似た意味を持つ「但馬牛」(読み方:たじまうし)と「神戸牛」(読み方:こうべぎゅう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「但馬牛」と「神戸牛」という言葉は、どちらも「和牛の一種」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
但馬牛と神戸牛の違い
但馬牛と神戸牛の違いを分かりやすく言うと、但馬牛とは但馬地方で飼育されてきた黒毛和種の牛、神戸牛とは但馬牛の中から厳しい基準を満たした牛肉という違いです。
一つ目の但馬牛を使った分かりやすい例としては、「できるだけ質の良い但馬牛を仕入れる」「繁殖農家として但馬牛を育てています」「但馬牛が持つ遺伝情報を解明する」「但馬牛のステーキが給食で提供されました」などがあります。
二つ目の神戸牛を使った分かりやすい例としては、「部長に神戸牛のステーキをご馳走になりました」「海外でも神戸牛の知名度は高くなっています」「神戸牛はインバウンド観光客のお目当ての一つです」などがあります。
但馬牛と神戸牛という言葉は、どちらも和牛の銘柄を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
但馬牛とは、兵庫県但馬地方産の和牛を意味します。在来和牛をブラウンスイス種などで改良したもので、黒毛の先がやや褐色を帯びています。優れた肉質と強力な遺伝力に特徴があり、全国の和牛改良に広く活用され、神戸牛・松阪牛・近江牛など多くの高級牛肉のルーツとなっています。
神戸牛とは、「神戸ビーフ」「神戸肉」とも呼ばれ、但馬牛の中でも厳しい基準をクリアした牛肉に与えられるブランド名です。厳しい認定基準による高品質な牛肉として知られ、松阪牛・近江牛と並んで日本三大和牛に数えられています。
つまり、但馬牛とは但馬地方で飼育されてきた黒毛和種の牛であり、神戸牛とは但馬牛の中から厳しい品質基準を満たした牛肉のことです。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
但馬牛を英語にすると「Tajima Beef」「Tajima Wagyu Beef」となり、例えば上記の「但馬牛を仕入れる」を英語にすると「purchase Tajima beef」となります。
一方、神戸牛を英語にすると「Kobe beef」「Kobe Wagyu Beef」となり、例えば上記の「神戸牛のステーキ」を英語にすると「eat Kobe beef steak」となります。
但馬牛の意味
但馬牛とは、但馬地方で古くから役肉兼用として飼養されてきた和牛を意味しています。
但馬牛を使った分かりやすい例としては、「但馬牛は肉質はとても優れています」「但馬牛はどこで飼育されていますか」「ランチに但馬牛のハンバーグ定食を食べました」「コスパのよい但馬牛のステーキもおすすめです」などがあります。
その他にも、「但馬牛血統証明システムで生産者を確認する」「毎年恒例の但馬牛まつりが開催されました」「但馬牛は和牛のルーツとも言われています」「神戸肉流通推進協議会が但馬牛証明書を発行しています」などがあります。
但馬牛の読み方は、「たじまうし」の他に「たじまぎゅう」と読まれています。多くは、生きている時は「たじまうし」、食肉として加工したものを「たじまぎゅう」と読み分けられています。
但馬牛とは、牛の品種の一つであり、兵庫県の但馬地方に産する黒毛和種の肉用牛を意味します。筋線維が細かく上質の霜降り肉を特徴とし、神戸牛・松阪牛・近江牛などの銘柄牛の素牛となっています。
但馬牛を用いた日本語には「但馬牛血統証明システム」があります。但馬牛血統証明システムとは、神戸肉流通推進協議会が管理するシステムであり、但馬牛の血統情報を確認し、神戸ビーフの偽装を防ぐ目的でつくられました。個体識別番号をもとに、血統情報や生産者情報を確認することができます。
但馬牛の類語・類義語としては、毛色が黒い和牛の一種を意味する「黒毛和牛」、肥育牛や繁殖牛として飼養される前の生後6~12か月の子牛を意味する「素牛」、を意味する「ブランド牛」などがあります。
神戸牛の意味
神戸牛とは、兵庫県で生産される但馬牛のうち、一定の品質基準を満たすものを意味しています。
神戸牛を使った分かりやすい例としては、「神戸牛のステーキをお腹いっぱい食べました」「三宮エリアで神戸牛を食べる予定です」「ランチに神戸牛が楽しめるおすすめレストランはありますか」などがあります。
その他にも、「神戸牛の特徴は上品な甘みと香りです」「神戸牛のディナーコースはおいくらですか」「神戸牛の高級牛丼屋さんに行きました」「神戸牛のステーキにするかハンバーグにするか迷っています」などがあります。
神戸牛とは、但馬牛を素牛として兵庫県で肥育された黒毛和種の牛肉のうち、一定の基準を満たしたものを意味します。松阪牛や近江牛と並んで日本三大和牛に数えられ、「神戸ビーフ」「神戸肉」とも呼ばれています。
神戸牛の主な定義は、兵庫県内で生まれ育った但馬牛であること、未経産牛または去勢牛であること、肉質等級が4等級以上、歩留等級がA等級またはB等級であることなどが挙げられます。但馬牛のうち神戸ビーフになれるのは、50~60%と言われています。
「神戸牛」という名の「生きた牛」は存在しません 「神戸牛」はあくまで「肉」のブランド名です 但馬牛の中でも厳しい基準を満たした牛肉だけが、神戸ビーフ・神戸肉・神戸牛と名乗ることができます
神戸牛の類語・類義語としては、毛色が黒い和牛の一種を意味する「黒毛和種」、肉質の優れた素牛もとうしに濃厚飼料を多く与え通常よりも長期間肥育した牛を意味する「銘柄牛」、三重県松阪市付近で飼育され集められる食肉用の牛を意味する「松坂牛」などがあります。
但馬牛の例文
この言葉がよく使われる場面としては、主に但馬地方産の黒毛和種の牛を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、但馬牛という言葉は、畜産業界や飲食業界において使用されることがほとんどです。
神戸牛の例文
この言葉がよく使われる場面としては、但馬牛を素牛として、兵庫県で肥育された黒毛和種の牛肉のうち一定の基準を満たしたものを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、神戸牛という言葉は、主に飲食に関して使用されています。
但馬牛と神戸牛という言葉は、どちらも「和牛の一種」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、但馬地方で飼育されてきた黒毛和種の牛を表現したい時は「但馬牛」を、但馬牛の中から厳しい品質基準を満たした牛肉を表現したい時は「神戸牛」を使うようにしましょう。