼は手切れ金を払って交際を清算した」を英語にすると「He paid a payoff to end the relationship」となります。

「慰謝料」の意味

「慰謝料」とは

「慰謝料」とは、相手方の不法行為によって被った精神的苦痛を慰謝するための損害賠償のことを意味しています。

表現方法は「慰謝料を請求する」「慰謝料をもらう」

「慰謝料を請求する」「慰謝料をもらう」などが、「慰謝料」を使った一般的な言い回しになります。

「慰謝料」の使い方

「慰謝料」を使った分かりやすい例としては、「彼女は離婚に際して慰謝料を請求した」「医療過誤により慰謝料が支払われることになった」「婚約破棄で相手に慰謝料を支払わされた」「彼は不貞行為の結果として高額の慰謝料を負担した」などがあります。

「慰謝料」は精神的な苦痛や心の傷に対して支払われるお金のことを表す言葉です。簡単に言うならば、人に加えられた行為によって受けた心の損害を金銭で補償するための仕組みを指します。

例えば、配偶者の不貞行為によって離婚に至った場合や、交通事故で大きな精神的苦痛を受けた場合、また名誉を傷つけられた場合などです。

「慰謝料」の特徴

「慰謝料」を請求するには自分が受けた精神的苦痛を示す必要があります。通常は法律に基づいて請求され、裁判で金額が算定されることが一般的です。ケースによっては数十万円から数百万円を超える高額となることもあります。

「慰謝料」の類語

「慰謝料」の類語・類義語としては、不法行為又は債務不履行で他人に損害を与えてしまった場合にそれにより生じた損害を補償するために支払うお金のことを意味する「損害賠償金」があります。

「手切れ金」の意味

「手切れ金」とは

「手切れ金」とは、人間関係の縁切りや清算のときに任意で支払う金銭のことを意味しています。

「手切れ金」の使い方

「手切れ金」を使った分かりやすい例としては、「彼は関係を終わらせるために手切れ金を渡した」「スキャンダルを避けるため手切れ金が支払われた」「愛人に手切れ金を渡して縁を切った」「彼女は手切れ金を受け取り静かに別れた」などがあります。

「手切れ金」は人との関係を清算するときに支払われるお金を表す言葉です。簡単に言うならば、交際や関係を円満に終わらせるために、あるいは揉め事を大きくしないために渡される一時的な金銭を指します。

例えば、愛人関係を解消するときに渡すお金や、トラブルが表面化しないように関係者へ支払うお金などがあります。芸能人や有名人がスキャンダルを避けるために「手切れ金」を渡した、というニュースで耳にすることも少なくありません。

「手切れ金」の特徴

「手切れ金」は法律上の損害賠償ではなく、当事者同士の合意によって支払われるのが一般的です。そのため、法的効力はないと覚えておきましょう。

「手切れ金」の金額に明確な基準はなく、相手の状況や力関係や話し合いの結果によって決まります。

「手切れ金」の類語

「手切れ金」の類語・類義語としては、ある事を口外させないために与える金品のことを意味する「口止め料」があります。

「慰謝料」の例文

1.夫の不倫によって深く傷ついた妻は、弁護士を通じて適正な慰謝料を請求しました。
2.交通事故で大きな怪我を負った彼は、治療費に加え精神的苦痛に対する慰謝料を求めました。
3.芸能人は虚偽の記事で名誉を傷つけられたため、出版社に対して慰謝料を請求しました。
4.婚約を一方的に破棄された彼女は、精神的苦痛を理由に慰謝料を請求しました。
5.家族を突然の事故で失った遺族は、加害者に対して高額の慰謝料を請求しました。

この言葉がよく使われる場面としては、相手方の不法行為によって被った精神的苦痛を慰謝するための損害賠償のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「慰謝料」は法的効力がある言葉です。

「手切れ金」の例文

1.彼はこれ以上揉め事を大きくしないために、相手にまとまった手切れ金を渡しました。
2.芸能人は不倫報道を避けるため、相手に手切れ金を支払い関係を清算しました。
3.会社はトラブルを表沙汰にしないよう、関係者に手切れ金を渡して解決を図りました。
4.彼女は納得できなかったが、手切れ金を受け取り静かに関係を終わらせました。
5.訴訟になる前に双方で話し合い、手切れ金を支払うことで合意しました。

この言葉がよく使われる場面としては、人間関係の縁切りや清算のときに任意で支払う金銭のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「手切れ金」は法的効力がない言葉です。

「慰謝料」と「手切れ金」はどちらも金銭に関することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、法的効力があるのが「慰謝料」、法的効力がないのが「手切れ金」と覚えておきましょう。

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