似た意味を持つ「日本酒」(読み方:にほんしゅ)と「焼酎」(読み方:しょうちゅう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「日本酒」と「焼酎」という言葉は、どちらも「日本のお酒」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
日本酒と焼酎の違い
日本酒と焼酎の意味の違い
日本酒と焼酎の違いを分かりやすく言うと、日本酒とは米を原料にした醸造酒、焼酎とは米や麦や芋などを原料にした蒸留酒という違いです。
日本酒と焼酎の使い方の違い
一つ目の日本酒を使った分かりやすい例としては、「日本酒の風味は世界中で認められています」「日本酒の飲み比べイベントに夫婦で参加しました」「米の価格高騰により日本酒も値上げされるだろう」などがあります。
二つ目の焼酎を使った分かりやすい例としては、「テレビCMをきっかけに焼酎ブームが起こりました」「焼酎のおいしい飲み方をネットで調べる」「そば焼酎は産地で選んでいます」「本格焼酎のおすすめ銘柄をご紹介します」などがあります。
日本酒と焼酎の使い分け方
日本酒と焼酎という言葉は、どちらも日本の伝統的な製法で造られたお酒を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
日本酒とは、米と米麹と水を主原料として醸造した日本固有の酒です。アルコール度数は15~20度が多く、酒税法で22度未満と規定されています。近年は純米酒、吟醸酒、本醸造酒など原料や製法を吟味した高級清酒を中心に多種多様な製品が出回っています。
焼酎とは、日本の代表的な蒸留酒の一つです。原料として米、麦、ソバなどの穀類やサツマイモ、ジャガイモなどの芋類が用いられています。現在の焼酎はアルコール分として20度から45度までありますが、25度のものが量的にもっとも多くなっています。
つまり、日本酒と焼酎の違いは、原料と製造方法にあります。日本酒は米を原料とした醸造酒であり、焼酎は米や麦や芋などを原料とした蒸留酒です。また、アルコール度数を比較すると、日本酒よりも焼酎の方が高くなります。
日本酒と焼酎の英語表記の違い
日本酒を英語にすると「sake」「rice wine」「nihonshu」となり、例えば上記の「日本酒の風味」を英語にすると「the flavor of sake」となります。
一方、焼酎を英語にすると「shochu」「Japanese distilled spirit」となり、例えば上記の「焼酎ブーム」を英語にすると「shochu boom」となります。
日本酒の意味
日本酒とは
日本酒とは、日本在来の醸造法によって造った酒を意味しています。
日本酒の使い方
日本酒を使った分かりやすい例としては、「日本酒のアルコール度数は15度前後です」「日本酒が原価で飲める酒蔵を見つけました」「日本酒に賞味期限はありません」「日本酒のおすすめ銘柄ランキングをチェックする」などがあります。
その他にも、「日本酒度を正確に測定する」「日本酒に合うおつまみを用意しました」「種類豊富な日本酒に魅せられています」「日本酒は甘口より辛口が好きです」「父の日に日本酒をプレゼントしました」などがあります。
日本酒の定義
日本酒とは、日本の伝統的な製法で米を発酵させてつくる醸造酒のことであり、特に「清酒」を指す言葉です。原料の米や米麹に日本国内産米のみを使用し、日本国内で製造された清酒だけが「日本酒」を名乗れます。
表現方法は「日本酒度」
日本酒を用いた日本語には「日本酒度」があります。日本酒度とは、日本酒の比重を表すものであり、甘口か辛口かを判断する目安になる数値です。 プラスマイナス0を基準に、マイナスの数字が大きいと甘口に、プラスの数字が大きいと辛口に感じます。
日本酒の対義語
日本酒の対義語・反対語としては、ウイスキーやワインなどの西洋から渡来した酒を意味する「洋酒」などがあります。
日本酒の類語
日本酒の類語・類義語としては、アルコール分を含む飲み物の総称を意味する「酒類」、精製して澄んだ酒を意味する「清酒」、麹こうじのかすを漉こしてない白く濁った酒を意味する「濁り酒」、米と米麹こめこうじと水だけで造った清酒を意味する「純米酒」ものなどがあります。
焼酎の意味
焼酎とは
焼酎とは、日本固有の蒸留酒を意味しています。
焼酎の使い方
焼酎を使った分かりやすい例としては、「酒類のなかで焼酎の度数は高い方です」「実は焼酎に賞味期限はありません」「初心者におすすめの焼酎を教えてください」「英語サークルの仲間と焼酎の話題で盛り上がりました」などがあります。
その他にも、「どの焼酎も美味しくて甲乙付け難い」「一杯目はいつも焼酎ハイボールを頼みます」「インターネットで焼酎のカロリーを調べる」「焼酎甲類は比較的新しい蒸留方法で造られます」「近所の焼酎バルで一杯ひっかける」などがあります。
焼酎の定義
焼酎とは、米、麦、イモ、糖蜜などを原料にしてつくられる蒸留酒の総称です。酒税法では製法の違いから、連続式蒸留機で蒸留した甲類と、単式蒸留機で蒸留した乙類の二種類に分類されます。アルコール度数は20〜45パーセントあり、米焼酎・芋焼酎・麦焼酎・泡盛など多くの種類があります。
表現方法は「本格焼酎」
焼酎を用いた日本語には「本格焼酎」があります。本格焼酎とは、乙類焼酎のことであり、単式蒸留機で蒸留されたアルコール度数45%以下の焼酎です。単式蒸留機は構造がシンプルなため、素材の香りがしっかりと残る、深い味わいの焼酎になります。
焼酎の類語
焼酎の類語・類義語としては、サツマイモを原料として醸造した焼酎を意味する「芋焼酎」、蒸留酒や醸造酒に糖分や果実などを加えた酒を意味する「混合種」、白ブドウ酒を蒸留して製する洋酒を意味する「ブランデー」、焼酎などにレモンやライムを加えたものを意味する「サワー」などがあります。
日本酒の例文
この言葉がよく使われる場面としては、外国起源の酒に対する日本在来の酒を表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「日本酒バー」とは、日本酒を多様に取り揃えて提供するバータイプの飲食店のことです。吟味された様々な銘柄の日本酒を味わうことができます。
焼酎の例文
この言葉がよく使われる場面としては、清酒粕や味醂粕などを蒸留してつくったアルコール分の強い酒を表現したい時などが挙げられます。
例文4にある「甲乙混和焼酎」とは、甲類焼酎と乙類焼酎を混ぜ合わせた焼酎の一つであり、乙類焼酎の割合が5パーセント以上50パーセント未満のものを言います。「甲乙ブレンド焼酎」とも呼ばれるものです。
日本酒と焼酎という言葉は、どちらも「日本のお酒」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、日本の醸造酒を表現したい時は「日本酒」を、日本の蒸留酒を表現したい時は「焼酎」を使うようにしましょう。