【来店】と【入店】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「来店」(読み方:らいてん)と「入店」(読み方:にゅうてん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「来店」と「入店」という言葉は、どちらも「お店に入ること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




来店と入店の違い

来店と入店の意味の違い

来店と入店の違いを分かりやすく言うと、来店とはお店に入ることのみを表し、入店とはお店に入ることだけでなく出店することも表すという違いです。

来店と入店の使い方の違い

一つ目の来店を使った分かりやすい例としては、「ご来店いただきまして誠にありがとうございます」「毎月5が付く日に来店ポイント交換会を実施しています」「来店された外国人に英語で商品を説明しています」などがあります。

二つ目の入店を使った分かりやすい例としては、「国籍や人種による入店拒否は差別である」「20歳未満は入店お断りです」「閉店間際に一人で入店しました」「シッピングモールへの入店を検討しています」「入店前の研修で接客マナーを教わりました」などがあります。

来店と入店の使い分け方

来店と入店という言葉は、どちらも誰かがお店に入ることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

来店とは、客が店に来ることを意味し、店側が使う言葉です。「来店ポイント」は来店するだけで貯まるポイントのことであり、店が客の来店頻度を上げる目的で実施するものです。基本的には、客として行く側が「来店」を使うことは不適切であり、客が店に行くことは後述する「入店」を使います。

入店とは、客が店に入ることを意味します。「入店お断り」のように店の立場から使うことも、「一人で入店する」のように客の立場からも使える言葉です。また、「シッピングモールへの入店」の使い方で出店することや、「入店前の研修」の使い方で店の従業員になることの意味もあります。

つまり、来店とは客が店に入ることのみを意味しますが、入店とは客が店に入ることだけでなく複数の意味を持つ言葉です。また、来店は基本的に店側が使う表現ですが、入店は店側だけでなく客側の立場からも使える言葉であることも、二つの言葉の明確な違いになります。

来店と入店の英語表記の違い

来店を英語にすると「coming to a store」「coming to a shop」となり、例えば上記の「ご来店いただきまして誠にありがとうございます」を英語にすると「Thank you very much for coming to our store」となります。

一方、入店を英語にすると「entering a store」「becoming an employee of a store」「 opening up a shop」となり、例えば上記の「入店拒否」を英語にすると「denial of entry to store」となります。

来店の意味

来店とは

来店とは、人が店に来ることを意味しています。

来店の使い方

来店を使った分かりやすい例としては、「各店舗での来店予約サービスを開始しました」「auショップの来店予約システムがダウンしています」「来店のお礼メールはできるだけ早く出すようにしています」などがあります。

その他にも、「来店イベント当日に整理券を配布します」「来店ポイントはブースにて景品と交換できます」「ポイント目的での来店はお断りします」「人気ライターの来店スケジュールを把握する」などがあります。

来店の「来」は訓読みで「くる」「きたる」と読み、空間的に離れているものが自分のいる所へ向かって動くことを表します。サービスや商品を提供する場所を表す「店」と組み合わさり、来店とは、人が店舗や商業施設などに来ることを意味します。

「来店型保険ショップ」の意味

来店を用いた日本語には「来店型保険ショップ」があります。来店型保険ショップとは、保険の相談や契約ができる店舗を構えた保険代理店のことです。ショッピングモールや駅ビルなどにあり、ショップによって取り扱っている保険会社や商品が異なります。

来店の対義語

来店の対義語・反対語としては、客が店から出ることを意味する「退店」などがあります。

来店の類語

来店の類語・類義語としては、その場所または会場にくることを意味する「来場」、よその人が会社を訪ねてくることを意味する「来社」、学校を訪ねてくることを意味する「来校」、外国人が日本に来ることを意味する「来日」などがあります。

入店の意味

入店とは

入店とは、デパートなどの一部に店を開くこと、出店を意味しています。

その他にも、「その店に勤め始めること」「客が店に入ること」の意味も持っています。

入店の使い方

「百貨店への入店申請をインターネット上で行う」「デパートへの入店許可がなかなか降りません」「入店許可証はいつ届きますか」などの文中で使われている入店は、「デパートなどの一部に店を開くこと」の意味で使われています。

一方、「給料がよいので入店しました」「入店研修の開始時間を確認する」の文中で使われている入店は「店に勤め始めること」の意味で、「盲導犬連れのために入店拒否された」「ファミマの入店音のタイトルが知りたい」の文中で使われている入店は「客が店に入ること」の意味で使われています。

入店とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。入店の「入」は訓読みで「はいる」と読み、ある区域や範囲の中にはいることを表します。

「入店拒否」の意味

上記例文にある「入店拒否」とは、来店した客に対して、店側から入店を断ることを意味します。原則として、入店拒否は店の自由ですが、不合理な差別を理由として入店お断りすると違法になる可能性があります。

入店の対義語

入店の対義語・反対語としては、店を閉めることや客が店から出ることを意味する「退店」などがあります。

入店の類語

入店の類語・類義語としては、会場や式場などにはいることを意味する「入場」、会社に入り社員となることを意味する「入社」、美術館など館と名のつく施設にはいることを意味する「入館」、船が港に入ることを意味する「入港」などがあります。

来店の例文

1.Webサイトから空き状況をみて来店予約ができるシステムを導入しました。
2.提携するビジネスホテルに宿泊のお客様がご来店されましたら、ビールを一杯無料でサービスしています。
3.キャンペーン中のご来店特典として、オリジナルトートバックをプレゼントしております。
4.ストレスフルな環境で頑張っているあなた、自分を癒しに当リラクゼーションサロンへ是非ご来店ください。
5.お店に行くだけで来店ポイントがもらえるのなら、毎日でも行きたいです。

この言葉がよく使われる場面としては、店にやって来ることを表現したい時などが挙げられます。

例文3や例文4にある「ご来店」とは、「来店」に尊敬を表す接頭辞の「御」を付けたものです。漢字で「御来店」と書きますが、一般的には「ご来店」と書かれています。

入店の例文

1.人気の商業施設に店を出したいと考えており、入店に必要な費用や手続きの方法を調べています。
2.デパートに新しく出店するカフェの正社員として、来月から入店することになりました。
3.外国人観光客が入店したら、すぐに英語表記のメニューをお渡ししています。
4.入店お断りが違法でないのなら、店側は来店する客を選ぶ権利があるということだろう。
5.節約のため、ビールが安く飲めるハッピーアワーの時間に入店するようにしています。

この言葉がよく使われる場面としては、ある地域や場所に店を出すこと、店の従業員になること、客として店の中に入ることを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある入店は店を出すことを表し、例文2の入店は従業員になることを意味しています。例文3から例文5にある入店は、店の中に入ることの意味で用いられています。

来店と入店という言葉は、どちらも「お店に入ること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、お店に入ることのみを表現したい時は「来店」を、お店に入ることだけでなく出店や従業員になることも表現したい時は「入店」を使うようにしましょう。

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