【こけ下ろす】と【こき下ろす】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「こけ下ろす」(読み方:こけおろす)と「こき下ろす」(読み方:こきおろす)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「こけ下ろす」と「こき下ろす」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「こけ下ろす」と「こき下ろす」の違い

「こけ下ろす」は「こき下ろす」の間違い

「こけ下ろす」と「こき下ろす」の違いを分かりやすく言うと、「こけ下ろす」とは「こき下ろす」の間違った使い方、「こき下ろす」とは欠点などをわざと指摘してひどく貶すことです。

「こけ下ろす」は誤字

一般的には「こけ下ろす」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「こき下ろす」のことを間違えて「こけ下ろす」を使っている人がほとんどです。

「こき下ろす」は正しい日本語

正しい言葉である「こき下ろす」を使った分かりやすい例としては、「彼は他人をこき下ろしてばかりいる」「入賞した作品をこき下ろしているが彼の作品は入賞すらしていない」「彼女はその絵をこき下ろす」などがあります。

「こき下ろす」という言葉はあっても、「こけ下ろす」という言葉は存在しません。同時に「こき下ろす」という単語の意味について「欠点などをわざと指摘してひどく貶すこと」と覚えておきましょう。

「こき下ろす」の英語表記

「こき下ろす」を英語にすると「criticize severely」「run down」「 put down」となり、例えば上記の「彼女はその絵をこき下ろす」を英語にすると「she criticize severely the picture」となります。

「こけ下ろす」の意味

「こけ下ろす」とは

「こけ下ろす」とは、「こき下ろす」の間違った使われ方です。

「こけ下ろす」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「こき下ろす」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「こけ下ろす」と「こき下ろす」で間違えやすい理由

「こけ下ろす」と「こき下ろす」を間違えやすい理由としては、「こき」と「こけ」の発音が似ているのが原因になります。母音「イ」と「エ」は発音の仕方が似ているので、母音が逆になりやすいです。

間違えやすい理由はもう一つあります。「こけ」を使った言葉の相手を馬鹿にすることを意味する「虚仮にする」(読み方:こけにする)が、欠点などをわざと指摘してひどく貶すことを意味する「こき下ろす」と非常に意味が似てるため混同して覚えてしまったことです。

「こけ下ろす」の「こけ」はマイナスイメージの言葉

「こけ下ろす」の「こけ」とは、愚かなこと、見せかけだけで中身のないこと、そのような状態であることを貶すことの意味を持っています。そのため、マイナスのイメージで使われることが多い言葉です。

「こき下ろす」の意味

「こき下ろす」とは

「こき下ろす」とは、欠点などをわざと指摘してひどく貶すことを意味しています。その他にも、しごいて落とすという意味も持っています。

「こき下ろす」の使い方

「こき下ろす」を使った分かりやすい例としては、「他人の仕事をこき下ろすのはやめよう」「頑張って作った作品をこき下ろされると悲しくなってくる」「彼は自分に自信がないのか他人をこき下ろしてばかりいる」などがあります。

その他にも、「他人を言葉でこき下ろす衝動が我慢できない」「散々こき下ろしておいて後で仲直りしようなんて虫が良すぎる」「彼女は自分の両親を容赦なくこき下ろしていた」「彼は他球団の選手やファンをこき下ろすことが多い」などがあります。

「こき下ろす」の語源

「こき下ろす」は扱いて擦り落とす「扱く」(読み方:こく)に、上から下に移動させることを意味する「下ろす」が合わさったできた言葉です。平安時代以降は扱いて落とす意味で、主に風で花や葉を落とす意味で使われていました。

しかし、明治時代以降はその意味が転じて、他人や他人の物を貶す意味で使われるようになり、現代でもその意味で使われています。そのためマイナスのイメージしか持っていない言葉です。

「こき下ろす」の漢字表記

「こき下ろす」を漢字にすると「扱き下ろす」と表現することができます。

表現方法は「こき下ろした」「こき下ろして」「こき下ろす人」

「こき下ろした」「こき下ろして」「こき下ろす人」などが、「こき下ろす」を使った一般的な言い回しになります。

「こき下ろす」の類語

「こき下ろす」の類語・類義語としては、悪意を持って悪く評価することを意味する「腐す」、他人を悪く言うことを意味する「謗る」(読み方:そしる)、わざわざ悪い点を取り上げて避難することを意味する「貶す」、欠点を見つけて悪く言うことを意味する「けちを付ける」などがあります。

また、上記の類語で挙げた「貶す」や「腐す」よりも、「こき下ろす」は悪く言う程度が非常に高いです。

「こけ下ろす」の例文

1.「こけ下ろす」という言葉は存在しないので、おそらく「こき下ろす」の言い間違いだろう。
2.「こき下ろす」という言葉は欠点などをわざと指摘してひどく貶すことで、「こけ下ろす」という言葉はない。
3.「こけ下ろす」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.入賞作品をこけ下ろすという言葉を使う人はいるが、正しくは入賞作品をこき下ろすです。
5.手厳しくこき下ろすという言葉はあるが、手厳しくこけ下ろすという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「こき下ろす」という言葉を間違えて「こけ下ろす」と表現している時などが挙げられます。

「こけ下ろす」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「こき下ろす」を間違えて使っている可能性が高い言葉です。

「こけ下ろす」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「こけ下ろす」ではなく、「こき下ろす」と表現するのが正しい使い方です。

「こき下ろす」の例文

1.こき下ろす性格の人と一緒にいても損しかしないので距離を置いている。
2.人のことを散々こき下ろしておいて、自分にだけ甘いのは許されないよ。
3.自分が受験に失敗したからって、合格した人をこき下ろすのは良くないことです。
4.彼女は同僚をこき下ろしてばかりいるのでみんなから嫌われています。
5.嫉妬して相手をこき下ろすのは、本当にみっともないことなので、絶対しないように気を付けています。

この言葉がよく使われる場面としては、欠点などをわざと指摘してひどく貶すことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、しごいて落とすことを表現したい時にも使います。

上記の例文のように、「こき下ろす」はマイナスな意味でしか使われない言葉になります。また、人だけではなく物に対しても使うことができます。

「こけ下ろす」と「こき下ろす」どちらを使うか迷った場合は、「こけ下ろす」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「こき下ろす」を使うようにしましょう。

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