似た意味を持つ「古書」(読み方:こしょ)と「古本」(読み方:ふるほん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「古書」と「古本」という言葉は、どちらも「古い本」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
古書と古本の違い
古書と古本の違いを分かりやすく言うと、古書とは絶版となった本や価値の高い古い本、古本とは誰かのものであった古い本という違いです。
一つ目の古書を使った分かりやすい例としては、「図書館で珍しい古書を見つけました」「古書業界の仕組みを理解する」「通販で欲しかった古書を購入しました」「オンラインの古書店を利用しています」などがあります。
二つ目の古本を使った分かりやすい例としては、「フリマアプリで古本を安く買いました」「古本買取の相場はいくらぐらいですか」「ご自宅まで古本の出張買取にお伺いします」「英語で書かれた古本が倉庫からでてきましあ」などがあります。
古書と古本という言葉は、どちらも誰かに読まれたことのある古い本を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
古書とは、昔の書物や古い文書を意味しますが、特に、絶版などによって希少な存在で高い価値のある古い本を指す言葉です。具体的には、戦前に発行された書物であったり、ISBNコードがない古い時代に出版された本などが該当します。
古本とは、誰かによって読まれたことのある古い本を意味します。例えば、半年前に買った本でも、読んでしまったら「古本」という扱いで市場に流通するようになります。そのため、古本は比較的新しい本を指し、古書に比べて入手しやすくなっています。
つまり、古書とは絶版などによって希少性が高い古本を表し、古本とは誰かに読まれたことのある本を意味します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
古書も古本も英語にすると「old book」「secondhand book」となり、例えば上記の「珍しい古書」を英語にすると「a rare old book」となります。
古書の意味
古書とは、昔の書物、古い文書を意味しています。
その他にも、「古本、特に価値の高い古本」の意味も持っています。
「インターネットで古書検索をする」「不要になった古本や古書を高価買取いたします」「祖父は名もない古書を大事にしています」などの文中で使われている古書は、「昔の書物、古い文書」の意味で使われています。
一方、「貴重な古書を譲ってもらいました」「豪華装丁の古書を家宝にしています」「英語で書かれた古書を手に入れる」などの文中で使われている古書は、「古本、特に価値の高い古本」の意味で使われています。
古書の読み方は「こしょ」の他に「いにしえぶみ」とも読みます。「いにしえぶみ」と読むと、「古典」という別の意味になるので注意してください。
古書とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。古書の「古」は昔であること、使いふるしたことを表し、「書」は事柄をかきつけたものを表す漢字です。
古書を用いた日本語には「新古書」(読み方:しんこしょ)があります。新古書とは、刊行後まもなく新本同様の状態で古本として自由価格で販売される本を意味します。多くは従来の古書店とは異なる新古書店によって買取や販売が行われています。
古書の対義語・反対語としては、新しく出版された書物を意味する「新書」などがあります。
古書の類語・類義語としては、古書籍市場でまれにしか入手できない珍しい本を意味する「希書」、資料的に価値が高く希少性が高かったりする図書を意味する「貴重書」、珍しい本や珍書を意味する「珍本」などがあります。
古本の意味
古本とは、読み古した本、一度他人の所有となった本を意味しています。
その他にも、「刊行されて時を経た本、古書、こほん」の意味も持っています。
「実家にある古本を学校に寄付しました」「大学生の娘は古本屋でバイトをしています」「古本屋の近くにお気に入りのカフェがあります」などの文中で使われている古本は、「読み古した本、一度他人の所有となった本」の意味で使われています。
一方、「掘り出し物の古本を見つけました」「本棚には貴重な古本が並べてあります」「今では手に入りにくい古本ばかりです」などの文中で使われている古本は、「刊行されて時を経た本、古書」の意味で使われています。
古本の読み方は「ふるほん」の他に「ふるぼん」ありますが、一般的には「ふるほん」と読まれてます。
古本とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ちます。一つは、他の人によって所有された経歴を持つ図書であり、「新本」に対する用語です。もう一つは、刊行後に年月を経て、絶版などのために出版社や書店では入手できなくなったような古い本を意味します。
上記の例文にある「古本屋」とは、古本を営業として売買する業者の総称で、「古書店」とも呼ばれています。一般には読み古された本を安価で売る店として親しまれていますが、絶版になった希少な本を専門的に扱う店もあります。日本の神田神保町には、世界最大規模の古本屋街があります。
古本の対義語・反対語としては、新刊の本や他人の手に渡ったことのない新しい本を意味する「新本」などがあります。
古本の類語・類義語としては、ある程度使用して新品ではなくなった品物を意味する「中古品」、古い時代に書かれた書物や古い時代に属する書物を意味する「古典」、雑誌などの古い号数のものを意味する「バックナンバー」などがあります。
古書の例文
この言葉がよく使われる場面としては、古書市場で流通している本の総称を表現したい時などが挙げられます。
例文2にある「古書市」とは、古書店や個人が出店し、古い本や希少な本あるいは読まれなくなった本などを販売するイベントです。
古本の例文
この言葉がよく使われる場面としては、古書市場で流通している本の総称を表現したい時などが挙げられます。
例文4にある「古本買取サービス」とは、不要になった本を専門の業者に買い取ってもらうサービスを意味します。買取方法には、店頭買取や出張買取、宅配買取などがあります。
古書と古本という言葉は、どちらも「古い本」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、新刊では手に入らない本や価値が高いとされる本を表現したい時は「古書」を、人の手に渡ったことのある本を表現したい時は「古本」を使うようにしましょう。