似た意味を持つ「頑丈」(読み方:がんじょう)と「丈夫」(読み方:じょうぶ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「頑丈」と「丈夫」という言葉は、どちらも「しっかりしていて壊れにくいさま」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
頑丈と丈夫の違い
頑丈と丈夫の意味の違い
頑丈と丈夫の違いを分かりやすく言うと、丈夫よりも頑丈の方が、強くて壊れにくいことを強調する言葉という違いです。
頑丈と丈夫の使い方の違い
一つ目の頑丈を使った分かりやすい例としては、「アメリカ製の頑丈なドアを設置しました」「衝撃に強い頑丈な安全靴を選ぶ」「落としても壊れない頑丈なスマホが欲しい」「夫は頑丈な人なので病気の人の気持ちがわかりません」などがあります。
二つ目の丈夫を使った分かりやすい例としては、「祖母は体が丈夫で入院したことがありません」「丈夫なスニーカーのランキングをチェックする」「破れにくい丈夫な靴下をプレゼントする」「長く使えそうな丈夫な傘を選びました」などがあります。
頑丈と丈夫の使い分け方
頑丈と丈夫という言葉は、どちらも人が病気になりにくかったり、物のつくりがしっかりしていて壊れにくいことを表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
頑丈とは、人間の体や物がしっかりしていていることを意味し、非常に強くて損なわれにくいさまを表す言葉です。「頑丈な安全靴」とは、たとえ重量な物体を落としても、その衝撃に耐えられるような強いつくりを表現しています。
丈夫とは、体や体の一部がしっかりしていて健やかであるさま、物などが壊れにくいさまを意味します。「丈夫なスニーカー」とは、簡単に擦れたり穴が空いたりしない、長持ちするようなスニーカーを表しています。
つまり、頑丈と丈夫の違いは、しっかりしていて壊れにくいことの度合いにあります。二つの言葉を比べると、丈夫よりも頑丈の方が、非常にしっかりしたつくりで壊れにくいことを強調するニュアンスがあります。
頑丈と丈夫の英語表記の違い
頑丈も丈夫も英語にすると「tough」「firm」「solid」となり、例えば上記の「頑丈なドア」を英語にすると「solid door」となります。
頑丈の意味
頑丈とは
頑丈とは、からだが丈夫なさま、また、物の作りが堅牢なさまを意味しています。
その他にも、「馬のすぐれて強健なさま、また、その馬」の意味も持っています。
頑丈の使い方
「英語の先生は病気一つしない頑丈な人です」「頑丈な収納ボックスを譲ってもらう」「世界で最も頑丈な車はどれですか」「カルシウムは頑丈な骨をつくります」などの文中で使われている頑丈は、「からだが丈夫なさま、物の作りが堅牢なさま」の意味で使われています。
一方、「軍馬は頑丈で賢くなければいけません」「怪我をしない頑丈な馬を見分けるポイントを教えてください」などの文中で使われている頑丈は、「馬のすぐれて強健なさま」の意味で使われています。
頑丈とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、一般的には「からだが丈夫なさま、物の作りが堅牢なさま」の意味で用いられています。頑丈の「頑」は強くて丈夫なこと、「丈」はしっかりしているさまを表す漢字です。
頑丈の由来
頑丈という言葉の由来は諸説あります。一つは、名馬に仕上げるための五つの条件の意の「五調」(読み方:がんじょう)を語源とする説があります。また、「強盛」の音変化であるという説もあり、由来は明確にはわかっていません。
頑丈の対義語
頑丈の対義語・反対語としては、もろくて弱いことを意味する「脆弱」などがあります。
頑丈の類語
頑丈の類語・類義語としては、かたくて壊れにくいことを意味する「堅固」、強くしっかりして揺るがないさまを意味する「強固」、きわめて力が強く頑丈なさまを意味する「屈強」、強い体力と不屈な精神力を備えているさまを意味する「タフ」などがあります。
丈夫の意味
丈夫とは
丈夫とは、健康に恵まれているさま、達者を意味しています。
その他にも、「物がしっかりしていて壊れにくいさま」「確かなさま、確実」の意味も持っています。
丈夫の使い方
「生まれつき丈夫な人が羨ましいです」「丈夫な身体づくりには外遊びが欠かせません」「免疫力を上げて体を丈夫にしよう」などの文中で使われている丈夫は、「健康に恵まれているさま」の意味で使われています。
一方、「通勤用に丈夫なリュックを買いました」「安くて丈夫な車を購入したい」などの文中で使われている丈夫は「物が壊れにくいさま」の意味で、「丈夫な情報筋から極秘データを入手する」の文中で使われている丈夫は「確かなさま」の意味で使われています。
丈夫の読み方
丈夫の読み方は「じょうぶ」の他に、「じょうふ」「ますらお」「たけお」とも読みますが、多くは「じょうぶ」と読まれています。
丈夫とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。丈夫の「丈」は強いことやしっかりしていること、「夫」は成人した男や立派な男性を表します。
丈夫の語源
丈夫という言葉の語源は、古代中国で「身長1丈(約180センチメートル)の男」を指す言葉として使われ始めたことに由来します。周王朝が1丈を成人男性の身長を基準としたことから、一人前の男を意味するようになり、転じて、健康や強さを象徴する言葉となりました。
丈夫の対義語
丈夫の対義語・反対語としては、からだや勢いが弱いことを意味する「虚弱」などがあります。
丈夫の類語
丈夫の類語・類義語としては、からだに悪いところがなく丈夫なことを意味する「健康」、健康で元気なことを意味する「壮健」、病気をしないで元気なことを意味する「息災」、男性的で心身が強くたくましいことを意味する「剛健」などがあります。
頑丈の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物がしっかりしていて壊れにくいこと、人が丈夫で健康なことを表現したい時などが挙げられます。
例文5にあるように、頑丈という言葉は人の身体がしっかりしていることも表現しますが、人の精神的な事柄について用いることはありません。
丈夫の例文
この言葉がよく使われる場面としては、元気であるさまや健やかなさま、しっかりしていて壊れにくいさま、確実なさまを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4にある丈夫は、体がしっかりしているさまや元気であるさまの意味で用いられています。例文5にある丈夫は、物がしっかりしていて壊れてにくいさまの意味で使われています。
頑丈と丈夫という言葉は、どちらも「しっかりしていて壊れにくいさま」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、より強くて壊れにくいさまを強調して表現したい時は「頑丈」を使用するようにしましょう。