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【重々承知】と【百も承知】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「重々承知」(読み方:じゅうじゅうしょうち)と「百も承知」(読み方:ひゃくもしょうち)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「重々承知」と「百も承知」という言葉は、どちらも十分に分かっていることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「重々承知」と「百も承知」の違い

「重々承知」と「百も承知」の意味の違い

「重々承知」と「百も承知」の違いを分かりやすく言うと、「重々承知」とは目上の人に対しても使える、「百も承知」とは目上の人に対しては使えないという違いです。

「重々承知」と「百も承知」の使い方の違い

一つ目の「重々承知」を使った分かりやすい例としては、「我々のミスであることは重々承知しております」「お忙しいのは重々承知の上でございますが明日の会議へ出席していただけないでしょうか」「ご無理を承知でお願い申し上げます」などがあります。

二つ目の「百も承知」を使った分かりやすい例としては、「ラーメンのスープを飲み干すのが体に悪いのは百も承知です」「無理なお願いなのは百も承知です」「酷いことを言っているのは百も承知です」「南極へ行くのが危険なのは百も承知です」などがあります。

「重々承知」と「百も承知」の使い分け方

「重々承知」と「百も承知」は同じ意味を持つ言葉ですが、使う対象が異なっているのが違いです。

「重々承知」は主に目上の人に対しても使える言葉で、ビジネスシーンにおいてよく使われています。もう一方の「百も承知」は、目下の人だったり同等の人に対して使います。

また、上記の例文の「ラーメンのスープを飲み干すのが体に悪いのは百も承知です」「南極へ行くのが危険なのは百も承知です」などのように、物や場所に対しても使うことが可能です。

「重々承知」と「百も承知」の英語表記の違い

「重々承知」と「百も承知」を英語にすると、「よく知っている」という意味の「I am very aware of that」「I know it only too well」とすることができます。

「重々承知」の意味

「重々承知」とは

「重々承知」とは、十分に分かっていることを意味しています。

「重々承知」の使い方

「重々承知」を使った分かりやすい例としては、「常務がお忙しいのは重々承知しておりますがお願いに参りました」「ご迷惑を重々承知いたしておりますがご連絡のほどよろしくお願いします」などがあります。

「重々承知」の語源

「重々承知」は、十分であることを意味する「重々」と分かっていることを意味する「承知」が合わさった言葉です。そのため、十分に分かっているという意味を持つ言葉になりました。

また、「重々承知」の「重々」を「重重」として「重重承知」とすることも可能です。

「重々承知」は目上の人に使える

「重々承知」は敬語ではないのですが、とても丁寧な言い回しであるため、ビジネスシーンにおいてよく使われています。目下や同等の人だけではなく、目上の人に対して使っても問題ないというのが特徴です。

表現方法は「重々承知しておりますが」「重々承知いたしました」「重々承知した上で」

「重々承知しておりますが」「重々承知いたしました」「重々承知した上で」「重々承知の上で」などが、「重々承知」を使った一般的な言い回しになります。

「重々承知」の類語

「重々承知」の類語・類義語としては、事柄や事情などについて以前から十分に知っていることを意味する「先刻承知」(読み方:せんこくしょうち)などがあります。

「重々承知」の重の字を使った別の言葉としては、同じことを繰り返すことを意味する「重ねる」、極めて大切であることを意味する「重要」、書院などの脇に取り付けた重ね棚のことを意味する「重重棚」(読み方:じゅうじゅうだな)などがあります。

「百も承知」の意味

「百も承知」とは

「百も承知」とは、言われなくても十分に分かっていることを意味しています。

表現方法は「百も承知です」「百も承知だ」「百も承知の助」

「百も承知です」「百も承知だ」「百も承知の助」などが、百も承知を使った一般的な言い回しです。

「百も承知」の使い方

「百も承知」を使った分かりやすい例としては、「百も承知二百も合点です」「タバコが体に悪いのが百も承知だが辞められない」「子育てが大変なのは百も承知です」「余計なお世話なのは百も承知です」などがあります。

「百も承知」の由来

「百も承知」の「百」は、数量が多いことを意味しており、「承知」は分かっていることを意味しています。これが転じて、十分に何から何まで分かっているという意味で使うようになりました。

また、いつの時代から使われているか明確にはなっていないのですが、江戸時代の古典落語に登場している記録があるので、少なくとも江戸時代には使われていた言葉です。

「百も承知」は目上の人には使えない

「百も承知」は、言われなくても十分にも分かっているという意味を持ち、人だけではなく、物、場所、状況などに対しても使えることができます。またビジネスシーンにおいて使う場合は、同等か目下の人に対してしか使えず、目上の人に対しては使うことができません。

ことわざ「百も承知二百も合点」の意味

「百も承知」を使った有名なことわざとしては、「百も承知二百も合点」(読み方:ひゃくもしょうちにひゃくもがってん)があります。「百も承知二百も合点」は、言われなくても十分に分かっていることを意味しており、「百も承知」の意味を強めた言葉です。

他にも、「百も承知二百も合点、三百代言、嘘八百、滑って転んで素寒貧」(読み方:ひゃくもしょうちにひゃくもがってん、さんびゃくだいげん、うそはっぴゃく、すべってころんですかんぴん)ということわざもあります。

「三百代言」は根拠のない適当な話で人を騙すこと、「嘘八百」は多くの嘘のこと、「素寒貧」は全くお金がないことを意味しています。

「百も承知」の類語

「百も承知」の類語・類義語としては、しっかりと理解することを意味する「把握」、詳しい事情も含めて全部分かっていることを意味する「委細承知」(読み方:いさいしょうち)などがあります。

「百も承知」の承の字を使った別の言葉としては、上司や主君から命令を受けてそれを執り行うことを意味する「承る」(読み方:うけたまわる)、承知して引き受けることを意味する「承引」、聞き次善を組んで納得することを意味する「了承」などがあります。

「重々承知」の例文

1.無理なお願いなのは重々承知なのですが、風邪を引いて欠勤した方の代わりに明日出勤をお願い出来ないでしょうか。
2.社長がお忙しいのは重々承知の上で、あえてお願いに参りました。
3.今回の不祥事は弊社の不注意であることを重々承知しております。再発防止に務めて参りますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
4.先日、ご迷惑をお掛けしたことは重々承知しております。大変申し訳ございませんでした。
5.この案件については、リスクがあることも重々承知の上で、実行するように言い渡しました。
6.ご多忙なことは重々承知しておりますが、来月の取引先懇親会でご挨拶をしていただくわけにはいかないでしょうか。
7.弊社のサービスが提供できなかったことは重々承知しております。お客様には大変ご迷惑をおかけしまして大変申し訳ございません。
8.課長がお忙しいのは重々承知の上でございますが、今一度この案を検討していただけないでしょうか。
9.この度は我々のミスであることは重々承知しておりますので、全額返金をさせて頂く所存にございます。
10.御社が要望に応えられない場合もあることは重々承知しておりますが、我々はできる限りの対応を求めているのです。

この言葉がよく使われる場面としては、十分に分かっていることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、ビジネスシーンで使われることが非常に多い言葉になります。

「百も承知」の例文

1.自分も流される危険があるのは百も承知ですが、溺れてる子供を見捨てるわけにはいかない。
2.酒が体に悪いことは百も承知だが、辞めることは一生ないだろう。
3.新型コロナウイルスが流行してるので、飲み屋に行くことが危険なのは百も承知です。
4.彼と私では月とすっぽんなのは百も承知だが、付き合うことを諦めることができません。
5.彼らが付き合っていたことは、周りの人達からしたら百も承知だった。
6.あなたが旅行に行きたい気持ちは百も承知ですが、お金がないので今は節約しなければなりません。
7.父親の反対を受けていることは百も承知ですが、私はその人と結婚したいと思っています。
8.経営に問題点であることは私も百も承知なので、適切にアドバイスをしていきたいと思っています。
9.仕事が忙しくて疲れていることは百も承知ですが、家族との時間を大切にしたいので、休日はドライブに出かけます。
10.自分がこれ以上この会社で上にいけないことは百も承知だが、会社も人も好きなので少しでも役に立ちたいと思う。

この言葉がよく使われる場面としては、言われなくても十分に分かっていることを表現したい時などが挙げられます。

例文1や例文3のような「危険なのは百も承知」、例文2のような「体に悪いのは百も承知」というフレーズはよく使われています。

「重々承知」と「百も承知」どちらを使うか迷った場合は、ビジネスシーンにおいて目上の人に対して使う時は「重々承知」を、同等や目下の人に対して使う時は「百も承知」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
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