【資する】と【寄与する】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「資する」(読み方:しする)と「寄与する」(読み方:寄与する)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「資する」と「寄与する」という言葉は、どちらも役に立つことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




資すると寄与するの違い

資すると寄与するの意味の違い

資すると寄与するの違いを分かりやすく言うと、資するとは物事を成り立たせること、寄与するとは人や社会の役立つことという違いです。

資すると寄与するの使い方の違い

一つ目の資するを使った分かりやすい例としては、「豊かな心の醸成に資することに鑑みます」「資することを目的として実施しました」「地域経済活性化に資する活動をしている」「産業の発展に資する」などがあります。

二つ目の寄与するを使った分かりやすい例としては、「文明の発展に寄与する」「地域の発展に寄与することを目的として設立されました」「企業経営に寄与することが大きい」などがあります。

資すると寄与するの使い分け方

資すると寄与するは、どちらも役に立つという非常に似た意味を持つ言葉なので、使い分けに注意してください。資するは、何か物事を進める上で助けになることや役に立つことをする意味に対して、寄与するは、直接人や社会の役に立つ時に使うというのが違いになります。

また、資するは目的や方針を成り立たせるために使う言葉なので、基本的に物事にのみ使用するのに対して、寄与するは直接的に人や社会の役に立つ時に使う言葉なので、人に対しても使用できるというのも違いになります。

例えば上記の「産業の発展」を例に挙げてみます。「産業の発展に資する」とした場合、産業の発展させるための目的や方針を成り立たせるという意味になっています。

もう一方の「産業の発展の寄与する」とした場合、産業を発展させるために直接役に立つことをするというという意味になっています。

資すると寄与するの英語表記

資するも寄与するも英語にすると「contribute to」となり、例えば上記の「産業の発展に資する」を英語にすると「Contribute to industrial development」となります。

資するの意味

資するとは

資するとは、ある物事の助けや役に立つことを意味しています。

資するの使い方

資するを使った分かりやすい例としては、「コミュニティ醸成に資する活動を始めました」「防災に資するボランティア活動の促進に関する会に参加する」「当社経営に資するところが大きいと判断しました」「漁業組合に資するための事業に係る経理を取り扱っている」などがあります。

資するという言葉は、ある物事の助けや役に立つことを意味しているため、基本的に物事に対して使います。

例えば上記の「防災に資するボランティア活動の促進に関する会に参加する」を例に挙げると、災害が起きた場合のボランティア活動を成り立つように援助する、という意味で資するを使っています。

目的に対して機能を持たせ、成り立たせる時に使う言葉と覚えておけばイメージしやすいはずです。

資するは難しい言葉なので、見かけたことがある人も少ないはずです。強いて言えば、テレビの報道や新聞などで使われることがあります。

表現方法は「発展に資する」「資する活動」「活性化に資する」

「資することを目的として」「発展に資する」「資する活動」「活性化に資する」「向上に資する」などが、資するを使った一般的な表現方法になります。また、役に立つことの意味を持っているため、プラスなイメージで使う言葉です。

資するの類語

資するの類語・類義語としては、他人の仕事を助けることを意味する「手助け」、不足してるところを補い助けることを意味する「補助」、困難な状況や危険に陥ってる人を助けることを意味する「救援」、面倒をみることを意味する「世話」などがあります。

資するの資の字を使った別の言葉としては、特定の目的のために用意され使われるお金のことを意味する「資金」、元手となる財産のことを意味する「資財」、個人や法人などが所有するお金や土地のことを意味する「資産」、必要とする経費のことを意味する「資用」などがあります。

寄与するの意味

寄与するとは

寄与するとは、人や社会の役に立つことを意味しています。

寄与するの使い方

寄与するを使った分かりやすい例としては、「産業の発展に寄与する」「人材の育成に寄与することを目指しています」「医療の発展に寄与することを目的としています」「日本経済活性化に寄与することを希望しています」などがあります。

寄与するは、何かを行うことで直接的に人や社会の役に立つという意味で使う言葉です。そのため、プラスなイメージでしか使わない言葉になります。

例えば上記の「医療の発展に寄与することを目的としています」を例に挙げると、医療技術を発展させて社会の役に立つことをするという意味になっています。人や社会から求められてることを満たす時に使うと覚えておけばイメージしやすいはずです。

表現方法は「発展に寄与する」「活性化に寄与する」「向上に寄与する」

「寄与することを目的として」「発展に寄与する」「活性化に寄与する」「向上に寄与する」「寄与することが大きい」などが、寄与するを使った一般的な表現方法になります。

寄与するの類語

寄与するの類語・類義語としては、他人や物事のために我が身を犠牲にして尽くすことを意味する「献身」(読み方:けんしん)、物事や社会のために役立つように尽力することを意味する「貢献」、目的の実現のために力を尽くすことを意味する「尽力」などがあります。

寄与するの与の字を使った別の言葉としては、給料のことを意味する「給与」、相手が欲する物や利益などを当たることを意味する「供与」、金品を人に送ることを意味する「贈与」、事業や計画などに加わることを意味する「参与」などがあります。

資するの例文

1.東京オリンピックの気運醸成に資する事業が募集されていたので、応募してみることにした。
2.国益に資さない研究に税金を投入するのはよくないだろう。
3.国民の権利や利益の保護に資することを目的としています。
4.今回の発見は、今後の研究の発展に資するところが大きいです。
5.地域活性化という目的に資するため、次の事業を行うことにしました。
6.生涯を教職に捧げ引退した今、私が出来るのはボランティアを通して青少年の教育に資することくらいだ。
7.NHK受信料の問題の核心は放送内容が公益に資するかどうかということに尽きるのではないか。
8.老若男女問わずスポーツをする機会が増えることは健康増進に資するのでさらに推し進めるべきだ。
9.再生可能エネルギーの促進や社会問題の解決に関心があるので、サステイナビリティ向上に資する投資を行いたいと考えている。

この言葉がよく使われる場面としては、ある物事の助けや役に立つことを表現したい時などが挙げられます。

例文3にように、資することを目的としてという表現はよく使われています。物事や目的を成り立たせる時に使うと覚えておきましょう。

寄与するの例文

1.地域経済の発展に寄与することを目的としています。
2.私は国民の健康に寄与する臨床や疫学研究を行っています。
3.規則正しい生活を送ることが、健康を維持するために寄与することが大きい。
4.新型コロナウイルスの感染拡大の抑制に寄与することを目的として、研究を行っています。
5.世界平和に寄与するために、通訳機の開発を行っています。
6.弊社に来週導入される新しいシステムは、業務のスピードアップに間違いなく寄与するだろう。
7.一見大したことのない発見が、後々科学や医学の発展に寄与した、という話は少なくない。
8.新入社員の先入観のない、いわば常識外れのアイデアが、結果として会社の事業拡大に大きく寄与した。
9.履歴書では「入社した暁には貴社の発展に寄与したい」などと書くが、そんな大それたことができるわけはないと内心思っている。
10.こども食堂の支援を行うことで様々な境遇のこどもたちの健やかな成長に寄与するのではと考えている。

この言葉がよく使われる場面としては、人や社会の役に立つことを表現したい時などが挙げられます。

例文1や例文5のように、寄与することを目的としてという表現はよく使われています。

資すると寄与するは非常に似た意味を持つ言葉なため使い分けが難しいですが、物事や目的を成り立たせることに使う場合は「資する」を、人や社会の役に立つことに使う場合は「寄与する」を使うと覚えておいてください。

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