似た意味を持つ「ぎちぎち」と「ぎゅうぎゅう」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ぎちぎち」と「ぎゅうぎゅう」という言葉は、どちらも物や人が詰まって隙間がない状態のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ぎちぎち」と「ぎゅうぎゅう」の違い
「ぎちぎち」と「ぎゅうぎゅう」の意味の違い
「ぎちぎち」と「ぎゅうぎゅう」の違いを分かりやすく言うと、「ぎちぎち」は隙間なくきつく詰まっている状態に対して使う、「ぎゅうぎゅう」は押されて圧迫されているような窮屈さに対して使うという違いです。
「ぎちぎち」と「ぎゅうぎゅう」の使い方の違い
一つ目の「ぎちぎち」を使った分かりやすい例としては、「引き出しの中に服がぎちぎちに詰まっている」「財布にカードをぎちぎちに入れてパンパンになった」「会議の予定がぎちぎちで昼食を取る暇もない」「予定がぎちぎちで休む暇がない」などがあります。
二つ目の「ぎゅうぎゅう」を使った分かりやすい例としては、「冷蔵庫の中にぎゅうぎゅうに食材を詰めた」「遊園地の乗り物に子どもたちがぎゅうぎゅう座った」「ぎゅうぎゅうに押されて足が動かせなかった」「満員電車でぎゅうぎゅうに押し込まれる」などがあります。
「ぎちぎち」と「ぎゅうぎゅう」の使い分け方
「ぎちぎち」と「ぎゅうぎゅう」はどちらも物や人が詰まって隙間がない状態のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「ぎちぎち」は「予定がぎちぎちで休む時間がない」「箱の中にぎちぎちに本が詰まっている」のように、隙間なくきつく詰まっている状態に対して使う言葉になります。静的で余裕がないイメージを表現すると覚えておきましょう。
一方、「ぎゅうぎゅう」は「満員電車でぎゅうぎゅうに押し込まれる」「会場は人でぎゅうぎゅうだった」のように、強く押し付けられて圧迫感のある状態に対して使う言葉です。動的で押される窮屈さを表すと覚えておくと良いでしょう。
つまり、隙間なくきつく詰まっている状態に対して使うのが「ぎちぎち」、押されて圧迫されているような窮屈さに対して使うのが「ぎゅうぎゅう」と覚えておきましょう。
h3>「ぎちぎち」と「ぎゅうぎゅう」の英語表記の違い
「ぎちぎち」を英語にすると「packed tight」「jam-packed」「cramped」となり、例えば上記の「予定がぎちぎちで休む暇がない」を英語にすると「My schedule is jam-packed and I don’t have any time to rest」となります。
一方、「ぎゅうぎゅう」を英語にすると「squeezed」「crammed」「packed like sardines」となり、例えば上記の「満員電車でぎゅうぎゅうに押し込まれる」を英語にすると「We were packed like sardines in the crowded train」となります。
「ぎちぎち」の意味
「ぎちぎち」とは
「ぎちぎち」とは、物が隙間なく詰まっている様子のことを意味しています。
表現方法は「ぎちぎちになる」「ぎちぎちのスケジュール」
「ぎちぎちになる」「ぎちぎちのスケジュール」などが、「ぎちぎち」を使った一般的な言い回しになります。
「ぎちぎち」の使い方
「ぎちぎち」を使った分かりやすい例としては、「箱の中にぎちぎちにおもちゃが詰められていた」「荷物をぎちぎちに積んで車の後ろが見えません」「クローゼットは服でぎちぎちになっている」「ペンケースに文房具をぎちぎちに入れすぎた」などがあります。
「ぎちぎち」は隙間がなくきつく詰まっている様子を表すオノマトペです。簡単に言うならば、物や予定などが余裕なく詰め込まれて、ゆとりがまったくない状態を指します。
オノマトペとは、さまざまな状態や動きなどを音で表現すること、つまり擬声語や擬態語を意味するフランス語です。
「ぎちぎち」はオノマトペ
オノマトペは主に自然界にある音や声など、現実に聞こえる音を人の言語で表現しています。また、日本語は他国語よりもオノマトペは多いと言われており、「ぎちぎち」以外には「うきうき」「ふさふさ」「あつあつ」「ギザギザ」「すらすら」「しゅわしゅわ」などがあります。
「ぎちぎち」は、音の響き自体に硬さや詰まり感があり、物理的に無理に押し込んだり、余裕なく詰まっている様子を強調して表現します。
例えば「箱に荷物をぎちぎちに詰める」と言うと、中のものが動かないほど強く押し込まれている様子が目に浮かびます。予定について「スケジュールがぎちぎちだ」と言えば、隙間がなく窮屈な忙しさを直感的に伝えることができます。
「ぎちぎち」の特徴
したがって、「余裕がない」「詰め込みすぎて窮屈」といったニュアンスで使うのが特徴です。
「ぎちぎち」の類語
「ぎちぎち」の類語・類義語としては、予定などが詰まって余裕がないことを意味する「ぎりぎり」があります。
「ぎゅうぎゅう」の意味
「ぎゅうぎゅう」とは
「ぎゅうぎゅう」とは、無理に詰め込んだり押し込んだりすることを意味しています。
表現方法は「ぎゅうぎゅう詰め」「ぎゅうぎゅうになる」
「ぎゅうぎゅう詰め」「ぎゅうぎゅうになる」などが、「ぎゅうぎゅう」を使った一般的な言い回しになります。
「ぎゅうぎゅう」の使い方
「ぎゅうぎゅう」を使った分かりやすい例としては、「バスの中がぎゅうぎゅうで立つのも苦しい」「コンサート会場は人でぎゅうぎゅうだった」「荷物をぎゅうぎゅうに押し込んでふたを閉めた」「映画館は観客でぎゅうぎゅうに混み合っている」などがあります。
「ぎゅうぎゅう」は、物や人が強く押し合って窮屈になっている様子を表すオノマトペです。簡単に言うならば、人や物が押し詰められて動けないほどいっぱいになっている状態を指します。
「ぎゅうぎゅう」は、音の響きに圧迫感や力強さがあり、もの同士や人同士が押し合って狭苦しい状況を生き生きと伝えます。
例えば「満員電車でぎゅうぎゅうになる」と言えば、乗客同士が押されて身動きできないほどの混雑が目に浮かびます。また「ぬいぐるみをぎゅうぎゅうに詰める」と言うと、ぎっしり詰まって圧迫されている様子が伝わります。
「ぎゅうぎゅう」の特徴
したがって、「窮屈」「押し込まれている」といったマイナスのイメージを持つことが多いですが、場面によっては「ぎゅうぎゅうに抱きしめる」のように愛情や親しみを込めて使われることもあるのが特徴です。
「ぎゅうぎゅう」の類語
「ぎゅうぎゅう」の類語・類義語としては、物がみっちり詰まっていることを意味する「びっしり」があります。
「ぎちぎち」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物が隙間なく詰まっている様子のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ぎちぎち」は隙間なくきつく詰まっている状態に対して使う言葉です。
「ぎゅうぎゅう」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、無理に詰め込んだり押し込んだりすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ぎゅうぎゅう」は押されて圧迫されているような窮屈さに対して使う言葉です。
「ぎちぎち」と「ぎゅうぎゅう」はどちらも物や人が詰まって隙間がない状態のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、隙間なくきつく詰まっている状態に対して使うのが「ぎちぎち」、押されて圧迫されているような窮屈さに対して使うのが「ぎゅうぎゅう」と覚えておきましょう。