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【慣行】と【慣習】と【慣例】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「慣行」(読み方:かんこう)と「慣習」(読み方:かんしゅう)と「慣例」(読み方:かんれい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「慣行」と「慣習」と「慣例」という言葉は、古くからの習慣という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




慣行と慣習と慣例の違い

慣行と慣習と慣例の意味の違い

慣行と慣習と慣例の違いを分かりやすく言うと、慣行は社会や企業団体の習わしを表現する時に使い、慣習は社会の習わしを表現する時に使い、慣例は繰り返してきた習慣を表現する時に使うという違いです。

慣行と慣習と慣例の使い分け方

慣行という言葉は、「慣行的に使われる農薬」「弊社の事業慣行はホームページに掲載されている」などの使い方で、社会や企業団体の昔からの習慣を指します。広く社会的な習慣にも、一つの企業や地域の中での習慣など限定して使うこともできます。

慣習という言葉は、「日本は慣習を大切にする」「無駄な慣習を見直す必要がある」などの使い方で、社会における昔からの習慣を指します。慣行と違って、一企業に限定するような使い方はしません。

慣例という言葉は、「慣例として行なわれる新入社員の自己紹介」「ビールを開けるのは週末の慣例となった」などの使い方で、以前から何度も行われたことによって習慣のようになっている事柄を指すため、古くからの行いでなくとも使うことが出来ます。

これらのことから、古くから存在する習慣であれば慣行や慣習を使い、日常生活で反復して行われてる習慣であれば慣例を使います。また、範囲を限定する場合は慣行を、範囲を社会にまで広げるようにあれば慣習を使います。これらが明確な違いです。

慣行の意味

慣行とは

慣行とは、社会や組織の中で、しきたりとして行われていることを意味しています。

表現方法は「慣行がある」「慣行に従う」「慣行として」

「慣行がある」「慣行に従う」「慣行として」などが、慣行を使った一般的な言い回しです。

慣行の使い方

慣行を使った分かりやすい例としては、「この国にはちょっと変わった手洗いの慣行がある」「転職先の会社ではとりあえず従来の慣行に従うように仕事している」「オンラインではなく対面を重視するのは日本独自の慣行として伝わったものだ」などがあります。

慣行を使った言葉として、「慣行犯」「国際慣行」「慣行農法」があります。

「慣行犯」の意味

一つ目の「慣行犯」とは、一定の犯罪を何度も行う者が犯す罪や犯した人を意味する言葉で、常習犯ともいわれます。お金などをかけて争う賭博や強盗、暴行傷害などは繰り返し起こすことで刑が加えられることとなります。

「国際慣行」の意味

二つ目の「国際慣行」とは、多くの国家が繰り返し行っている対外的な国家行為を意味する言葉です。例えば、領海の外側に水域を一定幅設けて、その水域の中での漁業活動を規制していますが、あくまで法律ではありません。

「慣行農法」の意味

三つ目の「慣行農法」とは、化学的な農薬や化学肥料は使う者の農薬や肥料をたくさん使うわけではなく、法律で認められた農薬や肥料を基準の範囲内で使う一般的な栽培方法です。

これとは別に、有機栽培や自然農法がありますが、前者は農薬は使わないものの有機肥料は使用する方法で、後者は農薬や肥料を使わずに雑草を刈って腐葉土を作り土壌を作り、栽培をする方法です。

慣行の類語

慣行の類語・類義語としては、いつも決まって行われることを意味する「恒例」、世間の習慣を意味する「流俗」、習慣になっている癖を意味する「習癖」、学問や技芸などが向上するように心身を厳しく鍛えることを意味する「修練」などがあります。

慣行の行の字を使った別の言葉としては、ある意思をもってするおこないを意味する「行為」、あることを目的として実際に何かをすることを意味する「行動」、良い行いを意味する「善行」、普段の行いを意味する「品行」などがあります。

慣習の意味

慣習とは

慣習とは、社会において古くから受け継がれてきている生活上のならわしを意味しています。

表現方法は「慣習的」「慣習化」「慣習にとらわれる」

「慣習的」「慣習化」「慣習にとらわれる」などが、慣習を使った一般的な言い回しです。

慣習の使い方

慣習を使った分かりやすい例としては、「日本のサラリーマンは最初はビールを頼むのが慣習的に決まっている」「慣習化された年賀状のやりとりが近年衰退し始めている」「慣習にとらわれるだけでなく新しいものを生み出す必要がある」などがあります。

慣習を使った言葉として、「慣習法」「慣習価格」があります。

「慣習法」の意味

一つ目の「慣習法」とは、古くからの習わしが社会一般の考え方として成立する法律です。国による強制がなくとも人々に法律として意識され守られているもので、文書になっていない不文法の一種でもあるため、六法全書に載っていないということもあります。

「慣習価格」の意味

二つ目の「慣習価格」とは、長きにわたって一定に保たれていた価格が消費者の中に根付いた価格のことです。例えば、自動販売機で買える水は100円であるといった、消費者の心理で固定されてきたものを指すため、心理的価格とも呼ばれます。

消費者の中ではその商品がその値段だと決めつけられているため、いざ値上げするとなった場合購入に抵抗を感じる消費者が増えます。慣習価格を変える場合には、品質やパッケージなどを変えて対応する必要があります。

慣習の類語

慣習の類語・類義語としては、物事を行なう時に最上とされる方法を意味する「定石」、ある時代やある社会における生活上のしきたりを意味する「風俗」、世間一般の習わしを意味する「俗習」、後世に残っている先人の教えを意味する「遺風」などがあります。

慣習の習の字を使った別の言葉としては、生まれてから身に備わる習慣が性質となったものを意味する「習性」、悪い習慣を意味する「悪習」、珍しい風習を意味する「奇習」、普段から癖のように行っている行為を意味する「常習」などがあります。

慣例の意味

慣例とは

慣例とは、繰り返し行われて習慣のようになった事柄を意味しています。

表現方法は「慣例として」「慣例に従う」「慣例に倣う」

「慣例として」「慣例に従う」「慣例に倣う」などが、慣例を使った一般的な言い回しです。

慣例の使い方

慣例を使った分かりやすい例としては、「この会社では慣例として始業時間より前に朝礼が始まる」「新しい土地に引っ越したらそこの慣例に従うしかない」「今までの慣例に倣うことを前提にそこから新しい挑戦をしていきたい」などがあります。

慣例を使った言葉として、「慣例休日」「慣例行事」があります。

「慣例休日」の意味

一つ目の「慣例休日」とは、こどもの日や文化の日のような法律で定められている祝日ではないものの、慣例的に休日となっている日を意味する言葉です。

日本でいうお盆休みは慣例休日に当たりますが、メキシコなどの諸外国における慣例休日はほとんどの企業が休業するような休みであるため、日本の慣例休日とは大きな差があります。

「慣例行事」の意味

二つ目の「慣例行事」とは、繰り返し行われてきた行事のことで、正月の餅つきやバレンタインデーにチョコを渡すといった長く続けられてきた行事を指します。

「恒例行事」もほとんど同じ意味ですが、恒例という言葉よりもさらに長期的に続いているものに対して慣例を使います。しかし、今日では区別して使われることはあまりないため、どちらを使ってもおおむね問題ありません。

慣例の対義語

慣例の対義語・反対語としては、今までに例がないことを意味する「異例」があります。

慣例の類語

慣例の類語・類義語としては、以前からの決まったやり方を意味する「定例」、その土地や国に伝わる生活などの習慣を意味する「風習」、ある社会の中で規範的なものとして古くから受け継がれてきた事柄を意味する「伝統」などがあります。

慣例の例の字を使った別の言葉としては、日を決めて定期的に開く会を意味する「例会」、いつもの年を意味する「例年」、記録に残る先例を意味する「古例」、その社会での一般のならわしを意味する「通例」などがあります。

慣行の例文

1.労使慣行が存在することなどつゆ知らず、気が付けば不利な状態になっていた。
2.こまめなうがいと手洗いの慣行でいくらかの病気を防ぐことができる。
3.論文などの決まった文書の書き方は慣行に従う必要がある。

この言葉がよく使われる場面としては、古くからの習わしとして行われていることを意味する時などが挙げられます。

例文1の「労使慣行」とは、就業規則に明確に記載されていないものの、その企業で長きにわたって行われてきた習慣を意味する言葉です。

例文2の「慣行」は、普段習慣として行うことを意味する慣行です。古くからの習慣ではありません。

慣習の例文

1.古代ヨーロッパでは、親子など血のつながっている家族同士で結婚する近親婚の慣習が存在した。
2.誰の得にもならない行為が慣習化される前に、一度見直すべきだ。
3.ドライバーの間で使われている自動車での慣習的なコミュニケーションは、免許を持っていないとわからない。

この言葉がよく使われる場面としては、社会において昔から受け継がれてきている生活上のならわしを意味する時などが挙げられます。

例文2の「慣習化」とは、社会における生活上の習わしとなることを意味する言葉であるため、この例文ではまだ該当する行為が慣習となっていないことを表しています。

慣例の例文

1.慣例的に処方された薬なのだろうが、大して効いている気がしない。
2.企業としては慣例に倣うだけではなく、何か新しいものに挑戦する必要がある。
3.弊社の取締役は慣例通り5名選ばれるようだ。

この言葉がよく使われる場面としては、繰り返しその行為が行われることで習慣となった事柄を意味する時などが挙げられます。

例文2の「慣例に倣う」という表現で、日頃の習慣の通りにするという意味があります。「慣例に従う」という表現も似たような表現です。

慣行と慣習と慣例どれを使うか迷った場合は、社会や企業団体の古くからの習わしを表す場合は「慣行」を、社会の古くからの習わしを表す場合は「慣習」を、繰り返し行われてきた習慣を表す場合は「慣例」を使うと覚えておけば間違いありません。

言葉の使い方の例文
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