【異和感】と【違和感】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「いわかん」という読み方の「異和感」と「違和感」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

異和感と違和感という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




異和感と違和感の違い

異和感は違和感の間違い

異和感と違和感の違いを分かりやすく言うと、異和感とは違和感の間違った使い方、違和感とはしっくりしない感覚のことです。

異和感は誤字

一般的には異和感という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、違和感のことを間違えて異和感を使っている人がほとんどです。

違和感は正しい日本語

正しい言葉である違和感を使った分かりやすい例としては、「昨日から足に違和感がある」「彼女はもう三十歳になるが制服を着ても違和感がない」「練習後に腕に違和感を覚えたので病院へ向かった」「彼女の行動に違和感を抱く」「腕に違和感がある」などがあります。

違和感という言葉はあっても、異和感という言葉は存在しません。同時に違和感という単語の意味について「しっくりしない感覚のこと」と覚えておきましょう。

違和感の英語表記

違和感を英語にすると「something wrong with」「feel strange」となり、例えば上記の「腕に違和感がある」を英語にすると「I’m feeling something wrong with my arm」となります。

異和感の意味

異和感とは

異和感とは、違和感の間違った使われ方です。

異和感という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、違和感と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

異和感と間違えやすい理由

違和感を異和感と間違って使う人達は医療関係者に多くみられます。理由としては、医療系の専門学校や大学で違和感のことを異和感と教えられてたからです。しかし、平成生まれ以降の医師達は違和感を使うことが多く、間違った言葉である異和感を使う人は少なくなってきています。

異和感の異の意味

間違った言葉である異和感の「異」は、他と違っていることや、普通とは違っていることの意味を持っています。

違和感の意味

違和感とは

違和感とは、しっくりしない感覚のことを意味しています。

違和感の使い方

違和感を使った分かりやすい例としては、「お腹の違和感が消えて良かった」「体に違和感がある場合には十分に注意してください」「彼氏の家に遊びきたが違和感を抱いたので問い詰めたところ浮気が発覚した」「話せば話すほど違和感が生じてきた」などがあります。

その他にも、「この表現は日本語として違和感が生じる」「腰に違和感があったので練習を休んだ」「現政府に対して違和感を持つ人も増えた」「苗字ではなく名前で呼ばれることに違和感を覚えた」「彼の行動に強い違和感を抱く」などがあります。

違和感の語源

違和感は、違和が派生にした言葉になります。違和とは、体の調子が崩れることや周りと雰囲気が合わないことです。そのため、違和感は体の調子がしっくりしない場合や、周りと雰囲気が合わないのでしっくりこない場合に使います。

また、上記の例文の「体に違和感がある場合には十分に注意してください」などは、体の調子がしっくりしない意味で使っており、「彼氏の家に遊びきたが違和感を抱いたので問い詰めたところ浮気が発覚した」は周りと雰囲気が合わないのでしっくりこないの意味で使っています。

「違和感を感じる」は誤用ではない

違和感を使った有名な言葉に「違和感を感じる」があります。「違和感を感じる」は、二重表現のため正しい日本語ではないと思われがちですが、実際は二重表現ではありません。「違和感」はしっくりしない感覚のことで、その対象から不自然な感覚を感じるという意味の言葉になっています。

ただし、同じ字や音が続くのであまり綺麗な表現ではなく、文章を書く際などにはあまり適していません。もし「違和感を感じる」を使いたいのであれば「違和感がある」や「違和感を覚える」などとするのがいいでしょう。

二重表現とは、「頭痛が痛い」「はっきりと明言する」「後で後悔する」「馬から落馬する」「アメリカへ渡米する」「挙式を挙げる」「被害を被る」などのように、同じ意味の言葉を重ねる表現のことです。

表現方法は「違和感を抱く」「違和感を覚える」「違和感がある」

「違和感を抱く」「違和感を覚える」「違和感がある」「違和感がない」「違和感が消える」「違和感が消えない」「違和感が生じる」「違和感を持つ」などが、違和感を使った一般的な言い回しになります。

違和感の類語

違和感の類語・類義語としては、ぴったり合わないことを意味する「不一致」、疑いの念を抱くことを意味する「不審を抱く」などがあります。

異和感の例文

1.異和感という言葉は存在しないので、おそらく違和感の言い間違いだろう。
2.違和感という言葉はしっくりしない感じのことで、異和感という言葉はない。
3.異和感という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.異和感を覚えるという言葉を使う人はいるが、正しくは違和感を覚えるです。
5.違和感が生じるという言葉はあるが、異和感が生じるという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、違和感という言葉を間違えて異和感と表現している時などが挙げられます。

異和感という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、違和感を間違えて使っている可能性が高い言葉です。

異和感という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、異和感ではなく、違和感と表現するのが正しい使い方です。

違和感の例文

1.初めて話す人なのに違和感もなく打ち解けることができました。
2.前日の登板後に左肘の違和感を覚えたので、病院で検査したところ、右肘付近の屈筋回内筋痛と診断された。
3.先週からのどに違和感があるため、病院で検査してもらうことにしました。
4.彼の行動に違和感を抱いたので尾行したところ、他国のスパイであることが判明した。
5.自分のレベルアップのために新しい企業に転職したが、いつまでも違和感が消えず半年で退社することにした。
6.家に帰ると、部屋に違和感があると思ってあちこちを調べたら、何者かに物色された後が見つかりすぐに警察に通報した。
7.夏休みが明け、通学路でいつも見る景色に違和感を感じると思ったら、近所の家が解体されて更地になっていたのだと気がづいた。
8.クリエイターとして常識のバイアスで世の中の違和感に気づかなくなるのが嫌で、いつもクリティカルな視点で物事を見るようにしている。
9.リノベーションされた中古住宅は新築と言われてもまったく違和感がないほどにきれいで価格もお手頃だった。
10.外国人からしてみれば東京は高層ビル群と寺社仏閣や森林公園などが違和感なく共存しているのが興味深いそうだ。

この言葉がよく使われる場面としては、しっくりしない感覚のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、体の調子が崩れることや周囲の雰囲気に合わない場合に使う言葉です。

異和感と違和感どちらを使うか迷った場合は、異和感は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の違和感を使うようにしましょう。

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