【入院】と【外来】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「入院」(読み方:にゅういん)と「外来」(読み方:がいらい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「入院」と「外来」という言葉は、どちらも「病院で診察や治療を受けること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




入院と外来の違い

入院と外来の意味の違い

入院と外来の違いを分かりやすく言うと、入院とは病室に滞在して治療を受けること、外来とは病室を利用せずに治療を受けることという違いです。

入院と外来の使い方の違い

一つ目の入院を使った分かりやすい例としては、「娘に入院手続きをお願いする」「日帰り入院で簡単な手術をしました」「入院セットの内容と費用の説明を受ける」「入院中の暇つぶしにラジオをプレゼントして喜ばれた」などがあります。

二つ目の外来を使った分かりやすい例としては、「外来患者を案内するシステムを導入しました」「救急外来では院内トリアージを実施しております」「新たに外来感染対策向上加算が設けられました」「外来カミキリムシを駆除する」などがあります。

入院と外来の使い分け方

入院と外来という言葉は、どちらも病院などの医療機関で診察や治療を受けることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

入院とは、ある一定の期間、診察や治療あるいは検査などを受けるために病院に入ることを意味します。病室に入室して病棟看護師の介助を受けながら、より専門的な治療を受けることができます。上記例文の「日帰り入院」とは、病室を利用しますが入院日と退院日が同じ日になります。

外来とは、もともと「外部から来ること」と意味しますが、医療機関においては、患者が病院に通って診察や治療を受けることを表す言葉です。外来は通院することであり、病室やベッドを利用することはありません。

つまり、入院とは病室に滞在して診察や治療を受けることであり、外来とは病室を利用せずに通院して診察や治療を受けることです。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

入院と外来の英語表記の違い

入院を英語にすると「hospitalization」「hospital admission」となり、例えば上記の「入院手続き」を英語にすると「hospitalization procedures」となります。

一方、外来を英語にすると「ambulatory」「imported」「outpatient」となり、例えば上記の「外来患者を案内する」を英語にすると「guide outpatients」となります。

入院の意味

入院とは

入院とは、院と名のつくところに入ること、特に、病気やけがの治療などのために一定の期間病院に入ることを意味しています。

その他にも、「僧侶が住職となって寺院に入ること」の意味も持っています。

入院の使い方

「入院に必要なものはまとめてあります」「入院中の祖母をお見舞いしました」「入院費用の相場をネットで調べています」「入院保険に入っていて良かったです」「入院時食事療養費を確認する」などの文中で使われている入院は、「一定の期間病院に入ること」の意味で使われています。

一方、「順調にいけば3代目住職の入院は来年度になりそうです」「入院式は明日の午後1時から奉修される予定です」などの文中で使われている入院は、「僧侶が住職となって寺院に入ること」の意味で使われています。

入院の読み方

入院の読み方は「にゅういん」の他に「じゅいん」とも読みますが、一般的には「にゅういん」と読まれています。

入院とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、一般的には「院と名のつくところに入ること、一定の期間病院に入ること」の意味で使用されている言葉です。入院の「入」は特定のものの中へはいることを表し、「院」は垣根をめぐらした庭や建物を表します。

表現方法は「入院保険」

入院を用いた日本語には「入院保険」があります。入院保険とは、「医療保険」とも呼ばれるもので、病気やケガで入院したり手術を受けたときに給付金が受取れる保険を意味します。被保険者が入院した場合に受け取れる給付金を「入院給付金」と言います。

入院の対義語

入院の対義語・反対語としては、 入院していた患者が病状が回復して病院から出ることを意味する「退院」などがあります。

入院の類語

入院の類語・類義語としては、病院などへ治療を受けに通うことを意味する「通院」、病気やけがの手当てをして健康の回復をはかることを意味する「療養」などがあります。

外来の意味

外来とは

外来とは、外国から来ることを意味しています。

その他にも、「外部から来ること」「病院に通って診察や治療を受けること、また、その人」の意味も持っています。

外来の使い方

「外来種の動物と植物の一覧表を作成する」「害虫であるヒアリは特定外来生物です」「身近な外来語を一覧にしました」などの文中で使われている外来は「外国から来ること」の意味で、「外来者の立ち入りは固く禁じます」の文中で使われている外来は「外部から来ること」の意味で使われています。

一方、「一日あたりの外来患者数は減少傾向にあります」「病院のホームページにある外来診療担当表をチェックする」「外来服薬支援料の算定要件を確認してください」などの文中で使われている外来は、「病院に通って診察や治療を受けること」の意味で使われています。

外来の読み方

外来の読み方は「がいらい」です。誤って「げらい」「がいく」などと読まないようにしましょう。

外来とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられるため、文脈により意味を捉える必要があります。外来の「外」は一定の範囲から離れた外側、「来」は空間的あるいは時間的に近づくことを表す漢字です。

表現方法は「外来生物」

外来を用いた日本語には「外来生物」があります。外来生物とは、もともとその地域にいなかったのに、人間の活動によって意図的または非意図的に持ち込まれた生物を意味します。「外来種」とは、外来生物を種単位で表した言葉です。

外来の対義語

外来の対義語・反対語としては、今までふつうにあったことを意味する「在来」などがあります。

外来の類語

外来の類語・類義語としては、遠く外国から渡ってくることを意味する「渡来」、外国から伝わってくることを意味する「伝来」、外国から船によって運ばれてくることを意味する「舶来」などがあります。

入院の例文

1.少年院に入院している間はスマホを所持できないので、SNSもスマホゲームもできません。
2.パジャマやタオルなどの入院セットをレンタルしたので、それなりに費用がかさみました。
3.長い入院中に英語の勉強をしていたので、退院後のTOEIC試験では高得点を取ることができました。
4.病院でもらった入院の流れを書いたフローチャートをもとに、今後のスケジュールを家族と相談するつもりです。
5.病院で渡された入院の準備リストには必要最低限の持ち物しか載ってなかったので、入院生活にあってよかったものをネットで検索しました。

この言葉がよく使われる場面としては、治療や検査を受けるためにある期間病院に入ることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、入院という言葉は、少年院や病院など「院」と付く名称の施設に入ることを表す際に使用されています。

外来の例文

1.外来種は在来生態系に大きな影響を与えるので、環境問題を引き起こす危険性があります。
2.カステラやストレスなど外来語のほとんどはカタカタで表記され、日本に浸透しています。
3.予約なしでも病院で外来診察を受けることはできますが、待ち時間が長くなる可能性が高くなります。
4.大きな病院は、紹介状をもたない外来患者さんに対して、選定療養費を徴収しなければいけません。
5.外来リハビリを受けられるかどうかには条件があるので、希望すれば誰でも利用できるわけではありません。

この言葉がよく使われる場面としては、外国や他の土地などから来ること、外部から来ること、患者が病院に外部から通うこと、また、その患者を表現したい時などが挙げられます。

例文2にある「外来語」とは、他の言語から借用し、自国語と同様に使用するようになった語を意味します。例文5の「外来リハビリ」とは「外来リハビリテーション」の略で、在宅で生活を送りながら当院に通院して行うリハビリテーションを指します。

入院と外来という言葉は、どちらも「医療機関で診察や治療を受けること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、病室に滞在して診察や治療を受けることを表現したい時は「入院」を、病室を利用せず診察や治療を受けることを表現したい時は「外来」を使うようにしましょう。

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