似た意味を持つ「敷居が高い」(読み方:しきいがたかい)と「ハードルが高い」(読み方:はーどるがたかい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「敷居が高い」と「ハードルが高い」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「敷居が高い」と「ハードルが高い」の違い
「敷居が高い」と「ハードルが高い」の意味の違い
「敷居が高い」と「ハードルが高い」の違いを分かりやすく言うと、「敷居が高い」とは不義理や面目のないことがあってその人の家へ行きにくいこと、「ハードルが高い」とは乗り越えなくてはならない困難が大きいことという違いです。
「敷居が高い」と「ハードルが高い」の使い方の違い
一つ目の「敷居が高い」を使った分かりやすい例としては、「先日名前を間違って呼んでしまったので次の訪問は敷居が高いです」「お中元を贈るのを忘れたので実家に帰るのは敷居が高い」「あまりご無沙汰だったのでお宅の敷居が高い」などがあります。
二つ目の「ハードルが高い」を使った分かりやすい例としては、「初心者に高性能カメラはハードルが高いです」「この作業は専門知識が必要なのでハードルが高いと思います「有名な俳優になるためにはハードルが高いです」などがあります。
「敷居が高い」と「ハードルが高い」の使い分け方
「敷居が高い」と「ハードルが高い」は似た言葉ですが、意味は全く異なっているので間違えないように注意が必要です。
「敷居が高い」は不義理や面目のないことがあってその人の家へ行きにくいことを意味しており、「長年連絡を絶っていたので敷居が高い」「先日お店でトラブルを起こしたのであの店に行くのは敷居が高い」などのような言い回しで使います。
一方、「ハードルが高い」は乗り越えなくてはならない困難が大きいことを意味しており、「あのお店に入るのはハードルが高い」「ずいぶんとハードルが高そうなお店だ」などのような言い回しで使います。
しかし、文化庁が発表した令和元年に行われた国語に関する世論調査では、「敷居が高い」を正しい意味である「不義理や面目のないことがあってその人の家へ行きにくいこと」を使う人が29.0%、本来の意味ではない「高級すぎて入りにくい」で使う人が56.4%という逆転した結果がでています。
したがって、「敷居が高い」を「ハードルが高い」に近いニュアンスで使用している人が増えているというのが現状です。
結論を申し上げますと、「敷居が高い」と「ハードルが高い」は意味が異なる言葉なので置き換えることができないと覚えておきましょう。
「敷居が高い」と「ハードルが高い」の英語表記の違い
「敷居が高い」を英語にすると「hesitate to」「feel self-conscious」となり、例えば上記の「あまりご無沙汰だったのでお宅の敷居が高い」を英語にすると「I haven’t visited you for so long that I feel self-conscious about coming」となります。
一方、「ハードルが高い」を英語にすると「that’s tough to beat」「high hurdle」「difficult」となり、例えば上記の「有名な俳優になるためにはハードルが高いです」を英語にすると「There are high hurdles to becoming a famous actor」となります。
「敷居が高い」の意味
「敷居が高い」とは
「敷居が高い」とは、不義理や面目のないことがあってその人の家へ行きにくいことを意味しています。
「敷居が高い」の使い方
「敷居が高い」を使った分かりやすい例としては、「息子が学校で不真面目らしいので三者面談へ行くのは敷居が高い」「年賀状を返すのを忘れてしまったので伯母の家へ行くのは敷居が高い」「近況を知らせていなかったので恩師との連絡は敷居が高い」などがあります。
「敷居が高い」は不義理や面目のないことがあってその人の家へ行きにくいことを意味する慣用句です。
簡単に言うならば、相手に失礼なことをしてしまったり、恥ずかしい姿をさらしてしまったりしたことが理由で、その人に会いに行きにくかったり、連絡を取りづらかった場合に使う言葉になります。
「敷居が高い」の注意点
「敷居が高い」を使う上で注意しなければならないのは、高級すぎたり上品すぎたりして入りにくいという意味では使えないという点です。そのため、「あのお店に入るのは敷居が高い」「あの会社に就職するのは敷居が高い」などのような使い方はできないと覚えておきましょう。
「敷居が高い」の類語
「敷居が高い」の類語・類義語としては、物事をするのに気が進まないことを意味する「気が重い」、相手の勢いやその場の雰囲気などに押されて心がひるむことを意味する「気後れ」などがあります。
「ハードルが高い」の意味
「ハードルが高い」とは
「ハードルが高い」とは、乗り越えなくてはならない困難が大きいことを意味しています。
「ハードルが高い」の使い方
「ハードルが高い」を使った分かりやすい例としては、「アメリカへの旅行は金銭面的にハードルが高いです」「ずっとニートをしていると働くのはハードルが高い」「一人で高級フレンチを食べに行くのはハードルが高いと思います」などがあります。
「ハードルが高い」は乗り越えなくてはならない困難が大きいことを意味する慣用句です。
つまり、「ハードルが高い」はこれからやろうとすることが、とてつもなく困難で難しい場合に使います。
「ハードルが高い」はビジネスシーンや日常生活など、様々な場面で使うことができる言葉です。
「ハードルが高い」の対義語
「ハードルが高い」の対義語・反対語としては、挑戦や目標に対する障害や困難が少ないことを意味する「ハードルが低い」があります。
「ハードルが高い」の類語
「ハードルが高い」の類語・類義語としては、難しいことを意味する「難解」、理解や習得がしにくいことを意味する「難しい」などがあります。
「敷居が高い」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、不義理や面目のないことがあってその人の家へ行きにくいことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「敷居が高い」は何らかの理由で会いに行きにくかったり、連絡しづらかった場合に使う言葉です。
「ハードルが高い」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、乗り越えなくてはならない困難が大きいことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ハードルが高い」は困難な物事に対して使う言葉です。
「敷居が高い」と「ハードルが高い」は似た言葉ですが意味は全く異なっています。
どちらの言葉を使うか迷った場合、不義理や面目のないことがあってその人の家へ行きにくいことを表現したい時は「敷居が高い」を、乗り越えなくてはならない困難が大きいことを表現したい時は「ハードルが高い」を使うと覚えておきましょう。