似た意味を持つ「ロケット」と「ミサイル」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ロケット」と「ミサイル」という言葉は、「搭載された機能によって飛翔する装置」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ロケットとミサイルの違い
ロケットとミサイルの意味の違い
ロケットとミサイルの違いを分かりやすく言うと、ロケットは誘導装置を持たないものを表現する時に使い、ミサイルは誘導装置を持つものを表現する時に使うという違いです。
ロケットとミサイルの使い方の違い
一つ目のロケットを使った分かりやすい例としては、「ロケットエンジンの仕組みについて調べている」「ロケットの燃料には固体のものと液体のものがある」「ロケットはどうして宇宙まで飛ぶことができるのだろうか」などがあります。
二つ目のミサイルを使った分かりやすい例としては、「核ミサイルは日本に落ちた場合多くの死傷者が出ることになる」「ミサイルの速度はどのくらいの速さなのだろうか」「国産の新型ミサイルは様々な役割を担うそうだ」などがあります。
ロケットとミサイルの使い分け方
ロケットとミサイルはどちらも、搭載された機能によって飛翔する装置を指しますが、若干機能が異なります。
ロケットは、自らの質量の一部を後方に射出し、その反作用で進む力を得る装置を表します。熱や電気、原子力などのエネルギーから動力を得て、その推力を利用して移動するという特徴があります。
一方のミサイルは、自らの推進装置によって飛翔していく軍事兵器を表します。誘導装置も搭載されているため、誘導を受けることで目標へと向かって飛翔することや、自ら誘導を行い進路を変更しながら飛翔することができるという特徴があります。
つまり、ロケットは推進装置のみ搭載されており、ミサイルには推進装置だけでなく誘導装置も搭載されているという違いがあります。
ロケットとミサイルの英語表記の違い
ロケットを英語にすると「rocket」となり、例えば上記の「ロケットエンジン」を英語にすると「a rocket engine」となります。一方、ミサイルを英語にすると「missile」となり、例えば上記の「核ミサイル」を英語にすると「a nuclear missile」となります。
ロケットの意味
ロケットとは
ロケットとは、自らの質量の一部を後方に射出し、その反作用で進む力を得る装置を意味しています。
その他にも、内部に写真や物体を収納できる開閉式の首飾りを意味する言葉として使われています。
ロケットの使い方
「誘導式ロケット弾はもはやミサイルと全く同じである」「ロケットランチャーは肩に担いで手動で照準および発射する兵器だそうだ」などの文中で使われているロケットは、「推力を利用して移動する装置」の意味で使われています。
一方、「父がロケットペンダントに家族の写真を入れていることは知っている」「ロケット型のペンダントをおしゃれだと思い、憧れを覚えている」などの文中で使われているロケットは、「開閉式の首飾り」の意味で使われています。
ロケットは英語で「rocket」と表記され、「爆弾やミサイルなど兵器」「火矢」「突進する」といった意味を持つ言葉です。日本語では、燃料や電気、原子力などのエネルギーを用いて推力を得て進む装置を表す言葉としても使われています。
表現方法は「ロケット弾」
上記例文の「ロケット弾」とは、核弾頭や爆薬などを搭載し、標的や目的地に着弾させる兵器を指す言葉ですが、ミサイルとは異なり誘導がないのが特徴です。
また、内部に写真や物体を収納できる開閉式のネックレスを指す言葉として使われることもありますが、英語では「locket」と表記されるため、飛翔する装置であるロケットとは異なります。
ロケットの類語
ロケットの類語・類義語としては、地球を周回する、他の天体へ行くことを目的とする飛行体を意味する「宇宙船」、飛行機の本体やエンジン以外の部分を意味する「機体」などがあります。
ミサイルの意味
ミサイルとは
ミサイルとは、自らの推進装置によって飛翔していく軍事兵器を意味しています。
ミサイルの使い方
ミサイルを使った分かりやすい例としては、「弾道ミサイルが発射された場合にわずかな時間で到達してしまうと言われている」「ミサイルの威力は考えたことはないが、間違いなく生物の命は失われるだろう」などがあります。
その他にも、「ミサイルは何のために開発されたのだろうかと子どもが悩んでいた」「ミサイルが日本に落ちたら一体どうなるのだろうか」「弾道ミサイルを想定した資料もいくつかインターネットに掲載されている」などがあります。
ミサイルは英語で「missile」と表記され、「誘導弾」「飛び道具」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われており、目標に向かって誘導されて飛行するものもあれば、自ら進路を変更しながら飛行するものもあります。
日本では、弾道ミサイルが発射された場合、人工衛星などで探知を行い、落下地点を予測します。必要であれば、迎撃ミサイルをいくつか撃つことで着弾前に破壊することができ、被害を防ぐことができるとされています。
表現方法は「弾道ミサイル」
上記例文の「弾道ミサイル」とは、大気圏上層や大気圏外を弾道飛行して目標へ到達するミサイルを指す言葉で、核弾頭が積まれたものは「戦略ミサイル」、通常弾頭が積まれたものは「戦術ミサイル」と呼ばれています。
ミサイルの類語
ミサイルの類語・類義語としては、矢と弾丸を意味する「矢玉」、遠くから飛ばして敵を撃つための武器を意味する「飛び道具」などがあります。
ロケットの例文
この言葉がよく使われる場面としては、自らの質量の一部を後方に射出し、その反作用で進む力を得る装置を意味する時などが挙げられます。
例文5のように、内部に写真や物体を収納できる開閉式のネックレスを指す言葉として使われることもあります。
ミサイルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、自らの推進装置によって飛翔していく軍事兵器を意味する時などが挙げられます。
どのミサイルも、推進装置だけでなく、誘導装置を搭載しており、目標までたどり着くための情報をミサイル内部の機能で行ったり、人工衛星からの信号を用いて誘導するといった特徴を持ちます。
ロケットとミサイルは、どちらも「搭載された機能によって飛翔する装置」を表します。どちらを使うか迷った場合は、誘導装置を持たないものを表す場合は「ロケット」を、誘導装置を持つものを表す場合は「ミサイル」を使うと覚えておけば間違いありません。