【尻拭い】と【肩代わり】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「尻拭い」(読み方:しりぬぐい)と「肩代わり」(読み方:かたがわり)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「尻拭い」と「肩代わり」という言葉は、どちらも他人の問題を引き受けることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「尻拭い」と「肩代わり」の違い

「尻拭い」と「肩代わり」の違いを分かりやすく言うと、「尻拭い」はマイナスのイメージで使うことが多い、「肩代わり」はマイナスとプラスどちらのイメージでも使うという違いです。

一つ目の「尻拭い」を使った分かりやすい例としては、「上司のミスの尻拭いをさせられて残業になった」「彼の尻拭いばかりしていて、自分の仕事が全然進まない」「部下の失敗の尻拭いをするのも上司の仕事だと思っている」などがあります。

二つ目の「肩代わり」を使った分かりやすい例としては、「友人の借金を肩代わりすることになってしまった」「会社が取引先の損失を肩代わりした」「親が子どものローンを肩代わりして支払っている」などがあります。

「尻拭い」と「肩代わり」はどちらも他人の問題を引き受けることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「尻拭い」は他人の失敗や不始末の後始末をする場合に使います。たとえば「彼の尻拭いばかりしている」のように、自分とは直接関係のない他人のミスを処理させられている不満や迷惑のニュアンスが強く、日常会話ではややネガティブな使い方が多いです。

一方、「肩代わり」は他人の負担を代わりに引き受ける場合に使います。たとえば、「借金を肩代わりする」「責任を肩代わりする」のように、より正式で現実的な負担を替わって担うときに使う言葉です。

また、必ずしもネガティブな印象ではありません。むしろ「助ける」「救う」といった意味合いを持つこともあります。

つまり、マイナスのイメージで使うことが多いのが「尻拭い」、マイナスとプラスどちらのイメージでも使うのが「肩代わり」と覚えておくとよいでしょう。

「尻拭い」の意味

「尻拭い」とは、他人の失敗などの後始末をすることを意味しています。

「ミスの尻拭い」「トラブルの尻拭い」「後始末の尻拭い」などが「尻拭い」を使った一般的な言い回しになります。

「尻拭い」を使った分かりやすい例としては、「部下の失敗の尻拭いをさせられて、残業が増えた」「上司のトラブルの尻拭いを任されて大変だった」「プロジェクトの遅れを私が尻拭いする羽目になった」などがあります。

「尻拭い」とは、他人の失敗や不始末の後始末をすることを意味する言葉です。

「尻拭い」は、他人のミスや問題を自分が処理するというニュアンスが強く、ややマイナスなイメージで使われることが多いのが特徴です。

例えば、「部下のミスの尻拭いをして疲れた」のように、面倒な後始末や負担を自分が引き受ける様子を表します。また、「上司の尻拭いで休日も潰れてしまった」のように、自分とは直接関係のない問題に巻き込まれる場合にも使われます。

日常会話やビジネスの場面で、ネガティブな迷惑や不満のニュアンスを含めて使われることが多い言葉であると覚えておきましょう。

「尻拭い」の類語・類義語としては、他人の問題を処理することを意味する「後始末をする」などがあります。

「肩代わり」の意味

「肩代わり」とは、負債や面倒な仕事などを他にかわって引き受けることを意味しています。

「借金を肩代わりする」「責任を肩代わりする」「支払いを肩代わりする」などが「肩代わり」を使った一般的な言い回しになります。

「肩代わり」を使った分かりやすい例としては、「友人の借金を肩代わりして返済することになった」「上司のミスの責任を部下が肩代わりした」「会社が取引先の損失を肩代わりする形で解決した」などがあります。

「肩代わり」とは、本来は他人が負うべき負担や責任、特に金銭的な義務を代わって引き受けることを意味する言葉です。

「肩代わり」は、金銭的・責任的な重荷を「自分の肩で担う」イメージから生まれた表現で、誰かの負担を代わって引き受けるというニュアンスで使います。

例えば、「親が子どものローンを肩代わりした」のように、家族や身近な人の経済的な負担を助ける場面でよく使われます。また、「上司の責任を部下が肩代わりした」のように、職場などで他人の責任を引き受ける意味でも使うことがあると覚えておきましょう。

「肩代わり」は「尻拭い」と違い、必ずしもマイナスなイメージではなく、「助ける」「支える」といったプラスのイメージでも使うことがあります。また、ビジネスシーンや法律的な文脈でも用いられる、ややフォーマルな言葉です。

「肩代わり」の類語・類義語としては、他人の負担を引き受けることを意味する「引き受ける」などがあります。

「尻拭い」の例文

1.上司のミスの尻拭いをさせられて、今日も残業せざるを得ませんでした。
2.部下の失敗の尻拭いをするたびに、自分の仕事が全く進まないのです。
3.プロジェクトのトラブルは私が尻拭いをして、なんとか形にしました。
4.友人の借金トラブルの尻拭いをするのは、精神的にも大変です。
5.取引先とのトラブルはすべて私が尻拭いをして、会社の信用を守りました。

この言葉がよく使われる場面としては、他人の失敗などの後始末をすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「尻拭い」はマイナスのイメージで使うことが多い言葉です。

「肩代わり」の例文

1.友人の借金を肩代わりすることになり、生活に影響が出てしまいました。
2.会社が取引先の損失を肩代わりして、信頼関係を守る努力をしています。
3.親が子どもの学費を肩代わりするのは、よくある家族の支援です。
4.同僚の責任を肩代わりして、プロジェクトを予定通り進めました。
5.上司が私のミスを肩代わりしてくれたおかげで、事態は大事になりませんでした。

この言葉がよく使われる場面としては、負債や面倒な仕事などを他にかわって引き受けることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「肩代わり」はマイナスとプラスどちらのイメージでも使う言葉です。

「尻拭い」と「肩代わり」はどちらも他人の問題を引き受けることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、マイナスのイメージで使うことが多いのが「尻拭い」、マイナスとプラスどちらのイメージでも使うのが「肩代わり」と覚えておくとよいでしょう。

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