似た意味を持つ「アンサンブル」と「オーケストラ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「アンサンブル」と「オーケストラ」という言葉は、「演奏者の集団」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
アンサンブルとオーケストラの違い
アンサンブルとオーケストラの違いを分かりやすく言うと、アンサンブルは演奏者が少人数である時に使い、オーケストラは演奏者が大人数である時に使うという違いです。
一つ目のアンサンブルを使った分かりやすい例としては、「いつも一人で練習していたが弦楽アンサンブルに興味がある」「アンサンブルコンクールのために練習に励んでいる」「アンサンブルを購入しておけば、子どもの入学式などに着ていける」などがあります。
二つ目のオーケストラを使った分かりやすい例としては、「オーケストラを指揮するのはきっと大変だろう」「年末のオーケストラコンサートに申し込んだため当落発表が楽しみだ」「オーケストラでどんな楽曲を演奏してくれるのだろうか」などがあります。
アンサンブルとオーケストラはどちらも、演奏者の集団を表しますが、性質が若干異なります。
アンサンブルは、少人数の合奏や合唱を意味します。その他にも、同じデザイン、材質や色調の調和のとれた組み合わせを表し、ファッション用語として用いられることもあります。
一方のオーケストラは、管楽器、弦楽器、打楽器の組み合わせで構成された楽団を意味します。10~20名程度の小規模な編成から、50名程度、70名程度、100名を超える大規模な編成があります。
つまり、アンサンブルは演奏者が少人数である場合に用いられ、オーケストラは演奏者が大人数である場合に用いられるという違いがあります。
アンサンブルを英語にすると「ensemble」となり、例えば上記の「弦楽アンサンブル」を英語にすると「a string ensemble」となります。
一方、オーケストラを英語にすると「orchestra」となり、例えば上記の「オーケストラを指揮する」を英語にすると「lead an orchestra」となります。
アンサンブルの意味
アンサンブルとは、少人数の合奏や合唱を意味しています。
その他にも、同じデザイン、材質や色調の調和のとれた組み合わせを意味する言葉として使われています。
「ギターアンサンブルの集まりに参加することになった」「アンサンブル楽譜から練習する楽曲を相談している」「近々、アンサンブルコンサートが開催されるそうだ」などの文中で使われているアンサンブルは、「少人数の合奏や合唱」の意味で使われています。
一方、「アンサンブルは一緒に着る前提で作られているがセットアップは別の衣類と組み合わせられることもある」「アンサンブルはコーディネートを考えなくていい」などの文中で使われているアンサンブルは、「調和のとれた組み合わせ」の意味で使われています。
アンサンブルは英語で「ensemble」と表記され、「調和のとれた全体」「少人数のための合唱曲」「少人数で構成された合唱団」といった意味を持つ言葉です。本来はフランス語で「一緒に」「同時に」「グループ」などを意味する言葉です。
日本語でも同じように使われており、合奏や合唱など二人以上が同時に演奏することや、そのグループに対して用いられている言葉です。
また、一揃いの服を指すファッション用語としても使われており、ワンピースとジャケットや、スカートとブラウスなど組み合わせて使うために作られているため、調和がとれていることからアンサンブルと呼ばれています。
アンサンブルの対義語・反対語としては、一人で楽器の演奏を行うことを意味する「独奏」、一人で歌うことを意味する「独唱」があります。
アンサンブルの類語・類義語としては、演奏家たちが集まって行う即興的な演奏を意味する「セッション」、一台のピアノを二人で演奏することを意味する「連弾」などがあります。
オーケストラの意味
オーケストラとは、管楽器、弦楽器、打楽器の組み合わせで構成された楽団を意味しています。
オーケストラを使った分かりやすい例としては、「室内オーケストラが催されると聞いたため、予定を空けてある」「日本で有名なオーケストラは一体どこだろうか」「オーケストラを指揮する指揮者も大変な仕事だと思う」などがあります。
その他にも、「オーケストラのように音が周りとバッチリ重なった時練習の成果が出て気持ちいいと感じるのだろうか」「オーケストラや合唱団など音楽に興味はあるものの自分でやってみようとは思ったことがない」などがあります。
オーケストラは英語で「orchestra」と表記され、「管弦楽団」「一等席」「一階」といった意味を持つ言葉です。日本語でも「管弦楽団」や「管弦楽団によって演奏される楽曲」を意味しますが、その他の意味では使われていません。
標準的な人数は50名程度とされていますが、上記例文の「室内オーケストラ」は10名から20名程度の小規模なオーケストラを指します。
また、主要な管楽器奏者数によっては、二管編成、三管編成、四管編成と呼ばれ、75名程度となる場合や100名を超える場合もあり、1000名以上の演奏家が必要とされる楽曲も存在します。
オーケストラの対義語・反対語としては、歌唱や演奏、演技などを一人で行うことを意味する「ソロ」があります。
オーケストラの類語・類義語としては、大人数で編成された楽団を意味する「ビッグバンド」などがあります。
アンサンブルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、少人数の合奏や合唱を意味する時などが挙げられます。
例文4や5のように、同じデザイン、材質や色調の調和のとれた組み合わせを表す言葉として使われることもあります。
オーケストラの例文
この言葉がよく使われる場面としては、管楽器、弦楽器、打楽器の組み合わせで構成された楽団を意味する時などが挙げられます。
標準的な人数は50名程度ですが、10名程度である場合や100名を超えるオーケストラ団体も存在します。
アンサンブルとオーケストラは、どちらも「演奏者の集団」を表します。どちらを使うか迷った場合は、演奏者が少人数である場合は「アンサンブル」を、演奏者が大人数であるを表す場合は「オーケストラ」を使うと覚えておけば間違いありません。