【しがみつく】と【すがりつく】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「しがみつく」と「すがりつく」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「しがみつく」と「すがりつく」という言葉は、どちらも何かに強く身を寄せたり離れまいとする行動のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「しがみつく」と「すがりつく」の違い

「しがみつく」と「すがりつく」の違いを分かりやすく言うと、「しがみつく」は必死に掴んで離れまいとすること、「すがりつく」は助けや救いを求めて寄りかかるという違いです。

一つ目の「しがみつく」を使った分かりやすい例としては、「子どもが遊具にしがみついて離れようとしない」「権力にしがみつく政治家の姿勢は批判されやすい」「彼はロープにしがみつきながら崖を登った」「彼は権力にしがみついている」などがあります。

二つ目の「すがりつく」を使った分かりやすい例としては、「子どもが泣きながら母親にすがりついた」「彼女は最後の希望にすがりついていた」「迷子の子が警察官にすがりついて助けを求めた」「彼女は彼に泣きながらすがりついた」などがあります。

「しがみつく」と「すがりつく」はどちらも何かに強く身を寄せたり離れまいとする行動のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「しがみつく」は「必死に物理的に離れまいとする行動」を表す言葉です。例えば「子どもが母親の足にしがみついて離れない」のように、相手や物に対して力を込めて掴み、必死にその場から離れまいとする場面で使われます。

また、比喩的には「地位や権力にしがみつく」のように、自分の立場や持っているものを失いたくない気持ちを表す際にも用いられます。

一方、「すがりつく」は「助けや救いを求めて寄りかかる行動」を表す言葉です。例えば「彼女は泣きながら彼の胸にすがりついた」のように、相手に対して感情的に頼る場面で使われます。

また、比喩的には「わずかな希望にすがりつく」のように、何かに依存したり、助けを求める気持ちを示す時に使います。

つまり、必死に掴んで離れまいとするのが「しがみつく」、助けや救いを求めて寄りかかるのが「すがりつく」と覚えておきましょう。

「しがみつく」を英語にすると「cling to」「hang on to」となり、例えば上記の「彼は権力にしがみついている」を英語にすると「He is clinging to his power」となります。

一方、「すがりつく」を英語にすると「cling to」「hold on to for support」となり、例えば上記の「彼女は彼に泣きながらすがりついた」を英語にすると「She clung to him, crying for comfort」となります。

「しがみつく」の意味

「しがみつく」とは、ある物事から離れまいとすることを意味しています。

「しがみつく」を使った分かりやすい例としては、「成功体験にしがみつくと新しい挑戦ができない」「猫が飼い主の腕にしがみついて眠っている」「試合で彼は最後の望みにしがみついた」「少女は不安そうに兄の服にしがみついた」などがあります。

「しがみつく」は、物理的にも心理的にも強くつかんで離さないという状態を表す言葉です。簡単に言うならば、自分の身を守るためや、失いたくないものに対して必死に手を伸ばして執着している様子を指します。

例えば、怖がった子どもが親の腕にしがみつく姿や、崖から落ちまいと必死にロープにしがみつく登山者の姿などがあります。また、比喩的なニュアンスでは、権力や地位にしがみつく政治家、過去の栄光にしがみつく人の姿にも使われます。

「しがみつく」は多くの場合、不安、恐怖、執着、といった強い感情から生まれるのが特徴です。

「しがみつく」状態から抜け出すには、安心感を得られる状況を整えたり、執着の対象を見直すことが大切だと言われています。ときには手放す勇気を持つことが、前に進む一歩になるのです。

「しがみつく」の類語・類義語としては、愛情を込めて強く抱くことを意味する「抱きつく」があります。

「すがりつく」の意味

「すがりつく」とは、しっかりとつかまって寄りつくことを意味しています。

「すがりつく」を使った分かりやすい例としては、「患者は医者にすがりついて必死に頼んだ」「恋人にすがりついて別れを拒んでいた」「幼い子が父親の脚にすがりついて甘える」「旅人はわずかな灯火にすがりついて進んだ」「孤独な男は友の言葉にすがりついていた」などがあります。

「すがりつく」は、相手や物に対して強く頼り、離れまいとする行為を表す言葉です。簡単に言うならば、自分一人では立っていられないほどの不安や弱さを抱え、相手に支えを求めて必死に寄りかかっている状態を指します。

例えば、子どもが不安で母親の足にすがりつく姿や、恋人に別れを告げられまいと泣きながらすがりつく場面などがあります。また、比喩的なニュアンスとして、最後の望みにすがりつく、わずかな希望にすがりつくといった形でも使われます。

「すがりつく」状態から抜け出すには、自分の心を落ち着けたり、相手以外にも頼れるものを見つけることが大切だと言われています。ときには自立する力を養うことで、すがらずに歩んでいけるようになるのです。

「すがりつく」の類語・類義語としては、慣れ親しんで人なつこくすることを意味する「甘える」があります。

「しがみつく」の例文

1.子どもは暗い部屋が怖いと言いながら、母親の腕にしがみついて必死に離れまいとしていました。
2.その老人は職を失うことを恐れ、わずかな地位にしがみつき続けているように見えます。
3.不安を感じると、彼女は椅子の背にしがみついて、安心しようとする癖があるのです。
4.小さな犬は雷の音に怯えて、飼い主の膝にしがみつき、震えていました。
5.彼は過去の栄光にしがみついており、新しい挑戦を避けているのが残念に思えます。

この言葉がよく使われる場面としては、ある物事から離れまいとすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「しがみつく」は必死に掴んで離れまいとする時に使う言葉です。

「すがりつく」の例文

1.小さな子どもは不安で仕方がなく、母親の胸に泣きながらすがりついて安心を求めていました。
2.その患者は命を救ってほしい一心で、医師に必死にすがりついてお願いしていたのです。
3.彼女は別れを受け入れられず、恋人の腕にすがりついて何度もやめてほしいと訴えました。
4.迷子になった子どもは、見知らぬ大人の優しい声にすがりついて安心を得ようとしていました。
5.人は時に、ほんのわずかな希望にすがりついてでも前に進もうとするものなのです。

この言葉がよく使われる場面としては、しっかりとつかまって寄りつくことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「すがりつく」は助けや救いを求めて寄りかかる時に使う言葉です。

「しがみつく」と「すがりつく」はどちらも何かに強く身を寄せたり離れまいとする行動のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、必死に掴んで離れまいとするのが「しがみつく」、助けや救いを求めて寄りかかるのが「すがりつく」と覚えておきましょう。

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