似た意味を持つ「となります」と「になります」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「となります」と「になります」という言葉は、どちらも何かが変更や変化した結果のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「となります」と「になります」の違い
「となります」は書き言葉で「になります」は話し言葉
「となります」と「になります」の違いを分かりやすく言うと、「となります」とは書き言葉、「になります」とは話し言葉という違いです。
「となります」と「になります」の使い方
一つ目の「となります」を使った分かりやすい例としては、「お客様からの届く声は私たちにとって大変励みとなります」「今週の日曜日は出勤となります」「本日の営業は午前中となります」などがあります。
二つ目の「になります」を使った分かりやすい例としては、「餃子定食と杏仁豆腐で合計1000円になります」「応援しているチームが勝つことは私にとって励みになります」「この子は明日で2歳になります」などがあります。
「となります」と「になります」の使い分け方
「となります」と「になります」は、どちらも何かが変更や変化した結果のことという同じ意味を持つ言葉ですが、「となります」は書き言葉、「になります」は話し言葉というのが違いになります。
書き言葉とは、日常会話ではあまり使われず主に文章を書くときに使われる言葉のことで、話し言葉とは、話したり聞いたり音声によって伝えれる言葉のことです。
また、使う場面にも少し違いがあります。「となります」は、「今週の日曜日は出勤となります」のように、急にそうなるという突発性や意外性を持った変化に対して使うことが多いです。
もう一方の「になります」は、「この子は明日で2歳になります」のように、当然そうなるという自然的な変化に対して使います。
「となります」と「になります」の英語表記の違い
「となります」も「になります」も英語にすると「change to」「turn into」となり、例えば上記の「今週の日曜日は出勤となります」を英語にすると「This Sunday will change to work」となります。
「となります」の意味
「となります」とは
「となります」とは、何かが変更や変化した結果のことを意味しています。
「となります」の使い方
「となります」を使った分かりやすい例としては、「この競技のエントリーはまもなく締め切りとなります」「こちらのデータにアクセスするためにはパスワードが必要となります」「雨天のため本日の運動会は延期となります」などがあります。
その他にも、「約3時間の長丁場となりますがよろしくお願いします」「営業時間が一部変更となります」「甲子園が中止になるのは戦後初となります」「工事が無事終了したため本日から通常営業となります」などがあります。
「となります」は目上の人に使える
「となります」は、何かが変更や変化した結果のことを意味する「となる」に丁寧語の「ます」がついた敬語になります。そのため、目上の人に対して使っても問題ない言葉です。
「となります」は、何かが変更や変化した結果のことを意味しているので、何かが変更や変化してない場合は使えないと覚えておきましょう。
「本日から通常営業となります」は正しい使い方
例えば上記の「工事が無事終了したため本日から通常営業となります」は、工事をしていたため普段と違う営業時間だったが、無事工事が終了したことにより通常の営業時間に戻るという変化に対して使っているので正しい使い方になります。
「喫煙所はこちらとなります」は間違った使い方
「喫煙所はこちらとなります」という表現は、何かが変更や変化してないので間違った使い方になります。正しい表現方法としては、「喫煙所はこちらでございます」です。
「となります」の類語
となりますの類語・類義語としては、物事の形やようすなどが今までと違った状態になる「変わります」、到達することを意味する「至ります」などがあります。
「になります」の意味
「になります」とは
「になります」とは、何かが変更や変化した結果のことを意味しています。
「になります」の使い方
「になります」を使った分かりやすい例としては、「ラーメンと炒飯でお会計は合計800円になります」「あなたが言う言葉はいつも励みになります」「うちの息子は来月で5歳になります」「酒ばかり飲んでいると病気になりますよ」などがあります。
その他にも、「娘は来年10歳になります」「こちらが今年度の売り上げをグラフにしたものになります」「プログラミングの経験はもう少しで5年になります」「今日はゲームのツイートが多めになります」などがあります。
「になります」は目上の人に使える
「になります」は、何かが変更や変化した結果のことを意味する「になる」に丁寧語の「ます」がついた敬語になります。そのため、目上の人に対して使っても問題ない言葉です。
「になります」は、何かが変更や変化した結果のことを意味しているので、何かが変更や変化してない場合は使えないと覚えておきましょう。
「お会計は合計800円になります」は正しい使い方
上記の例文を参考に間違いやすい例を挙げていきます。「ラーメンと炒飯でお会計は合計800円になります」は、一見誤用に思われやすいのですが、計算すると800円になりますという、状態の変化を表わしている、間違った使い方ではありません。
「ラーメンは500円になります」は間違った使い方
もし「ラーメンは500円になります」とすると、状態の変化を表わしていないので間違った使い方になります。この場合は、「ラーメンは500円でございます」とするのが正しい使い方です。
「となります」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、何かが変更や変化した結果のことを表現したい時などが挙げられます。
例文1のような、「励みとなります」という表現はよく使われています。また、例文5のように、自分の意見ではないけれどお断りさせていただくというニュアンスで使う場合は、無責任と感じ取る人もいるので、使う際は注意が必要です。
「になります」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、何かが変更や変化した結果のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように話し言葉として使われることが多いです。また、例文5のような「になります」の使い方は変化したことを意味していないので間違った使い方になります。
「となります」と「になります」どちらを使うか迷った場合は、「となります」は書き言葉、「になります」は話し言葉と覚えておきましょう。また、突発性や意外性を持った変化に対して使う時は、「となります」、当然そうなるという自然的な変化に対しては「になります」を使います。