似た意味を持つ「職場」(読み方:しょくば)と「会社」(読み方:かいしゃ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「職場」と「会社」という言葉は、どちらも「働くところ」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
職場と会社の違い
職場と会社の意味の違い
職場と会社の違いを分かりやすく言うと、職場とは仕事を行う場所、会社とは事業を行う組織という違いです。
職場と会社の使い方の違い
一つ目の職場を使った分かりやすい例としては、「職場環境の改善に取り組んでいます」「職場全体で健康づくりに取り組む」「職場で強いストレスを感じています」「五年前から職場内が禁煙になりました」などがあります。
二つ目の会社を使った分かりやすい例としては、「個人投資家が投資会社を設立する」「会社法の一部が改正されました」「会社設立に必要な書類を作成する」「就活でたくさんの会社概要を読みました」などがあります。
職場と会社の使い分け方
職場と会社という言葉は、どちらも職業として働くところを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
職場とは、仕事をする場所を意味します。人が仕事を行う物理的な場所を指す言葉ですが、そこで働く人間関係や社会的空間を含めていうこともあります。上記例文にある「職場環境」とは、従業員が働く環境全体を意味し、設備などの室内環境や一緒に働く人との人間関係などを表します。
会社とは、営利を目的とする社団法人を意味し、事業を行う組織体そのものを指す言葉です。会社法は、株式会社・合名会社・合資会社・合同会社の四つの形態を認めており、後者の三種類を「持分会社」と総称しています。
つまり、職場とは仕事をする場所であり、会社とは事業を行う組織を意味します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
職場と会社の英語表記の違い
職場を英語にすると「workplace」「place of work」「office」となり、例えば上記の「職場環境」を英語にすると「one’s work environment」となります。
一方、会社を英語にすると「business organization」「company」「corporation」となり、例えば上記の「投資会社」を英語にすると「investment company」となります。
職場の意味
職場とは
職場とは、職業として働く場所、会社や工場などで執務や作業をする場所を意味しています。
表現方法は「職場いじめ」「職場種類」「職場ハラスメント」
「職場いじめ」「職場種類」「職場ハラスメント」などが、職場を使った一般的な言い回しです。
職場の使い方
職場を使った分かりやすい例としては、「英語を頻繁に使う職場で働いています」「職場結婚の割合は減少傾向にあります」「娘が職場体験で保育園に行きました」「中学生の職場体験はいい経験になると思います」などがあります。
その他にも、「職場環境が悪い会社で働きたくない」「職場いじめは訴えたもの勝ちです」「職場の人間関係に悩んでいます」「職場でのコミュニケーションが苦手です」「職場でハラスメントに関する調査がありました」などがあります。
職場の「職」は訓読みで「つとめ」と読み、暮らしのためにする仕事を表す漢字です。何かが行われる所を表す「場」と結びつき、職場とは、職業的労働に携わる場所を意味します。物理的空間よりも社会的空間や人間関係を指すことが多い言葉です。
「職場体験」の意味
職場を用いた日本語には「職場体験」があります。職場体験とは、生徒が職場で働くことを通じて、職業や仕事の実際について体験したり、働く人々と接したりする学習活動を意味します。中学校等の特別活動や総合学習などの枠組みのなかで実施されています。
職場の対義語
職場の対義語・反対語としては、夫婦や親子などの関係にある者が生活をともにする小さな集団を意味する「家庭」などがあります。
職場の類語
職場の類語・類義語としては、仕事をする場所を意味する「仕事場」、勤務しているところや勤務先を意味する「勤め先」、勤務して給与をもらうところを意味する「勤め口」、実際に作業が行われている場所を意味する「現場」などがあります。
会社の意味
会社とは
会社とは、会社法に基づいて設立された法人を意味しています。
その他にも、「同じ目的で物事を行う集団、結社」の意味も持っています。
表現方法は「会社設立」「会社一覧」
「会社設立」「会社一覧」などが、会社を使った一般的な言い回しです。
会社の使い方
「英語ができる会社員は重宝されます」「今すぐ会社を辞めたいです」「会社都合退職は転職活動に不利ですか」「会社と私生活どちらも充実しています」などの文中で使われている会社は、「会社法に基づいて設立された法人」の意味で使われています。
一方、「協会は会社の一形態である」「共通の目的を達成するために会社を作る」「会社の自由は憲法で保障されています」などの文中で使われている会社は、「同じ目的で物事を行う集団」の意味で使われています。
会社とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、一般的には「会社法に基づいて設立された法人」の意味で用いられている言葉です。会社の「会」は特定の目的のために多くの人々が集まること、「社」は組合や団体などの機関を表します。
「会社法」の意味
会社を用いた日本語には「会社法」があります。会社法とは、会社の設立、組織、運営、管理に関するルールを定めた法律です。旧商法第2編および旧有限会社法などを統合して一本化したものであり、2005年に制定し2006年に施行されました。
会社の対義語
会社の対義語・反対語としては、 法律において権利や義務の主体である個人を意味する「自然人」などがあります。
会社の類語
会社の類語・類義語としては、生産活動を継続して営む経済単位を意味する「企業」、商業上の組織を意味する「商会」、会社や商会を意味する「カンパニー」、社団法人や株式会社を意味する「コーポレーション」などがあります。
職場の例文
この言葉がよく使われる場面としては、仕事をする場所、会社や工場などで執務や作業をする所を表現したい時などが挙げられます。
例文4にある「職場いじめ」とは、職場における同僚や上司などによるいじめを意味します。
会社の例文
この言葉がよく使われる場面としては、会社法により設立された営利を目的とする社団法人、同じ志で物事を行なう集団や結社を表現したい時などが挙げられます。
例文4にある「株式会社」とは、現代の代表的な企業形態の一つであり、株式を発行して資金を集め、その資金で運営する会社を意味します。
職場と会社という言葉は、どちらも「人が働くところ」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、仕事をする場所を表現したい時は「職場」を、事業を行う組織を表現したい時は「会社」を使うようにしましょう。