【奇策】と【秘策】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「奇策」(読み方:きさく)と「秘策」(読み方:ひさく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「奇策」と「秘策」という言葉は、どちらも「とっておきの策」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




奇策と秘策の違い

奇策と秘策の違いを分かりやすく言うと、奇策とは奇想天外な策、秘策とは隠していた策という違いです。

一つ目の奇策を使った分かりやすい例としては、「奇策を弄することでピンチを乗り越えてきた」「敵の意表を突く奇策で勝利を収めた」「奇策をもって敵を翻弄する」「彼のアイデアは奇策と言えるほど斬新だった」などがあります。

二つ目の秘策を使った分かりやすい例としては、「政治家の秘書として秘策を練る」「血糖値を下げる秘策があるんです」「経済学者が投資における秘策を伝授します」「SNSマーケティングを活用した秘策を打つ」などがあります。

奇策と秘策という言葉は、どちらも窮地に追い込まれた場面で使う特別な策を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

奇策とは、普通の人は思いつかないような、奇抜ですぐれたはかりごとや計略を意味します。常識にとらわれないユニークな策であり、奇抜で変わっていることの意味合いが強い言葉です。

秘策とは、知られていない策や、ひっそりと陰で練った策略を意味します。奥の手として隠していた手段や、秘匿性のある策であり、秘密にして隠していたことの意味合いが強い言葉です。

つまり、奇策とは奇想天外なさまを表し、秘策とは隠しているさまを表します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

奇策を英語にすると「ingenious scheme」「curious plan」となり、例えば上記の「奇策を弄する」を英語にすると「resort to ingenious schemes」となります。

一方、秘策を英語にすると「secret plan」「secret measures」となり、例えば上記の「秘策を練る」を英語にすると「work out a secret plan」となります。

奇策の意味

奇策とは、人の予想もしない奇抜なはかりごとを意味しています。

奇策を使った分かりやすい例としては、「圧倒的な劣勢下で奇策を講じる」「城を攻略するために水攻めの奇策をとる」「彼は策士ならぬ奇策士を自称している」「水面下で奇策を仕掛けることにした」などがあります。

その他にも、「奇策妙計のクマ対策が話題になっています」「ミーティングでは様々な奇策妙案が飛び出した」「会社経営に奇手奇策はありません」「奇策を弄することで様々なピンチを乗り越えてきた」などがあります。

奇策の「奇」は訓読みで「あやしい」と読み、普通とは違っていることを表し、「策」は訓読みで「むち」と読み、はかりごとや計画を立てることを表します。奇策とは、人の思いつかない変わったはかりごとを意味します。

奇策を用いた四字熟語には「奇策妙計」があります。奇策妙計とは、誰も思いつかないような奇抜ですぐれたはかりごとを意味します。「妙計」は巧妙な計略、すぐれた計略を表す熟語です。

奇策の対義語・反対語としては、へたな方策やまずいやり方を意味する「愚策」などがあります。

奇策の類語・類義語としては、普通では考えつかないような巧みな計略を意味する「奇計」、すぐれた策略や巧妙なはかりごとを意味する「妙策」、有利な方策や利益のある方法を意味する「得策」、後始末をうまくつけるための方法を意味する「善後策」などがあります。

秘策の意味

秘策とは、密かに練った策略、だれも知らない素晴らしい策を意味しています。

秘策を使った分かりやすい例としては、「売り上げ倍増の秘策を打つ」「私にだけ早く最後の秘策を教えてよ」「ハチャメチャな秘策を実行に移す時が来た」「ハンターはクマを駆除する秘策を編み出した」などがあります。

その他にも、「私には秘策があるので大丈夫です」「彼に秘策を伝授するつもりです」「実は大逆転の秘策があるんです」「マクロ的な視点で市場攻略の秘策を講じる」「セミナー参加者には面接で成功する秘策を教えます」などがあります。

秘策の「秘」は訓読みで「ひめる」と読み、人知では知りがたいほど奥深いこと、隠して内容が知られないようにすることを表します。はかりごとを表す「策」と結び付き、秘策とは、人に知られていない特別な策略、秘密のはかりごとを意味します。

秘策の対義語・反対語としては、つたない策略を意味する「拙策」などがあります。

秘策の類語・類義語としては、秘密のはかりごとを意味する「秘計」、良いはかりごとや良策を意味する「良計」、できる限りのてだてやあらゆる方策を意味する「万策」、政治などを行うに際して実地にとる策を意味する「施策」などがあります。

奇策の例文

1.何事も下手に奇策を講じるより、王道を行く方が成功する可能性が高いと思います。
2.両軍は共にいっさいの奇策を弄することなく、正々堂々と対決しました。
3.奇策はそれなりに成功する見込みがあっても、裏目に出ることもたくさんあります。
4.奇策妙案などない営業の世界は、誠心誠意にお客様の役に立つという気持ちが大事なのです。
5.この修羅場をくぐり抜けるには、何か奇策妙計をひねり出すしかないだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、人の意表をついた奇抜なはかりごとを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、奇策の慣用的な言い回しには「奇策を講じる」「奇策を弄する」「奇策妙案」などがあります。「奇策妙案」とは、人の意表を突くような非常にすぐれたアイデアを意味します。

秘策の例文

1.ライバルが多い先輩を射止めるためには、秘策を練る必要があるだろう。
2.英語のテストで高得点を取る秘策はないので、毎日コツコツ勉強するしかありません。
3.秘策など持ち合わせていませんでしたが、不撓不屈の精神で難関を突破しました。
4.SNSでフォロワー数を倍増させる秘策を、いくつかご紹介します。
5.経営コンサルタントに、新規顧客を獲得する秘策を考えてもらいました。

この言葉がよく使われる場面としては、巧みな計画や妙算を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、秘策の慣用的な言い回し、慣用的な表現には「秘策を練る」「秘策はない」などがあります。「秘策を練る」とは、人には隠している、とっておきの計略をじっくりと時間をかけて考えて作り上げることです。

奇策と秘策という言葉は、どちらも「とっておきの策」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、奇抜な策を表現したい時は「奇策」を、秘密の策を表現したい時は「秘策」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター