似た意味を持つ「想定外」(読み方:そうていがい)と「予想外」(読み方:よそうがい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「想定外」と「予想外」という言葉は、どちらも見通しと違うことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
想定外と予想外の違い
想定外と予想外の意味の違い
想定外と予想外の違いを分かりやすく言うと、想定外とは予想の範囲を超えていることを意味し、予想外とは予想と違うことを意味するという違いです。
想定外と予想外の使い方の違い
一つ目の想定外を使った分かりやすい例としては、「想定外の事態で住民が混乱した」「想定外の災害が頻発している」「想定外のエラーが発生しました」「想定外の出来事で頭が真っ白になる」などがあります。
二つ目の予想外を使った分かりやすい例としては、「予想外の返事に耳を疑った」「予想外の出来事に直面する」「当選するとは予想外です」「予想外のことが起きている」「予想外のメリットがあった」などがあります。
想定外と予想外という言葉は、どちらも見通しと違うことを表し、日常生活やビジネスシーンで馴染みのある言葉です。似た表現をする言葉ですが、意味は微妙に異なるので注意が必要です。想定外は予想した範囲を越えていることを意味し、予想外は予想と違った成り行きになることを意味します。
「想定外の災害」と「予想外の災害」の違い
上記の例の「想定外の災害」とは、これぐらいの災害があるだろうと予想していたところ、それ以上の災害であったことを意味します。これが「予想外の災害」となると、災害が起こると予想していなかったところに災害があったことを意味します。
想定外と予想外を比べると、想定外の方が、具体的に予想していたことと異なる様子を表します。また、想定外よりも予想外の方が広い意味で使われると言えます。
想定外と予想外の使い方の違い
想定外も予想外も英語にすると「unexpected」「beyond expectation」となり、例えば上記の「想定外の事態」を英語にすると「unexpected situation」となります。
想定外の意味
想定外とは
想定外とは、事前に予想した範囲を越えていることを意味しています。
表現方法は「想定外の事態」「想定外の出来事」「想定外です」
「想定外の事態」「想定外の出来事」「想定外です」「想定外の事象」などが、想定外を使った一般的な表現方法です。
想定外の使い方
想定外を使った分かりやすい例としては、「想定外の来場数で会場は混乱した」「想定外の事態に対応しきれない」「想定外のことが起きても慌てるな」「想定外外力に耐えた橋梁だ」などがあります。
その他にも、「想定外のエラーにより注文が完了しませんでした」「想定外のパケット受信量だ」「天災の想定外と社会資本の整備限界」「想定外の質問に戸惑う」「市場関係者も想定外の相場の動きになった」などがあります。
想定外という言葉の「想定」とは、予想の範囲を定める、前提条件を決めることを意味します。よって、想定外とは決めていた前提条件を超えていることを表します。
「想定外の来場者数」の意味
上記の例の「想定外の来場者数」とは、予想していた来場者数よりも実際の来場者数が多いことを意味しています。
想定内は過去の流行語大賞
2005年に「想定内」が流行語大賞となり、それ以降「想定内」「想定外」という言葉が多用されるようになりました。当時、受賞した堀江貴文氏が言った「普通に使っていた想定内という言葉が流行語になるなんて、想定外ですね」というコメントも有名です。
想定外の対義語
想定外の対義語・反対語としては、事前に予想した範囲の内に収まっていることを意味する「想定内」などがあります。
想定外の類語
想定外の類語・類義語としては、予想の立て方をまちがえたり予想と違う結果になることを意味する「見込み違い」、予測できないことを意味する「不足」などがあります。
想定外の定の字を使った別の言葉としては、物事の意味言葉で明確に限定することを意味する「定義」、事実を手がかりにしておしはかって決めることを意味する「推定」、そうではないと打ち消すことを意味する「否定」などがあります。
予想外の意味
予想外とは
予想外とは、予想と違った成り行きとなること、思いのほかを意味しています。
表現方法は「予想外の出来事」「予想外の展開」「想定外の事態」
「予想外の出来事」「予想外の展開」「想定外の事態」などが、予想外を使った一般的な表現方法です。
予想外の使い方
予想外を使った分かりやすい例としては、「試合は予想外の結果だった」「予想外のストーリー展開だ」「自他ともに予想外の昇進だった」「その小説は予想外のオチが面白い」「予想外にもヒットした商品だ」などがあります。
その他にも、「予想外価値を高めてリピートしてもらう」「外出は予想外の出費となった」「事件では予想外の反応が出た」「予想外にもメインより副菜が美味しい」「予想外治療効果が認められた」などがあります。
予想外という言葉の「予想」とは、先行きの見当をつけることを意味します。よって、予想外とは見当が外れることを表します。
「予想外の結果」の意味
上記の例の「予想外の結果」とは、思っていたものとは違う結果であることを意味します。
「予想外価値」の意味
予想外を用いた日本語には「予想外価値」があり、予想をはるかに超える価値を意味するマーケティングで使われる言葉です。顧客価値を、基本価値、期待価値、願望価値、予想外価値の4段階に分け、予想外価値を顧客が感動する最上位の価値として位置付けています。
予想外の対義語
予想外の対義語・反対語としては、予想していたとおりに事が運ぶさまを意味する「案の定」、予期したとおりになるさまを意味する「果然」などがあります。
予想外の類語
予想外の類語・類義語としては、考えていた状態と非常に違っていることを意味する「意外」、思いもよらないことを意味する「意想外」、予想が外れることを意味する「案外」などがあります。
予想外の予の字を使った別の言葉としては、事の成り行きや結果を前もっておしはかることを意味する「予測」、前もって判断することを意味する「予断」、前もって期待することを意味する「予期」などがあります。
想定外の例文
この言葉がよく使われる場面としては、事前に予想した範囲を越えていることを表現したい時などが挙げられます。
例文2にある「想定外の水しぶき」とは、水しぶきの範囲を予想していけれど、予想していた範囲を超える水しぶきであったことを表しています。例文5の「想定外の災害」とは、地震や台風などの自然現象または事故や伝染病などによる思わぬ災いが予想した範囲を超えていることを表します。
予想外の例文
この言葉がよく使われる場面としては、予想と違った成り行きとなることを表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「予想外の結果」とは、実力から予想される勝敗とは異なる結果になることを意味します。同じ意味の言葉に「番狂わせ」があります。
想定外と予想外という言葉は、どちらも見通しと違うことを表す言葉です。どちらの言葉を使うか迷った場合、予想の範囲を超えていることを表現したい時は「想定外」を、予想と違うことを表現したい時は「予想外」を使うようにしましょう。