似た意味を持つ「盛る」(読み方:もる)と「よそう」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「盛る」と「よそう」という言葉は、どちらも料理や食事の場面で使われる用語を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「盛る」と「よそう」の違い
「盛る」と「よそう」の違いを分かりやすく言うと、「盛る」は見た目や量を意識して器に移すこと、「よそう」は日常的に料理を取り分けることという違いです。
一つ目の「盛る」を使った分かりやすい例としては、「弁当におかずをバランスよく盛る」「色とりどりの前菜をバランスよく一皿に盛って提供しました」「夕食の時間には家族の分を丁寧に盛るようにしています」「料理を美しく皿に盛る」などがあります。
二つ目の「よそう」を使った分かりやすい例としては、「カレーをご飯にかけてよそう」「鍋の具材をよそって分けました」「汁物はこぼさないようによそう」「よそった料理が少し熱すぎました」「ご飯を茶碗によそう」などがあります。
「盛る」と「よそう」はどちらも料理や食事の場面で使われる用語を意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「盛る」は「料理をきれいに盛る」「ご飯を山のように盛る」のように、見た目や量を意識して料理や食材を器に移すことを指します。
一方、「よそう」は「ご飯を茶碗によそう」「味噌汁をお椀によそう」のように、日常的や実用的に食事を器に分けることを意味します。盛り付けの美しさや量の強調はあまり伴いません。
つまり、見た目や量を意識して器に移すのが「盛る」、日常的に料理を取り分けるのが「よそう」と覚えておきましょう。
「盛る」を英語にすると「serve decoratively」「ile up」となり、例えば上記の「料理を美しく皿に盛る」を英語にすると「Serve the food decoratively on a plate」となります。
一方、「よそう」を英語にすると「serve」「dish out」「ladle」となり、例えば上記の「ご飯を茶碗によそう」を英語にすると「Serve rice into the bowl」となります。
「盛る」の意味
「盛る」とは、物を容器に入れて満たすことを意味しています。その他も、積んで高くすること、薬剤を調合すること、あるまとまりの中に別のものをもりこむこと、目盛りをすること、化粧を濃くすることの意味も持っています。
「彩りよく料理を皿に盛る」「店の入口に塩を盛る」などの文中で使われている「盛る」は、「物を容器に入れて満たすことや積んで高くすること」の意味で使われています。
一方、「敵を倒すために料理に毒を盛る」「共同宣言に平和への決意を盛る」などの文中で使われている「盛る」は、「薬剤を調合することやあるまとまりの中に別のものをもりこむこと」の意味で使われています。
「盛る」は日常生活の中で幅広く使われる多様な意味があります。物理的に何かを高く積み上げる場面から、比喩的な表現として使われる場面まで、その用途はさまざまです。
簡単に言えば、「盛る」とは、何かを上に加えて量や大きさを増す、あるいは目立たせるという行為を指します。しかし、その中には料理や化粧、薬の調合、感情表現など、さまざまな文脈で使われる意味が含まれています。
例えば、料理においては「ご飯を茶碗に盛る」「美しく盛りつける」など、食べ物を皿にのせる行為を指します。また、化粧においては「まつげを盛る」「メイクを盛りすぎた」など、華やかに強調する意味でも使われます。さらに、薬剤師が処方薬を調合する際にも「薬を盛る」という表現が見られます。
他にも、「話を盛る」という言い回しは、事実を誇張して伝えることを指し、会話や物語の中でよく使われます。また、目盛りを付けるという意味では、「升に酒を盛る」など、正確な分量を計ることも含みます。
このように、「盛る」という言葉は、単に物を積み上げるという物理的な意味にとどまらず、数量や印象、感情を加えるや強調するという広がりを持っているというのが特徴です。
「盛る」の類語・類義語としては、物の上にさらに物を置くことを意味する「積む」があります。
「よそう」の意味
「よそう」とは、飲食物を器に盛ることを意味しています。
「よそう」を漢字にすると、「装う」や粧うと表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「よそう」を使うようにしましょう。
「ご飯をよそう」「味噌汁をよそう」などが、「よそう」を使った一般的な言い回しになります。
「よそう」を使った分かりやすい例としては、「ご飯を丁寧によそう」「よそう量でその人の性格が分かる気がする」「味噌汁を手際よくよそう」「子どもの分を少なめによそう」「茶碗によそうのは父の役目です」などがあります。
主に食べ物を器に移して盛り付けるという意味を持つ言葉です。日常の食卓や調理の場面でよく使われ、料理や食事の所作の中でもとても日本語らしい繊細な表現の一つだといえます。
簡単に言うならば、「よそう」とは、炊きあがったご飯や汁物などを茶碗や椀などの器に取り分ける動作を表す言葉です。
「よそう」の類語・類義語としては、盛って中に入れることを意味する「盛り込む」があります。
「盛る」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物を容器に入れて満たすことを表現したい時などが挙げられます。その他も、積んで高くすること、薬剤を調合すること、あるまとまりの中に別のものをもりこむこと、目盛りをすること、化粧を濃くすることを表現したい時にも使います。
例文1は物を容器に入れて満たすこと、例文2は積んで高くすること、例文3は薬剤を調合すること、例文4はあるまとまりの中に別のものをもりこむこと、例文5は化粧を濃くすることの意味で使っています。
「よそう」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、飲食物を器に盛ることを表現したい時などが挙げられます。
「盛る」と「よそう」はどちらも料理や食事の場面で使われる用語を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、見た目や量を意識して器に移すのが「盛る」、日常的に料理を取り分けるのが「よそう」と覚えておきましょう。